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その転移魔法、チートですよ?  作者: 気まぐれ屋さん
1章 イントロ~屋敷移住まで
19/66

19.「異世界から来た人へ」


前回までのあらすじ。

「異世界から来た人へ」「魔道具大百科」「昔話100選」「種族大百科」の4冊を、図書カードに転写した。

――――――――――――――――――――――――



図書館の利用権は今日の日暮れまで有効だ。

そして再入館も、期限内ならタダでできる。


だが、図書館特有の静かな雰囲気が苦手なので、今日はもう再入館しないつもりだ。



俺は近くの喫茶店の屋外席でココアを飲みつつ、図書カードを使って本を読んでいる。


図書カードを、スマホみたいに指で操作すると、宙に本の内容が現れる。

内容は他の人には見えないらしい。


――――――――――――――――――――――――

「異世界から来た人へ」大陸について:


大陸は、地、水、炎、風の4つに分かれている。


北東に位置する地の大陸、南西に位置する水の大陸。

北西に位置する炎の大陸、南東に位置する風の大陸。

――――――――――――――――――――――――



ぺらり、ぺらり。



――――――――――――――――――――――――

「異世界から来た人へ」風の大陸について:


風の大陸は、いくつもの特徴的な風と、大陸中央の30を超える浮遊島、浮遊島群の真下の地面には巨大な穴。

浮遊島と穴の周りの地続きの大地によって構成されている。


他の大陸がいくつもの国家を有する中、風の大陸には1つの国家しか存在しない。


いや、風の大陸全域が1つの国として機能している。


国といっても、合衆国の形態を取っている。


アメリカ合衆国が州ごとに異なる法律で動いているように、浮遊島や都市は各々が小国家みたく独自のルールで動いている。

――――――――――――――――――――――――



「すみませーん。日替わりケーキのおかわり1つ」


「はーい」



俺は運ばれてきたケーキを受け取る。

王都というだけあって、ケーキの味も洗練されている。


ミルフィーユっぽいケーキを食べつつ、まったり読書に励む。


ネット小説好きの俺は、異世界の設定資料集だけでご飯3杯はいける。

……この異世界に、米がないみたいなのが残念だが。



ぺらり、ぺらり。



――――――――――――――――――――――――

「異世界から来た人へ」能力の上げ方について:


レベル:戦闘、人助け、労働、など。何をやっても上昇する可能性がある。

HP:レベルを上げると上昇する。体を鍛えるなどでも上昇する。

MP:レベルを上げると上昇する。魔道具を使うなどでも上昇する。


力:ひたすら体を鍛える。種族ごとに限界があるらしい。

頑丈さ:上げ方不明

素早さ:速度を要求する動作を行うと上昇する。

知識:本を読む。話を聞く。

魔法力:魔法を使う。魔道具ではほとんど上昇しない。

器用さ:上げ方不明。

――――――――――――――――――――――――



ぺらり、ぺらり。


俺は図書館利用時間の終わりまで喫茶店で過ごした。



◇ ◇ ◇ ◇



夕暮れ時、図書館前にて俺達は集合した。




「お疲れさん。どうだったよ?」


「2冊読んで、別の4冊をカードに入れたわよ」



シルフィーンは図書カードに保存する本とは別に2冊読んだらしい。



「130冊読んで、気に入った4冊を図書カードにコピーしたですよ」



グノームは速読なのか、凄いな。



「260冊の写真集を見て、抜ける4冊をコピーしましたわ」



さすが、エルフ達は知識に対して貪欲だ。

一人変なのがいるが。



「宿に帰る前に、ここで夕食を食ってくか?」


「王都の食事は高いですよ。

調理用魔道具を買ったので、宿で私が作るですよ」



茶髪エルフのグノームは、まな板と包丁、フライパンと鍋を見せる。

普通の調理道具に見えるが、調理用魔道具と言っているので、何か特別な仕様があるのだろう。


にしても、グノームの手作り料理か。

女の子の手料理なんて食ったことのない俺はもちろん大歓迎だ。



「浮いた夕飯代はこすですよ」



ちゃっかりしてやがる。



「さあ帰るぞ。テレポート」



別に呪文は唱えなくても転移できるみたいなのだが、唱えた方がそれっぽいから今後もそのスタイルでいくつもりだ。

俺と3人のエルフの姿が王都から消えた。



◇ ◇ ◇ ◇



俺達はマニィの浮島にある町の1つ、クラムの町にある宿屋の自室内に転移した。



「到着、お疲れさん」


「いつ見てもふざけた転移魔法ね」


「「……」」



グノームは何も言わず、扉の向こうを睨んでいる。


イフリアも、目はおだやかだが、シルフィーンと同じ方向を見ている。



「そこに、誰かいるわね」



シルフィーンによると、どうやら扉の向こうに誰かいるらしい。

ここは宿屋だ。廊下に人の1人くらいいても不思議ではない。


だが、3人の様子を見るに、扉の向こうで誰かがじっと待っているということらしい。



「……失礼。待ち伏せしていたのは、決してあなたがたに悪意があったわけではない」


「なら、堂々と入ってきなさいよ!」



扉の向こうから枯れた年寄りのような声。

それに対してシルフィーンが答えた。


おいおい、素性もわからない奴を部屋に入れるのはどうかと思うぞ。


がちゃり、と扉を開けて、長い白ひげの老人が入って来た。



「シロガネと申す。「竜を討つ者たち」のギルドの長だ」



老人はそう名乗った。



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