閑話 ある男の暴走溺愛記2
古沢さん視点の続きです。
懐かしいあの子も登場します。
清香と結婚の約束をしてから一年が経った頃――
「異形……討伐……ですか?」
実戦班の班長から異形討伐のチームに抜擢された。
「ああ、文化庁から神器を借りて討伐に向かってくれ」
あの日の謙介を忘れたことはなかった。
その姿を思い出し、ギリッと歯ぎしりする。
「メンバーは今年入った即戦力の大和、それと文化庁の人間が一人実戦班員として随行する。まあ、神器の監視だな。それと技術班員は現地調達で良いとして……」
「……」
「残りは医療班員だが……それはこちらで打診しておく……良いか、古沢? おい、古沢?」
「ハッ、申し訳ありません。了解しました。そちらはお任せします」
「うむ。出発は明後日、ロビーに集合だ」
「はい、失礼します」
長い話は遠慮したい。
ただでさえ今は気分が乗らないのだ。
今は気持ちを切り替えて異形討伐に向けて準備するまでだ。
謙介の二の舞は絶対に踏まない。二度と清香と加奈を悲しませる訳にはいかない。
当日――
古沢は目の前の光景に唖然とした。
「こんにちは、おじさん」
「加奈?」
今日の討伐には加奈が同行するらしい。
何でも始めは別の人間だったのだが、急遽加奈に変わったらしい。何故だ?
「清香には言ったのか?」
「……ママには言えないよ。でも、おじさんが心配なの!」
俺のために今回同行することにしたらしい。何て良い子だ。
……いや、そうではない。駄目だ。
今回は危険な任務だ。できれば連れて行きたくはない。
「しかしだな……」
「もう決定したのよ。今更変更はできないわ」
「クッ……そうか。だが無理はするなよ。それと俺の事は古沢さんと呼べ」
「はぁ~い、古沢さん♪」
今から出発するのに、今更変更はできない。其の通りである。
この子、確信犯か?
何にしても加奈、いや未来の義娘との初仕事である。
身を挺してでも護ってみせる。
加奈と話していると、金髪二人がこちらにやって来た。
恐らくあれが今回の残りのメンバーであろう。
「ん? 他の連中も来たか」
途端に無表情になる加奈。
いつか知り合いに加奈の事をさりげなく聞いてみたが、いつもはこんな感じなのだそうだ。
俺としては笑っていた方が良いのだが……。
「こんにちは。お久しぶりですね、古沢さん」
「……お前か、真道寺」
前回会ったときは六年前。そう、謙介の件以来である。
嫌でも当時の記憶が蘇る。
「それと、そちらは加奈ちゃんですか……大きくなりましたね」
「ええ、お久しぶりです。真道寺先輩」
「そうか、加奈ちゃんもここに入ったんだね」
「加奈ちゃんはやめてください、真道寺先輩」
「おい、余計なことはいい。出発するぞ」
気のきかない真道寺に苛つきながら、さっさと出発することにする。
当時の事を思い出させる訳にはいかない。
だが現地で異形を見れば嫌でも思い出すだろう。
憂鬱な気分で実情を知らせる。
「それと、技術班員だけは現地の人間だそうだ」
「そうですか。ではこれで全員ですね。あ、こちらは大和君です。知っていますよね?」
「ああ、よろしくな、大和」
「はい。よろしくであります」
「よし、行くぞ」
――数時間後。
魔列車に乗って、現地に到着した。
確か第二十八支部は駅から近い場所にあるそうだ。
地図を見ながら歩いていくと、案外直ぐに到着した。
早速、ロビーで受付を済ませることにする。
「本部の古沢という者だが、こちらの支部長にお取次ぎ願いたい」
「失礼ですが、アポはお取りでしょうか?」
「ああ、13時丁度に予約をしている」
「失礼致しました。取り次ぎ致しますので少々お待ち下さい」
受付は優しそうな若い子であった。雰囲気が柔らかい。
どことなく清香に似ている。将来有望であろう。
営業班の一ノ宮とネームプレートに書いてある。
新人であろうか。
それにしてはしっかりと受け答えをしている。感心だな。
「はい、はい。承りました」
何かを話終えてガチャリと受話器を置く受付の一ノ宮嬢。
「ゲストルームに案内しますので、そちらで技術班員の方をお待ちください、とのことです」
「支部長殿や技術班長殿にご挨拶しなくてもよろしいのでしょうか?」
「そちらは必要ないので、勝手にやってくれとのことです」
「……いい加減だな」
本部では考えられないくらいに緊張感のない空気である。
これが支部というものであろうか。
まあ張り詰めているよりは良いか……。
一ノ宮嬢に連れられてゲストルームに向かう四人。
受付は放っておいていいのだろうか。
そこまで人材不足なのであろうか。
「あっ! 愛理、どうしたの?」
「愛理ちゃん、珍しいね!」
廊下を歩いていると一ノ宮嬢に声が掛けられてた。
赤髪ショートの娘と銀髪ロングの小学生(?)の二人である。
「もう、二人共、業務中ですよ。古沢様、お騒がせして申し訳ありません」
「ハハハ、元気で良いと思うぞ。それと"様"はいらない。同じ仕事仲間だろう?」
「あっ、お客さん……」
「す、すいません」
一ノ宮嬢に注意されて謝る女子二人。
礼儀正しい子達だ。
赤髪の子のネームプレートには実戦班の葛、銀髪の子のネームプレートには情報班の皇と書いてあった。
小学生ではなかったか。当然か。
だが違う班でここまで親しそうだとは感心である。
女子故か、はたまた同期だったりするのだろうか。
それにしてもこの俺の顔を見ても恐がらないとは、貴重な人材である。
「また後でね」
この場は我々を優先する一ノ宮嬢。
場をわきまえ、公私混同しないその姿。益々清香に似ているな。
息子がいたら是非とも嫁に来てもらいたいくらいだ。
その時、一ノ宮嬢が誰かを見つけて声を上げた。
「あっ、山科技術班長!」
「ああ、君は確か受付の子だったな」
「はい、一ノ宮と申します」
「そうか、まあ気楽にな。でだ、うちから一人って話だったんだが、柊にしたんで後で向かわせる。よろしくな」
「柊さんですか……分かりました」
山科技術班長と呼ばれた男は俺達を一瞥すると、何も言わずに去っていった。
柊という名前を聞いて一ノ宮が一瞬ピクリとした。恋人か何かであろうか。俺の目は誤魔化せない。
こんな子の彼氏なくらいだ。随分と期待できるな。嬉しい誤算だ。
それにしても先程の男がこの支部の技術班長か。俺達を無視したぞ。随分とゆるい男みたいだな。おい、大丈夫か支部。
やがてゲストルームに到着する討伐メンバー四人。
「こちらでお待ちください」
「うむ。案内感謝する」
しばらくゲストルームで待っていると扉がノックされ、媚び諂うような口調で声がしてきた。
「あのぅ、呼ばれてきました」
「入れ」
「し、失礼します」
扉を開けて入ってきたのは頼りがいのなさそうな男。
ネームプレートには技術班の柊と書いてある。こいつが一ノ宮嬢の彼氏? あの子、駄目人間に魅力を感じるタイプか?
確かにしっかりした一ノ宮嬢になさけなそうなこの男。組み合わせとしてはありなのかもしれないが、あの子の幸せのためにもこの男はやめておいたほうが良い。
いや待て、早まるな。そうと決まった訳ではない。全て俺の想像の範疇。駄目な弟を心配する姉のような感じかもしれんしな。
とにかくこの男が最後の一人。言葉の節々から気の弱さとやる気の無さを感じる。しかも異能の波動が一般人以下である。
何だ、この駄目人間を絵にしたような男は。期待外れも良い所だ。
上の連中は何でこれを選んだんだ? こいつ、役に立つのか?
やはり加奈は俺が守らなければいけない。
まずはこの緩んだ場を締めなければ。
「来たか。これで全員揃ったな。なら軽く自己紹介でもしておくか。俺がリーダーの古沢彰だ。現地では俺の言うことには必ず従うように」
「よ、よろしくお願いします」
俺の自己紹介に柊がビビりながら挨拶を返す。
自分の顔の恐さは分かってはいたが、ビビり過ぎではないだろうか。
この男、ヘタレだな。
「僕がサブリーダーの真道寺潤です。よろしくお願いしますね」
「はい、こちらこそ」
真道寺が挨拶をする。こいつにもビビっている。
何だこの男、ビビリが標準か?
「じ、自分は実戦担当の大和歩であ、あります。若輩者の新人ですが、よ、よろしくお願いします」
「あ、ああ、よろしくお願いします」
「新人と言っても、御堂ヶ丘学園を主席で卒業した期待のエースです。去年の全国学生対抗試合でも優勝したそうですし、若いながら世界試合も経験しています。今年の中では一番の有望株ですね」
「ハッ恐縮であります」
うむ。新人同士の会話か。
どちらもぎこちない。新人はこんなものなのであろうか。
それにしては受付の子はしっかりとしていたぞ。
頑張れ、新人。
「技術担当の柊真人です。じ、自分も新人ですが、よろしくお願いします」
「うん、よろしくね」
「ハッ」
自己紹介くらいはきちんとできるんだな。まあ、当然か。
最後は加奈か?
「私は医療担当の夏目加奈よ。今年で二年目だから貴方達二人の先輩に当たるわね」
「そうでありますか、よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします」
何ニヤニヤいやらしい目で加奈を見ているのだ。
この男、抹殺対象か?
「古沢さんと真道寺先輩もよろしくお願いしますね」
「う、うむ。よろしく頼む」
「はい。よろしくお願いします。加奈ちゃん」
急に加奈に話を振られたので、ドキッとしてしまった。
やはり古沢さんという言い方に慣れていないのだろう。
「加奈ちゃんはやめてください先輩。後輩に示しがつきません」
「ハイハイ。加奈ちゃんは真面目ですね」
「……」
加奈が溜息をついている。
この真道寺という男、やはり危険だな。
「あのぉ……四人とも本部の方と聞いたんですが、何で技術担当だけ現地採用なんでしょうか?」
何だ、その行きたくないという口調は?
根性を叩き直してやろうか。
「その事ですか。端的に言うと今回の対象は少々強敵でね。支部の人材では対応は厳しいということになったんだ」
「要はこちらの支部で使えそうなのが技術班だけだったという事……なんだけど……」
「どういうことですか、真道寺先輩?」
「加奈ちゃんの言いたい事は分かるよ。実際僕も不安だけど、彼が選んだ人材だ。期待しようじゃないか」
「話は分かりました。そういうことですか。ですが実戦担当はともかく医療担当くらいは適当な人材がいたと思うのですが……」
加奈が不安を口にする。
当然だ。俺も同じ気持ちである。
それにしてもグチグチと男らしくない奴だな。
「そこら辺は事情があってね。念には念を入れるってところかな」
「……?」
「杞憂で終わればいいんだけどね。最悪の事態もありえるって事さ」
柊が真道寺の言葉に顔色を変える。
まあ、その気持ちは分かる。
今回は異形が相手。それを知らないのであろうか。
まあどうでも良い。俺の最優先は加奈を守ること。それだけだ。
出発すること数時間。
今は山間部を歩いている。
「え~っと、こっちですね」
頼りない案内役だな。本当に方向は合っているのか?
「あのときは大変だったわ。別に先輩が死んでも良かったけどね」
「ふふっ、相変わらず加奈ちゃんはお茶目ですね~」
「ふふっ、化獣に襲われて潰れたらいいのにね」
「ははっ、加奈ちゃんは手厳しいね」
むう。真道寺がやけに加奈に馴れ馴れしい。
しかし加奈に余計な口は挟まん。それが俺のポリシーだ。
「しんどい……」
「だらしないわね新人。私も実戦担当じゃないけど、これくらいじゃ疲れないわよ」
加奈の言うとおりだ。
だらしないぞ、柊。
「あのぉ~、二人は知り合いなんでしょうか?」
「ふふ。そうですよ。加奈ちゃんとは確か……六年前からの知り合いでしょうか」
真道寺が余計な事を言い出す。
加奈を見るが――暗い顔をしてはいるが、大丈夫そうである。成長したな。
「……そうね。あの時はお世話になったわ」
「どういたしまして。当然の事をしただけですよ」
「もうあの頃とは違うわ。私は強くなった。護ることも救うこともできるわ」
「……?」
「加奈ちゃんは医療班っていったよね。医療班は医療技術は優れているんだけど戦闘はからきしの人達が多くてね……」
「だけど彼女は戦闘技術も高いんだよ。戦闘に不慣れな医療班の中では一、二を争う程にね」
「彼女にも色々あったんだよ」
加奈は強くなった。心も身体も。
もう親離れであろうか? まだ親になってもいないのに、パパ(仮)は寂しいぞ。
その時、柊が突然慌てて叫びだした。
「レーダーに反応がありました! 前方100メートル、ちょっとコレやばいですよ」
まさか、ついにか。
このまま進むのはまずい。状況確認だ。
「全員止まれ! 確認する!」
手に汗を握り、懐から双眼鏡を取り出す。
目に当てて確認するが、間違いない。異形だ。
緊張する自分がいるのが分かる。あれがトラウマになっているのであろうか。
自分を抑えるように言葉を紡ぐ。
メンバーに不安を与えてはいけない。リーダーはどん、と構えていなくては。
「最悪の事態が起こったな。あれは『異形』だ」
「か、帰りましょうか? 援軍を呼んだ方が良くないですか?」
「何言ってんのよ。アレを退治するために来たんでしょう?」
「そうであります。情けないであります」
「そうだよ、柊君。前進あるのみだよ」
またしても柊が情けない事を言い出す。
貴様、どれだけヘタレなのだ。
しかし俺はリーダー。皆を勇気づけるのも仕事。やむを得ない。
「大丈夫だ。こんな事もあろうと準備はしている」
「それは……神器ですか。凄いな」
「そう、これはこの国に三つしかない神器の一つ。草薙の剣だ。これがあれば異形など恐るに足らん」
神器は見た目も凄い豪華である。
見ただけで力強さを感じる。
これを作った者はそこまで考えていたのであろうか。
今はとにかく突き進むのみ。
「真道寺は左後方へ、大和は右後方へ向かって異形を牽制してくれ。夏目と柊はここで待機」
「「「了解」」」「了解しました!」
おい、柊。何だその元気な声は。
終いには俺も怒るぞ。
異形まで前方五メートル程の距離までやって来た。
加奈は置いてきて正解だったな。あれはヤバい。
左には真道寺、右には大和の姿も見える。準備は良いようだ。
「二人共、行くぞ!」
俺が突っ込むと同時に真道寺と大和が牽制を始める。
真道寺から遠隔攻撃で炎の槍が、大和は近距離で刀を使っている。
真道寺の攻撃の隙に大和が行き、その隙に俺がトドメをさす――イケル。
炎の槍が異形に直撃し、大和がその隙に斬りかかる。
よしっ今だ!
大和とは逆方向から忍び足で迫るが――
「――っと、何だ!?」
飛び込んだ俺に異形から腕が伸びてくる。何故だ!?
牽制が効いていない?
厄介だな。どうする?
神器は俺の持つこれのみ。
ならば――
「お前ら、引き続き色々な方法で牽制を頼む! 俺も隙をついて何回か挑戦してみる」
しばらく経つが――
「やっぱりダメですか……」
「クッ効かないであります。刃が全く通らないのであります」
「古沢さん、ダメです。牽制もできません」
やはり駄目なようである。
何故俺にしか反応しないのであろうか。
あるいは本能のみで生きている存在なのか?
そういえば謙介も本能で家族に会いに行ったんだったか。
どうする……
その時、俺が最も危惧していた事態が起こった。
加奈が来てしまったのだ。何故来たのだ、加奈!?
「参戦します。私が足止めしますので、パ……古沢さんはその隙に攻撃をしてください」
「分かった」
クッ、来てしまったのであれば、しょうがない。
それにしても柊は何をしていたのだ。加奈を止めるなりできなかったのだろうか。
ん? 隅っこの方でちょろちょろしているのがいるな。アイツ、柊か。
何なんだ、お前は。何がしたい?
加奈の術が発動して異形の動きが止まる。
チャンスだ。
だが――
「ガアアアアアアッ!」
「共振か……クソっ、力が抜ける」
まずい。皆の動きが止まっている。
異形を見るが、あれは加奈を狙っているのか?
クソッ、動け、俺!
ダメだ。攻撃が来るっ!
「ヤバイ!」
衝撃で飛ばされて薄れゆく意識の中、柊の声がしてそちらを見る。
柊が加奈を間一髪で助け出していた。
よし、良くやった。貴様、やれば出来る子なのか!?
見直した……ぞ……
……ここは……そうか、吹き飛ばされて……加奈!?
慌てて周りを見渡すが、加奈はそこにいた。
どうやら気が付いた時には全てが終わっていたようだ。
真道寺がやってくれたらしい。
加奈を護ると言っておきながらこのザマ、情けない。
不甲斐ない自分に苛立ちを覚える。
「しかし加奈先輩も大変ですよね」
「何が?」
「こんなむさ苦しい男の中に女一人。紅一点じゃないですか。どこ行ってもこうなんじゃないですか?」
「女一人? あっそうか、フフっ、そういうことね」
いつの間にか加奈と柊が打ち解けていた。
むう。加奈は嫁にはやらんぞ。
さらに会話が気になり聞き耳を立てる。姑息なようだが、気になるものは気になるのだ。
「?」
「気づいてないのね? まあ面白そうだからそのままにしておくわ」
「何の事か分かりませんが、まあ良いです」
何を気付いていないのだろうか。俺も気になる。
だがそこで不測の事態が起こる。
「そ、それから……さ、さっきはありがとうね」
「ヘッ?」
「助けてくれたでしょ。い、一応礼を言っておくわ。それだけだから」
何だ!? 今のは何だ!? ヤバい。この先の展開を起こしてはいけない。
慌てて二人をこちらに呼び寄せる。
「おーい、こっちに集合だ」
平静を装って話を続けることにする。
特に加奈には気づかれてはいけない。
「今日はご苦労だった。途中、みっともない姿を晒してしまったが、真道寺がうまくやってくれたようだ」
そこで柊が不満そうな顔をする。
そういえば加奈を助けてくれたんだったな。礼くらい言っておくか。
「柊もご苦労だったな」
「えっ?」
「真道寺や夏目から話しは聞いている。全員無事なのはお前のおかげでもある。感謝する」
「いやーっ、大和の奴を運んだだけですよ?」
「何、謙遜するな。加……夏目を助けてくれたんだろう?」
「あっ、そっちですか」
礼を言ったが、そっちとは何だ? 気になるぞ。
貴様、加奈に変なことをしていないだろうな?
さりげなく聞いてみる。
「? そっちというと他に何かあるのか?」
「いや、こちらの話しです」
「? そうか。なら良いが……」
「彼も疲れているんですよ。色々ありましたからね。そう、色々とね」
「何だ? 意味ありげな発言だな」
「彼と僕との秘密ですよ。ねえ、柊君」
まあ真道寺絡みならば別の問題であろう。その筈だ。加奈は関係なし。
その後大和となにやら話していたが興味はないので切り上げた。
翌日、駅に来ていた。
ようやく帰宅だ。妙に疲れが溜まっているな。年か?
さっさと列車に入ってのんびりするとしますか。
「じゃあ、柊。ご苦労だった。以後健やかでな」
「柊君。ご苦労様でした。また会いましょう。いや、近いうちにまた会うかもしれませんね。フフッ」
その後、加奈達も入ってきた。
何か話していたようだが、何故こんなに気になるのだ。これが親バカ(仮)という奴か。まあ良い。
加奈との初仕事もこれで終わりか。それはそれで惜しいな。
一話構成にするつもりが長すぎたため、五分割にしました。
今回はその二つ目です。
しばらく作者の願望にお付き合いください。




