エピローグ
第一章エピローグです!
やっとここまで来たぁ~。
とあるビルの一角。
一人の老人と二十代後半くらいの麗しき女性が話していた。
「それで、どうじゃった?」
「彼が選ばれたようです」
「当然じゃな」
老人は女性に質問した答えを予測していたかのように頷いた。
老人にはこうなることが分かっていたのだ。
「それと異形討伐に五人程向かわせましたが、やはり使徒が現れたようです」
「もう感づいたか。予想よりも早いな」
「……」
「本部長殿は何か言っておったかのう?」
「……貴方やあの男が彼を後押ししていましたので、期待はしていたようですよ」
「ふむ。余計なことにまで勘づかなければ良いが……」
国内は不安定で、水面下では不穏な派閥争いまで行われている。
これも世界が変動する予兆なのだろうか。そう思わずにはいられない老人であった。
余計なことにまで波紋を広げる訳にはいかない。
「彼らもそこまで愚かではないでしょう」
「……どうじゃかな。人の欲とはどこまでも愚かなものよ」
全ての始まりからの顛末を知っている身としては楽観視できない。
アレも人の欲から生まれたものであるからだ。
それを発端に幾つの犠牲が生まれたことか。
使徒も異形もそれの一端に過ぎない。
「最近、異形の出現が頻発しておる。奴らが動き始めている証拠じゃな」
「本当にそのような事態が起こるのでしょうか?」
「実際に奴らが現れたのが良い証拠じゃ。今は来たるべきに備えて万全の状態を作り出すことに専念せねばな」
一人の男の発言から始まった壮大な計画。
世界の行く末を左右する事態なだけに、くだらないものに足を引っ張られるのは愚かしいの一言に尽きる。
今までと同じ末路を迎える訳にはいかない。
だが今回は今までとは大きく違う。彼がいるのだ。
全ての始まりから数多の末路を見届け、渡り歩いてきた物達。
その彼らがついに探し当てた一筋の光。
今回が最後のチャンスかもしれないのだ。
そんな彼を中心に準備を進めて行かなければならない。
「異形に関しては、他に割く人員がおらんのも問題じゃな。高位ランカーが不足しておる」
「そうですね。<羅漢>も堕ちてさらに戦力が減ってしまいました」
「それは言うては儘ならんことじゃ。今は特に神器の数が足らん。一刻も早く神器を集めなければ……」
異形に有効なのは高位ランカーによる力押し。
あるいは神器による対抗しか手はない。
だが、神器は現在国内に三つのみ。そのうち二つは実戦用ではない。
実質使えるのは一つのみ。
深刻な問題であった。
「そのせいか、他国から神器を狙う者も出始めておる」
「足並みを揃えることもできませんか」
「所詮、自国以外はどうでも良いという連中じゃ。何も分かっておらん」
「頭の固い連中の行うことですからね」
「裏の連中も動き初めておるみたいじゃしの」
「裏の、ですか?」
「代表的なのは『ノーブレス』じゃな。アレは厄介じゃ」
事態を知る者知らない者。
事情は多分にあるが、どこもかしこも独自の路線を突き進んでいる。
足の引っ張り合いをしているのだ。
うまくいかない現状に頭痛がしてくる。
「とにかく、神器、人材、時間。全て足りん。少々のんびりしすぎたようじゃ」
「今後はどう動かれるのですか?」
「……近いうちに、世界会議を開こうと思っておる」
「世界会議ですか?」
「儂らEX級ランカーが集まる場じゃ。もちろん今回は、十二貴族の当主や六大旧家の宗主、大財閥の総帥や裏の連中までも招待する予定じゃ」
「果たして彼らが大人しくやって来るでしょうか?」
「それはなるようにしかならんな。もう世界は待ってはくれん」
あまりの現状に悲観する老人。
考えれば考えるほど深い溜息が出てしまう。
今でもそうだったが故に結局は最後は運、そういう結論に達してしまうのである。
「こんなときにどこにおるのじゃ、黎明の奴は……」
今世界のどこかにいるであろう頼れる盟友を想い、呟くのであった。
第一章はここで完結です。
未回収の伏線が多分にありますが、章が進むにつれて回収していく予定です。
お気に入り登録してくださった皆様、応援ありがとうございました。
第二章、第三章……と続く予定ですが、なにぶん作者の処女作でもあります。
練習がてら違う物語なんかも……とか考えちゃう日々です。
特に前半の書き方が納得いかなくて、でもここまで書いちゃうと修正大変で、どうしよう……。
ちなみにメインヒロインは大和ちゃんを予定しています。
徐々に色々な女子が登場してきますが、ハーレム展開になるかは作者にも不明。
その場のインスピレーションで進めていきたいと思います。
まだまだ登場していない人物や設定なんかもあり、それも含めどんどん盛り上がっていくようにしたい……所存です。
次回から三つくらい閑話を入れてから、第二章に行きたいと思います。
ちょっとお時間頂きます。




