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異端進化論(改訂前)  作者: 七草 折紙
プロローグ
1/38

帰ってきた少年

初投稿です。

見づらいかと思いますが、ご容赦ください。

空港に降り立つ一人の少年。

彼にとっては五年振りの祖国への帰郷である。

辺りには長い座り旅に疲れを残し、身体を解している姿が多く見られる。

今は冬と春の境目。

機内から一歩踏み出すと、寒気と暖気が混じり合い、心地よい風となって、少年の髪を撫でる。

少年には快適で居心地が良い気候である。

懐かしい空気の匂いに様々な想いを乗せて、感慨深げに一息つく。


「ふうっ、やっと帰ってきたか」


国内には辿り着いた。

だが目的地まではまだ遠く離れており、これから数回の乗り継ぎを必要とする。

まだ到着ではないのだ。

久しぶりの祖国の景色をゆっくりと見渡しながら、周りの乗客に迷惑をかけないように規則正しく歩いていく。


「しかし俺が言うのも何だが、良く仕事が見つかったよな。師匠、どんなコネを使ったんだ?」


少年は就職のために祖国に戻ってきた。

社会勉強の一貫という理由で師匠の伝手を使い、仕事を紹介してもらったのである。

快く了承した師匠の思惑とは裏腹に、少年はこの仕事に骨を埋める覚悟でいた。


「俺は中学すら卒業していないからな。学歴は小卒?……そんな奴他にいるのか?」


少年の学歴上、就職口が見つかったのが奇跡であり、この先そんな幸運は訪れない。ある意味、少年は現実主義者であった。

少年の年齢は現在十八歳。

五年前といえば十三歳、中学に入ったばかりの頃である。


少年は孤児であった。

戦争で親を失ったなどと綺麗なものではない。

生まれて直ぐに捨てられたのである。

理由は今の世界で異端とされる少年独自の事情にあった。

この世界にそぐわない存在であった少年。

それでも孤児院で同じ境遇の仲間、家族達とそれなりに幸せに生きてきた。

だがそれすらも失ってしまった。

そんな時であった。少年が師匠に出会ったのは。

師匠に頼み込み弟子入りさせてもらい、今日まで祖国を離れて各国を旅していたのである。

失った過去を否定しないため、何も失わない未来を掴むために少年は足掻(あが)いていたのだ。


穏やかとは掛け離れた殺伐とした日々。

様々な人々と触れ合い大切なものも出来て、それなりに幸せであった。

大事なものを守れる力も手に入れた。

その人達に会えなくなったのは寂しいが、人間平穏が一番である。

落ち着いたら暇なときにでも会いに行けば良い、一般人として。

今日から新たに静かな生活を築いていくんだ、そう少年は固く心に誓っていた。


「最低限の知識は師匠から習ったから良いけれど……」


異能が当たり前になった社会。

かつて異能が夢物語でしかなかった時代を「旧時代」と呼び、異能の溢れる今の時代を「新時代」と呼んでいた。

旧時代が、歴史でしか語られない遠い過去の記憶としてしか、繋ぎ止めることができなくなった現在。

電気エネルギーが縮小される一方、異能エネルギーが大半を占め、世界はもはや異能無しでは生きていけなくなっていた。


「日本か……久しぶりだな」


そんな時代に少年は生きていた。


小説書くのって大変だね。

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