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妖の霜夜  作者: 蒼月
精神は強く
1/3

第一話

何時もの日常。私にとっては学校、帰れる場所、いつも明るい両親。


それは突然別れを告げるものだ。世は無常。常ではない。


誰でも平常を望んでいる。だが世の中というものはそれを許さないようだ。


この世の中の一切のものは常に生滅流転して、永遠不変のものはない。




+









初雪ははらはらと空から降りてきている。空は貫けないような蒼さ。蒼さっていうと怖いくらい青いの想像するかも知れないけど実際はくすんだ感じ。


寒い季節特有の無力感が私を襲う。嗚呼、寒いと動きたくなくなるよねえ。不思議に。


「嗚呼、何もやりたくないぃぃぃ」


下校時間校門で防寒で地味なマフラーをぐるぐるに巻き、手袋をした私はそんなことを一人で叫び、周りに奇異の目で見られてしまった。でも叫ばずにはいられない。だって単調すぎる毎日で凄く退屈だったし。何?叫んだ内容と理由が矛盾してるって?気にしない気にしない。


「霜夜帆乃香、またなんか言ってるね」


「放っておきなよ。変人なのがうつる。それとフルネームで呼ぶ癖なおしなさい」


今は冬、もう一回言うけど凄く無力感がある。それは皆同じだろうけど私みたいな無口な人が突然叫んだらそりゃぁ皆壊れたかと疑うだろう。でも私は結構お気楽なんだよね。そんな風に思われてもその人がそう思っただけで周りで何を言われようが関係ない。皆感情があるんだから。


ネットをしだして私は余り感情表現、喋ることをしなくなった。そしてだんだん内弁慶に。友達も居なくなっていったけどこんな性格の私は気にせず開き直るっていう。まあ変人ですし私。


私は叫んだ事で固まってしまった生徒達と一部失礼な発言した人を無視し、帰路へつく。春になるとソメイヨシノの桜が満開になるその木々達は今は冬の寒さにその身の葉を散らし花を咲かすため春に備えている。


寒風が身に浸みる。冬になると何時も思う、夏の方がマシだと。夏になったはなったで冬の方がいいって

思う。その繰り返し。困ったもんだ。


そんなことを考えながら歩いていると、桜の木の並木通りの奥の林に祠を見つけた。あれ、こんな所に祠なんてあったっけ。私は興味本位でそれに近づいていった。


祠は石祠じゃなくて何か社みたいな形で小さい紅い鳥居があって屋根が黒、柱や外装内装は真紅。でも古いのか色が薄れている。中には御神体なのか丸い無色透明な水晶が置いてあって何か古ぼけた護符が貼られていた。そして脇にあった石には何か書かれていたみたいだけど風化で字が読めなくなっている。


何が奉られてる祠だろう。確認しようにも字が消えてて……ええい!面倒くさい!兎に角何か奉られてるんだろう。にしてもよくうちの学校の不良集団がかっぱらって売り飛ばさなかったなあ。うちの学校、普通校なんだけど不良やらカラーギャングやらが多い。普通人は85%。私はどっちだって?変人です。

公言することかな?これって。私は怪異や怪談が好きな特に目立つことも無い平々凡々。


で、話を戻すけど、って私何を水晶を手にとってるんだろう。そして意識と関係なく護符を剥がそうとしてる。


「わぁぁぁアアア!何してんだ私はぁぁぁあ!」


何年も貼ってあったらしい護符は簡単に剥がれてしまった。その瞬間水晶から溢れ出した強烈な光は意識を奪い去り、脳内を白に染め、私の意識は暗転した。








うむ、この作品は不定期更新です。ご注意くださいな。

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