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冥婚から始まる皇妃戦略 - 棺桶で叩き起こされた最強の妻  作者: 白狼九音
第一卷 冥婚から始まる鎮魂歌
13/28

雲霓郡主

翌朝。

物凄い音で目を覚ました。

「ドーン!」

何かを蹴破ったような音。

私は跳ね起きて、手を枕の下に伸ばし、そこには昨夜用意しておいた塩と唐辛子パウダーがある。

そして、若い女の子の声が聞こえた。


「あの棺桶から這い出てきた女はどこ?出てきて郡主の私に見せなさいよ!」

郡主?誰よ、これ?

私は上着を羽織り、扉を開け。

正院の門は大きく開け放たれ、入り口に私と同い年くらいの少女が立っている。


全身真っ赤な特別な服装、中国語では「勁装」。

腰に二振りの刀、背中に銀槍一本。

顎が、上がっている。

じろり——

頭のてっぺんから足の先まで、値踏みするように見られた。

彼女は大股で歩み寄り、私の周りを二周しながら「ちぇっ」と舌打ち。

「あんたが例の棺桶から這い出て、七兄を凹ませた女?……見た目はまあまあね」

そう言いながら、また私の周りを一周した。

「でも七兄を怒らせて茶碗を三つも割らせたんだから、郡主の私が守ってあげるわ!」

茶碗を割った?

(七兄って、確か第七皇子のことだよな……。あの、皇陵で死んだ犬を投げ込ませてた奴?)

私、何にも知らないんですけど。

「へへ、やっぱり面白いじゃん!」

雲霓は膝を叩いた。

「七兄を凹ませられるやつ、京城中探しても数えるほどしかいないよ!あんたが初めて!」

彼女は立ち上がり、私の前に来て、あの二振りの刀を私の手に押し込んだ。

「持ってな!夜中に誰かがお前を殺そうとしたら、

これで刺せ!刺し殺したら郡主の私が面倒見るから!」

私は下を向いてその二振りの刀を見た。

うわっ、私の腕より長いんだけど!

「郡主様、この刀……ちょっと大きすぎません?」

「大きい?よし、小さいのをやる!」彼女は懐をまさぐり、一振りの匕首を取り出した。「これなら?これで十分小さいでしょ?」

彼女は突然腰から匕首を抜き出し、私の手に握らせた。

「護身用にな。次に誰かがお前を暗殺しに来たら、直接ぶっ刺せ。問題が起きたら私が何とかするから!」

柄には赤い宝石が嵌め込まれ、刃は冷たい光を放っている。

いいものだ!

前世で時代劇で見た偽物より一万倍はいい!

「あなだは……?」

「雲霓、郡主だ!太后は私の大叔母で、私の両親は殺されたの!今は毎日大叔母のそばにいるの!三兄は私の兄、血は繋がってないけど、小さい頃からずっとそう呼んでる。彼は私のこと『霓ちゃん』って呼ぶの!」

彼女は突然近づき、私の目をじっと見た。

「あんたもそう呼んでいいよ、でも三回目で斬るから!」

「じゃあ一回目と二回目は?」

彼女はぽかんとし、多分、こんな質問が返ってくるとは思ってなかったんだろう。

「一回目は……いいよ。うん、二回目は……まあ、ギリギリ許す。三回目は、斬る!」

「わかった、霓ちゃん、霓ちゃん」

彼女は私を睨んだが、斬らなかった。

それから少女は振り返ってさっさと歩き出し、入り口まで来てまた振り返し。

「そうだ、七兄ってあの男、表面はニコニコしてるけど、腹の中は真っ黒だからね。もしまたあんたに会いに来たら、すぐに人をやって私に知らせて。殴ってやるから!刺すの忘れんなよ!刺し殺したら私の責任だから!」

そして彼女は大股で去っていき、扉が「バタン」と閉まった。

私の匕首を見つめて、しばらく何も言えなかった。

青児が控えの間から顔を出し、小声で尋ね。

「王、王妃様……大丈夫ですか?」

「大丈夫。ちょっと呆けてるだけ」

青児が首を縮めて近づいて。

「あの方は——雲霓郡主様で、太后様が最も可愛がっていらっしゃる孫娘で、誰も逆らえませんから……」

「それは分かった」

「雲霓様は去年十六歳で成人された時、たった一人で五人の刺客を殺されました……」青児の声はどんどん小さくなる。「北戎国から派遣された腕利きで、全員死にました。郡主様はかすり傷一つだけだったとか……」

「それじゃあ、結構すごいんだね」

「は、はい……」青児は唾を飲み込んだ。「雲霓様は自分から誰かに話しかけるなんて絶対にしないのに、どうして突然ご王妃様を訪ねてこられたんでしょう……」

「もしかして、生き別れた姉に似てるとか?」

青児の顔の表情は、明らかに、王妃様、頭大丈夫ですか?と言っている。

「冗談よ。水を汲んできてくれる?出かけるから」

「あっ」


庭に立ち、日差しが体に降り注いで、ぽかぽかしている。

手にはまだあの匕首を握りしめて、すると窓の方で物音が。

歩み寄ると、窓台に一通の手紙が置いてある。

開けると、中には一枚の紙切れ。あの見覚えのある筆跡。

「雲霓、あの娘は、私の代わりに彼女を見極めに来たんだ。彼女はお前のことが気に入った。私の代わりに、彼女を大事にしてやってくれ」

見極め?

代わりに大事にしてやれ?

死人なのに、ずいぶん世話焼きなんだな。

紙切れをしまい、前の二枚と一緒。

三通目か。急に次の一通が楽しみになってきた。

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