#3 少女の怠惰と苦悩
以下、賽瓦の設定
名前 賽瓦縁
特徴 胸がそれなりにある、悩んでいるときは髪を触る、人間への好感度は昆虫より上で犬よりは下
性格 面倒くさがり、努力家、どこにいても目が死んでいる
趣味 ゲーム、ラノベ読み
たまにすること プチプチをつぶすこと、休日に窓から歩行者を眺めること
大嫌いなこと 自分を特別扱いすること、延々としゃべりかけてくること
クラスメイトがあいさつしてきた時の反応 「っす~...(なんで挨拶してくんだよ!)」
設定 健啖家で一日に5食は食べる(間食を含まず)。学校にいる間は特に目立った行動もせず、死んだ目をしながらノートをとっている。成績は中の下。髪の毛が長く、手入れには苦労している。本当は短いほうが好きだが、友達に長いほうがかわいいといわれたことがあるので伸ばしたままにしている。また、生まれつき茶髪であるが、初対面の教師からは髪を染めるなと怒られることが多い。ズボンを履いているが、スカートを履きたいと思っている。度胸がない。プライドはそこそこ高く、たまにテストで隣の席の人間より劣っているとやけ食いをする。
「...連絡事項は以上です。今日はこれで解散とします。ありがとうございました」
約9時間の拘束が終わり、やっと学校から解放された。周りのクラスメイトはだべったりイチャイチャしているが、私にそんな相手はいないし必要ないのですぐに帰ることにしている。
第二百三十五回チキチキ帰宅部全国早帰り大会 中日本ブロック第二回戦敗退の実力を発揮せんと健脚(体育の授業以外では)を動かそうとしたその時、不意に誰かが話しかけてきた。
「ねぇ~、賽瓦さん~、一緒に帰らない?ちょっとだけでいいから!」
足の筋肉の出力を一気に120%から15%程度まで落とし、すぐに振り返るとあの藤井が私に話しかけて来たことに気が付いた。内心では私の帰宅時間を気にしながら、とりあえず早口で対応する。
「えぇ~~、あなたなら一緒に帰る人ぐらいいるんじゃないの?ほら、鈴木とか山口とか、左衛門とか」
「やだよ。鈴木は真澄ちゃんがかまってほしそうだったから一緒に帰って、山口君はさっきから友達とモンストとスマブラとすれ違い通信を同時並行でやってるんだから。それに、あなたとは話したいと思ってたし」
???藤井が私と話したい?...思い返してみても全く心当たりがない。しいて言えば、この前一緒にゲームをしたことぐらいだ。そういえば...あの時めちゃくちゃ負けて悔しかったからリベンジするといった気も…
「もしかして、この前のゲームのこと?いやあれは、コントローラーが悪かったっていうか、回線が遅かったっていうか、調子が悪かったっていうか、全然負けたわけじゃないっていうか...」
藤井は何を言ってるかわからないといった表情で、
「?何言ってるの?ゲームじゃなくて普通に一緒に話しながら帰りたいだけなんだけど?話したいのはあなたのこともっと知りたいだけだよ」
は?あんなにボコボコにしておいて全く気にしてないだと?なんだァ?てめェ……
いや、それよりも聞き間違いでなければ藤井が私のことを知りたいって言ってなかった?
その瞬間、思考速度が超加速し、言葉の裏を探ろうとする。
が・・・・・
駄目っ・・・・・!
どう考えても目の前の人間が言葉の裏なんて考えるはずもない。つまり、純粋に話したいだけ...ということになる。それは、なんというか、悪い気はしないというか...正直ちょっと嬉しい。
「え~、ほんと?どうしても一緒に帰りたい?」
「うん、だからそうだって。一緒に帰ろうよ」
そこまで言うんだったら仕方ないなぁ
「いいよ、一緒に帰ろう。実は私もちょっとだけ人と話したいと思ってたんだ」
藤井ならいいだろうと思ってそう言う。
「?話せばいいじゃん?なんで話さないの?」
黙れ!お前に私が救えるか!
そう言いたかったが、グッと口を押えてなんでだろうね~と返事をした。
その日は、藤井とスマブラ最強キャラ論争をしたり、好きな猫と犬の種類を教えあったり、近くの店や場所で気になるところを挙げたりした。ちなみに、私はカズヤが最強キャラだと思っているが、藤井はガノンドロフというおじさん()が最強だと思っているらしい。いつか公園かカフェでゲームをしようと言われたが、今の私はだいぶお疲れだったのでまた今度予定を決めようと言って解散した。
その夜、家に帰ってきてからTwitterをいじっているとなんか見たことのある顔っぽい女子が自分の自撮りを挙げていた。少し気になったので見てみると、だいぶたくさんのいいねと応援するようなメッセージが多く見受けられたが...正直言ってこの手の輩は若さやかわいさがあれば誰でもいいので投稿者が少しだけ可哀そうに思えた。しかし、若さがある今の私なら、ネットでちやほやしてもらえるかも?...自分の胸と顔を少し見てやはりそれはやめておこうと思った。彼女のようにはなれないしなりたくない。そう思いながら布団の中に入った。