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LAST・LIFE  作者: 裏虞露
9/19

【7】連戦!レベル上げ

朧のイラストを0話に追加したので、ぜひご覧ください。

こっちにもいくつかあるので気になる方はぜひ。

https://www.pixiv.net/artworks/126402936


朧は洞窟の暗闇を静かに見据えた。目の前には複数の影が蠢き、魔物たちの気配がじわじわと近づいてくる。


「……さて、次はどんな相手かしら。」


彼女の手には既に、短剣“深淵の牙”が握られている。洞窟地形に特化したこの武器を存分に試しながら、さらにレベルを上げるべく、朧は着実に階層を更新していった。


現在、彼女の最高到達階層は18階層。ストーンバグとの戦闘を経てレベルは13に到達しているが、まだ目標とするレベル25には程遠い。


「目の前の相手と戦い続けるだけ、簡単な話よ……もちろん時間に気をつけながら」


朧は息を整え、ゆっくりと前へ踏み出した。


薄暗い空間に踏み込んだ瞬間、朧は足元の音に注意を向けた。乾いた音を立てながら砂利が擦れる。


「……あれか。」


朧の目に映ったのは、二匹の魔物だった。


《シェードスパイダー》──洞窟に生息する蜘蛛型魔物。素早い動きで相手を翻弄し、毒の糸で行動を封じることが特徴。推奨レベル15。

《ガーゴイルビートル》──岩のような硬い外殻を持つ虫型魔物。防御力が高く、衝撃波を生む体当たりが主な攻撃手段。推奨レベル16。


「前衛と後衛、いいコンビね……それなりには楽しめそうかしら?」


朧は冷笑を浮かべながら短剣を構えた。敵は明らかに協調性を持ち、それぞれの特性を活かした戦術を仕掛けてくるだろう。しかし、朧はそれすらも楽しむつもりだった。


シェードスパイダーがまず動いた。素早く壁を駆け上がり、糸を吐き出しながら朧に絡みつこうとする。


「うざったいわね……。」


朧は軽く跳躍しながら糸をかわし、次に地面から迫る衝撃波に備えた。ガーゴイルビートルがその巨体を叩きつけ、地面を震わせて攻撃してきたのだ。


「硬そうなだけじゃないのね……。」


衝撃波を後退してかわした朧は、再びシェードスパイダーの毒糸が迫るのを見て、反射的に短剣を振るった。


「そこっ!」


鋭い一閃がシェードスパイダーの脚を捉え、青黒い血が滴り落ちる。蜘蛛型魔物は壁から滑り落ち、その隙を狙うように朧はさらに一撃を加えた。


しかし、その瞬間、背後から迫る重い気配に気づく。


「甘く見ないでよね。」


ガーゴイルビートルがその巨体で突進してきた。朧はギリギリで横へ飛び、深淵の牙を構えたまま敵の硬い背中を一瞥する。


「これは簡単には通らないわね……。」


戦闘の駆け引き──仕留めるための工夫


朧はシェードスパイダーを追い詰めつつ、ガーゴイルビートルの動きにも注意を払った。蜘蛛の脚を完全に断ち切った後、動きを封じられた相手を短剣で貫く。


「一匹目……終了。」


静かに息をつく朧だったが、すぐにガーゴイルビートルが再び巨体を動かし、前方へ突進してきた。その攻撃範囲は広く、軽い動きではかわせない。


「……仕方ないわね。」


朧はあえて動きを遅らせ、突進を真正面から受けるような形で接近する。その瞬間、地面に転がる石を蹴り上げ、ガーゴイルビートルの視界を封じた。


「隙あり!」


深淵の牙を逆手に持ち替え、甲殻の隙間へと渾身の力で突き刺す。その一撃で、甲殻の隙間から出血が始まり、朧は満足げに笑みを浮かべた。


「次の手はないわよ。」


ガーゴイルビートルは苦しそうに体を揺らしたが、既にその動きは鈍くなっていた。最後の一撃で完全に止めを刺し、魔物は地面に崩れ落ちた。


「ふぅ……良い手応えだったわね。」


戦闘を終えた朧は、ドロップした魔石を回収しながら、自分の成長を感じ取った。


《レベルアップしました。現在のレベル:14》

《新しいスキルを取得可能です。》


「また出たわね。」


スキル取得をキャンセルし、朧は再び深呼吸をした。

新生の効果を最大化するためにスキルをこれ以上習得するわけにはいかないのよね。


朧はレベルアップのためにさらなる敵を求めてダンジョン内での移動を再開した。

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