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LAST・LIFE  作者: 裏虞露
13/19

【11】新しい武器



広がる草原の中、朧は静かに足を進めていた。周囲を覆う茂みの中から、風に乗って獣たちの唸り声や足音が聞こえてくる。この階層では獣系魔物が群れを成して行動するため、迂闊に進むのは命取りだ。


「……ここからが本番ね。」


朧は腰に携えた鞭“風裂の鞭”に手を伸ばしつつ、左腕に装備した小型盾“フォールバック”の感触を確かめた。その軽量で取り回しやすい盾は、草原エリアでの接近戦を想定して購入したものだ。


「一匹ずつ、とはいかないでしょうね。」


前方の茂みがガサリと音を立てた瞬間、獣たちの気配が一気に濃くなった。


茂みから現れたのは、狼型魔物フェロウウルフの群れだった。その数は5匹。一匹一匹の推奨レベルは19程度だが、群れで行動することで相乗効果的に強さを発揮する。


「やっぱり群れで来るのね。」


朧は静かに鞭“風裂の鞭”を手に取り、距離を保ちながら構えた。フェロウウルフの一匹が先頭に立ち、低く唸り声を上げて仲間に指示を送ると、残りの4匹が朧を囲むように動き始めた。


「包囲してくるのは分かりきってる……なら。」


朧はわざと後退し、視界の中に全ての敵を捉えられる位置へと移動した。フェロウウルフたちが一斉に距離を詰める瞬間、彼女は鞭を振り抜いた。


「これで少しは静かになるかしら?」


朧の手から放たれた鞭が空を裂き、鋭い音と共に前方の3匹を捉えた。その先端が正確に敵の脚を叩き、動きを鈍らせる。だが、残る2匹が左右から迫り、鋭い牙を剥き出しにしながら跳びかかってきた。


「そんな単純な攻撃じゃ通らないわよ。」


朧は左に動き、小型盾“フォールバック”で先に左からの一撃を受け。盾に衝撃が走ると同時に、後退効果で安全な位置へと滑り込むことができた。


「便利な盾ね……気に入ったわ。」


朧はさらに鞭を振り、左右から襲いかかる敵を強引に牽制する。しなやかな鞭の動きが敵の群れを翻弄し、一瞬の隙を作り出すことに成功した。


「ここからは仕留めるだけね。」


鞭で足止めした敵に接近し、短剣“深淵の牙”を一閃。喉元を正確に貫いたフェロウウルフは即座に倒れ込む。


残りの4匹が怯む様子を見せた瞬間、朧は次の一撃を繰り出した。フォールバックで防御を固めつつ、風裂の鞭で流れを制し、深淵の牙で素早く切り刻む動きが流れるように続く。


最後の一匹を仕留めたとき、草原には朧の静かな呼吸音だけが残った。


「これで終わりね。やっぱり範囲攻撃があると

随分と楽ね」


群れを一掃した朧は、落ちた魔石を拾い集めながら深呼吸をした。手に入れた魔石の数は多く、この階層の成果としては十分だろう。


《レベルアップしました。現在のレベル:18》

《新しいスキルを取得可能です。》


「あら、レベルが上がったのね、それに新しいスキル……これなら、取得しても良いかもね」


《汎用アクティブスキルスキル【魔力操作】を習得》


パッシブは【貪食者】を継承する必要があるから埋める訳には行かないけれどアクティブスキルはそうじゃないもの、効率的に強くなっていくためにはやっぱりこう言うのも必要よね♪


【魔力操作】を新たに習得した朧が朧が探索を再開しようとしたとき、遠くの草原に動く人影を見つけた。それは間違いなく職業探索者のグループで、5人ほどのチームが草原を進んでいる。


「やっぱり、ここからはプロの探索者も増えるわね……。」


朧は隠密の指輪を信じ、相手に気づかれないよう距離を取りながら進むことにした。現時点では接触する理由もなく、ただ目立たないように動くのが最善だ。


「見つかっても鑑定されない限り、私が誰なのかなんて分からないしそこまで警戒する必要は無いはずなのだけどね」


彼女は自分にそう言い聞かせ、冷静さを保ちながら草原の奥へと歩を進めた。

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