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LAST・LIFE  作者: 裏虞露
12/19

【10】装備の新調



湿った洞窟を進み、静かな湧き穴に到達した朧は、その中へと足を踏み入れた。一瞬、視界が歪む感覚の後、見慣れた無機質な空間が広がる。


「やっぱりここ、独特な雰囲気よね。」


中央に据えられた石板の前に立ち、朧はすぐに魔石を取り出した。そして、これまで倒した魔物たちから手に入れた魔石を全て石板に差し出し、換金を行う。


《魔石換金完了:合計19800ポイント》


表示された数字に朧は満足げに頷く。草原エリアの攻略に必要なアイテムを購入するには十分な資金だ。


「さて、何を揃えようかしら。」


朧は石板に浮かび上がる装備一覧をじっくりと眺めた。優先すべきは草原エリアでの戦闘効率を上げる装備と、緊急時のための安全装備だ。慎重に選び抜いた結果、朧が購入したのは以下のアイテムだった。


《風裂の鞭》

範囲攻撃が可能な鞭型武器。柔軟性が高く、獣系魔物の動きを封じる効果を持つ。

《軽盾・フォールバック》

取り回しが良い小型盾。攻撃を受けた際、わずかに後退することで致命傷を防ぐ効果がある。

《隠密の指輪》

魔物や探索者から気配を探知されにくくなる装備。探索中の危険回避に役立つ。

《帰還結晶》

緊急時に使用することでダンジョンの入り口へ戻るアイテム。

これらを購入したことで、ポイントはほぼ使い果たしたが、朧は満足そうに微笑んだ。


「《帰還結晶》があれば昨日よりも長く潜れるし、これで準備は万全ね。」


装備を身に着けた朧は、再び草原エリアを目指して歩みを進めた。


草原エリアに再び足を踏み入れた朧は、さっそく購入した装備を試すべく、周囲を警戒しながら進んだ。しばらくすると、前方の草むらから獣の唸り声が聞こえてきた。


「……あれね。」


視界に現れたのは、獅子型魔物スティングライオンだった。その鋭い爪と毒針は一撃で致命傷を与える力を持つが、単独で行動する習性があるため、戦略的に対処することが可能だ。


「せっかくだから風裂の鞭の範囲攻撃を試したかったのだけど…まぁいいわ」


朧は新たに装備した鞭を軽く振り、試し打ちを行った。空気を切る音が響き、しなやかな動きで地面に叩きつけられた鞭は、その強力な威力を物語っていた。


「使い勝手は上々ね。」


スティングライオンがこちらに気づき、低い姿勢で威嚇しながら距離を詰めてくる。朧は冷静に後退しながら、鞭を構えた。


「まずは動きを封じるわよ。」


スティングライオンが跳びかかる瞬間、朧は鞭を振り抜いた。鞭の先端が正確に敵の脚を捉え、鋭い衝撃音と共に動きを鈍らせる。


「これなら簡単に仕留められる。」


朧は鞭を振り直し、続けざまに攻撃を加える。一撃ごとに敵の体力を削り取り、最後は短剣“深淵の牙”で止めを刺した。


「いい感じね。」


22階層──職業探索者との偶然の遭遇


21階層の探索を終えた朧は、次なるエリアである22階層へと足を踏み入れた。そこは草原エリアの延長線上にあり、さらに広大な空間が広がっていた。


しかし、ここに到達した瞬間、朧は微かに眉をひそめた。


「……人の気配?」


遠くの草むらを注意深く観察すると、複数の人影が動いているのが見えた。それは職業探索者のグループで、全員が精巧な装備を身に着け、手慣れた動きで周囲を警戒しながら進んでいる。


「職業探索者のようね……。」


一瞬だけ警戒心が頭をよぎるが、朧はすぐに気を取り直した。


「まだ特別なことはしてないし、向こうもこちらを気にする理由はないはず。」


そう自分に言い聞かせた朧は、隠密の指輪の効果を信じ、視線を逸らしてその場を離れることにした。


「とはいえ注意したほうが良さそうね。」


朧は注意深く気配を消しながら、さらに草原の奥へと足を進めた。

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