十七話〘酒臭い酒屋〙
スータ……一体なんなのだろう。
ミアは、とても警戒していたが俺はあの少女の事が気になりしばらくあまり寝れなかった。
俺たちは何日か歩いてついに地の街ゴーレに着いた。
ここはゴツゴツとしたデカい岩が多く地面も岩のような感触がした。
最初にいた街より貧相に感じた。
しばらくまともな食事にありつけなかったので早速食事場所をミアと探した。
「リョウ! 酒場みつけたよ!」
ミアが指を指したのはゲームで見た酒屋そのものだった。
古くボロボロな酒屋だが、中から酒に酔ってそうなおっさんの声たちが賑わっている。
「ここなんか怖そうなんだが……」
「そう? 酒屋って感じするけど」
「しかも昼から酒屋って……」
「別に良くない? 冒険者っぽい!」
「てかミアは何歳なんだ? 酒が飲めるような年に見えないが」
「18だよ! てか流石に昼から酒なんて飲まない飲まない! 普通に食事もあるから!」
「てっきり酒を飲むかと……焦ったよ。」
「まぁとにかく! 行こう!」
ここで駄々をこねても仕方がないので怖いが入ることにした。
入ると鎧を着た筋肉質なおっさんたちが酒を飲んでワイワイ喋っている。
とても酒臭い。
「よぉ……初めて見る顔だなぁ……」
「てか〜嬢ちゃんかわいいジャン」
「こんな男より、俺たちのほうが強いぜ?」
さっそくめんどくさそうなのに絡まれた。
大柄な男と細身で栄養が取れてなさそうな男がミアを見てにちゃにちゃしている。
怖いがミアを守らないと。
「急にしゃべりかけてきて何ですか? 怖がってるじゃないですか」
「なんだこの弱そうな彼氏」
「僕ちゃんはね。こんな男無視して嬢ちゃんと喋りたいヨ」
大柄な男は強引にミアの手を掴み引っ張り出そうとしている。
「ちょっ……やめて! 離して!」
ミアは嫌そうに抵抗している。
俺がなんとかしないと……
俺が止めようとした瞬間
「何やってるんじゃ?」
「げ……噂の変人じゃねぇか逃げろ!」
そそくさと男たちは逃げていった。
助けてくれたのは小学校低学年ぐらいの茶髪でニッコリと目を閉じている女の子だった。
「お主ら初めて見る顔じゃな」
「はい、さっきここの街に着いたばかりなんです。助けていただきありがとうございます」
「なるほどじゃ。礼は要らないから」
「か、可愛い〜」
ミアは女の子を見て顔に両手で添え、輝かしている。
「あ、礼は要らないとは言っちゃったが礼として話を聞いてほしいのじゃ」
「全然いいですよ! むしろ礼はそれでいいんだ!」
俺達は女の子と共にテーブルに向かい席に座った。
水が届けられた瞬間喉が渇いていたのでミアと共に一気に水を飲み干した。
「喉が渇いていたんじゃな。ここまで来るのは大変だったじゃろ」
「えぇ。だけどたどり着いてよかったよ!」
「そうかそうか早速じゃが……」
女の子は水を一口飲み息を整えた。
「不老不死になりたいと思う?」