プロローグ〘何気ない日常はもうない〙
「ゲーム久しぶりにやるな」
スマホの電源をつけ、独り言を喋る。
高校の頃ハマってたゲーム『フリダジオンライン』が、サービス終了するので、久しぶりにやりたくなってしまった。
フリダジオンライン通称フリオンと言われ、ジャンルはMMORPGだ。
メンバーを集め、クエストやストーリーを進められるよくあるオンラインゲームだ。
このゲームのすごい所は、キャラの職業やクエストの種類が多く、攻略サイトでもまとめきれない程である。
そしてモブキャラも数え切れない程でまるで、実際に存在しているかのようなキャラのリアルな過去も一人一人設定されている。
このゲーム難しいで有名だ。
細かくキャラの設定や膨大なクエスト量があり、難易度も細かく設定されている。
初心者にも突起やすいが、ストーリーの中盤から心が折れ、サブクエストをする初心者も多いだとか。
上級者はメインストーリーをクリアするためにサブクエストをやるのだ。
やっている人が多いがメインストーリーをクリアした者は誰もいないらしい。
ゲームをやり始めた時は、一人じゃ無理と思い、メンバーを募集して、よく遊んでたな…懐かしい。
俺含めた5人の少人数パーティーだったが、それなりに難しいクエストをクリアすることができた。
みんな仲がよくゲーム以外のことも話した。
俺はリーダーとしてはほとんど何もしてなかったがその仲の良さが感じ取れてよかったが不安もあった。
その不安が的中し今はメンバーとは全然関わっていない。
最後、良くない事になってはしまったがなんだかんだ楽しかったんだよな。
もう一度他のメンバーと遊びたいとは思わないが、『みや』ならまた仲良くしたいとは思う。
みやは良くも悪くも優しい性格で、自分から喋るのは苦手だがパーティー内では一番強い。
みや……いや、もう考えないほうがいいのかもしれないが今はどう過ごしているんだろう。
わからないがもう会うことはないはずだ。
今となっては大学3年生、ゲームはあまりしなくなった。
勉強は忙しい訳では無いが、ゲームのやる気がしなくなった。
数年経ってるとはいえ、今でも人口が多いと思うがどうしてサービスが終了するかわからない。
今のゲームに劣らないいや、それ以上のゲームだと思うが……むしろ俺みたいに引退する人が少ないと思う。
流石に全盛期よりは人は減ってるとは思うがそれでもこのゲームが好きなユーザーが多いので悲しむ人が多い。
ゆっくりとスマホのホーム画面に映ってるフリオンのアイコンをタップする。
『フリタジオンライン』
ゲームを開く音がなり、ゲームの題名が流れる。
その瞬間、長い文章が流れ込んできた。
〜勇者へ〜
あなたは勇者に選ばれました。
この世界は魔王に支配されかけ、人間を恐怖で支配し天下統一を目指している。
ずっと魔王の討伐を試みるが、念入りに準備しても、力の差が圧倒的で討伐ができない。
そこで7の賢者の1人『マツバ・クリサンサマム』が魔法陣を書き出した。
それは、168年に一度異世界から勇者が5人召喚されるというもの。
だが、その魔法陣は完璧なものじゃない。
必ず勇者が魔法陣の近くに召喚されることはない。
バラバラに召喚され、魔王に殺される可能性があるので急いで勇者を集め、魔王に向けて強くさせる必要がある。
勇者の特徴はあなたと同じ、黒髪で黒目が召喚することが多く体の何処かに星の形が描かれている。
勇者には、特殊スキルが付与されとてつもない力がみなぎる。
戦闘を繰り返すことで、勇者はその分強くなる。
その力があればいつか倒せる。
君たち……いや勇者たちならなんとか止められるはず。
勇者たちよどうか世界を救ってほしい。
勇者よ。かならずや────
「なんだ? こんな文章は今までなかったのに」
スクロールしその文を読み終え、進むボタンを押すやっとタイトルが開いた。
ゲームをやろうとしたその時、部屋のドアの開けると音が聞こえた。
「りょう、白菜買ってきてくれない?」
「今ゲームしようとしたところなんだけど」
「ゲームばかりしてないでたまには外でて歩きなさい」
「……白菜以外は? どうせ他にもあるんだろ?」
「白菜買い忘れただけだからそれだけでいいわ」
「りょ」
お母さんが俺に買い物を頼んだので、スマホの電源を消し、スマホをズボンのポケットにしまった。
ゲームをしたかったが、仕方なく買い物の準備をし、古いパーカーのまま、玄関まで向かう。
「いってきます」
「いってらっしゃい。気をつけるのよ」
お母さんの声を聞いたあとドアのほうを見ててをドアノブに触る。
ドアを開け外に出ようとしたその時、突然めまいがし意識がもうろうとした。
「いったい何が……視界がぼやける……」
世界が揺らいでるようにみえる。
徹夜したわけでもないしどうして。
「ちょっと大丈……」
最後は小さくお母さんの心配するような声が聞こえた気がした。
────ここは一体…
目が覚めたら見覚えのある様なヨーロッパ風の街並みの中にいた。
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