新しいお店②
「ふふ、ごめんなさいね。」
目の前の女性はそう言うと軽くウインクした。
「父さんからは遠話の魔道具で先に連絡が来てたからちょっとしたサプライズだってば。」
だってば、じゃねーよ!
にしても遠話の魔道具とかメチャクチャ高価なアイテム使ってるとかパンさん実は大金持ちなのか?いやそんな事よりもこの女性だ。
「改めまして、アンよ。この店は私のお店なの。」
いぶかしげな顔のままだったのだろう、アンはさっきよりもう少しだけ真面目な顔で謝ってきた、自分も別にもう良いよと返した。
「てへっ。」
お茶目のつもりのようだ。
てへっ!じゃねーよ!!
アンと話をしてわかった事は彼女は魔道具の作成を生業としておりこの店も魔道具屋なのだそうだ。しかし店内を見渡すと魔道具とはまったく関係ない食品や日用品も並んでいる。
「…だって魔道具って滅多に売れないだもん。」
確かに魔道具は基本高い。しかも大半は見たこともない物が並んでいたし付いてる値段もとんでもなかった。
ちなみにさっきまでの幼いアンも魔道具によるもだそうだ。それも含めてここの商品は全てアンの作品らいし、本当なら超が付く凄腕職人だよ。
小さかったアンとのギャップが…。
その後は頑張ってオープンした店が儲からずにハンター時代に稼いだ蓄えがヤバいとか。パンさんのススメで置いた商品ばっかり売れるて悔しいとか。その他にもグチを散々聞かされはしたがアン自身には良い印象を抱くことができた。
最初がマイナスの印象だったからかな。
日も暮れてきたので当初の予定だった魔石を購入した。ただ、どーしても気になった事を帰る前に確認する事にした。
店の雰囲気が凄い独特なんだけどこれはアンの趣…
質問を途中で打ち切る。速攻で荷物をまとめてじゃ、また、と店を後にする。何か言いかけるアンに手を振りながらも足は止めない。
あれは絶対アンの趣味だな。