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2話:疲れる梓と肩身が狭くなる父と母性がカンストした義母

ふ~い。

 結局、梓の病気はアニメや漫画のように突如として性別が変わってしまうという原因不明であり、予測も回避もできず残っている一生涯をなれない姿でそして変わってしまい適応できるかもわからない生活へ突然切り替わってしまったのだ。

「はぁ~、これからどうすればいいんだよ~。生きる気力も若干だけど無くなって来たぞ。」

「兄さん・・・」

梓からすれば物理的に変わってしまった体に戸惑いと自分の中にある心が自分ではないように変わっていくことに恐怖を覚え始めていた。

それもそのはずだ。この世界でたった一人だけ男から女に疑似的にではなく本質的に変わってしまったのだから。昼下がりの曇り空が梓の瞳に残っている生気みたいなものを吸い取っているかのように彼女の表情は曇っていった。そんな中で隣にいたかなめは

「フフフッ………」

梓には聞こえないくらいの笑い声を浮かべていた。それも何処か、狂気的な感情を込めながら。


 そう言えばなのだが、梓の容姿について話忘れていた気がするししようか。彼女が男だった時は身長は179㎝で割と筋肉質。

また髪の毛は天然パーマでありどこぞの幕末もどきにいる侍のような髪型で色は黒の中に青色が混ざったような色をしていた。

 また、容姿も整っておりある程度はモテていたが良くも悪くもいい人で止まってしまっていた。そして、今の梓は性格が若干自暴自棄っぽくなったことを除けば男のころと同じだ。

 また、身長も髪型も大きく変わってしまった。身長は156㎝まで縮み、髪に関しては天然パーマが無くなり左側頭部に枝毛がある以外はストレートのセミロングヘアに変わった。

また大事に大事にしていた梓のアイツは、もちろん消滅して、代わりに大胸筋が発達したかと思えば成長度合いは控えめであった。かわいそうに。

「あっ、お~い!梓下来てくれ~。」

「……う~ん、何?父さん。」

「ん、いやさぁ。お前の戸籍謄本を変えなくちゃいけなくてさ。」

「あ~。そう言えばそうだね。でもなんで俺が呼ばれたんだ?」

「変更手続きを書いてもらうため。あとお前の場合、状況が状況だから説明に時間が掛かるんだよ。」

「確かにそうだわ。」

「だから、取り敢えず変更手続き書いてくれるか?明日役所に行って一緒に説明せんと行けないからさ。後、学校にも。」

「あっ。」

梓は、父である亮太に言われるがまま取り敢えず戸籍謄本変更手続きを書き始めた。

「それにしてもなぁ~。」

「ん?どしたん。父さん。」

「うちでいるのにいきなり肩身が狭くなった気がしないでもないんだよなぁ~。」

「はぁ。」

「ほら、義母さん。まだ、お前とは話してないけど俺がいなくなったら確実に抱き枕にすると思うから気をつけろよ。」

「何言ってんの?こいつ。」

梓は亮太の言ってることを理解できずに首をかしげていた。それには亮太も涙目。強く生きろ。


「じゃあ。俺はこれから仕事で家を数日開けるからよろしくな。」

「あぁ、分かった。」

「って言っても説得力が無く聞こえるな。」

「仕方ないだろ。姿かたちがこんなちんちくりんみたいになっちゃったんだから。」

「それもそうだな。」

「おい。」

「まぁまぁ、大丈夫だよ。ただ、明日は母さんと行って来いよ。役所まで。」

「うん、分かった。」

そう言って亮太と梓はグータッチしてしばしの別れとなった。その数秒後。梓の頭頂部に突然の柔らかいスイカが突如として感覚を奪っていった。

「あらあら、梓ちゃん。こんなに可愛くなっちゃって~。」

「っ!?か、母さん!?」

「う~ん、何か反応が不審者見たみたいで嫌なんだけど。」

梓の後ろにいた女性は梓の義母でありかなめの生母である竹中りんは何処か幸福を吸ったかのように梓を正面から抱きしめた。その後梓は窒息して違う意味で三途の川に飛びかけたとかなんとか。


 ~閑話休題。~

 梓が女の子になって父親の亮太は出張中に自分の持っている人脈をフルに活用して梓のなってしまったTS病についての調査を開始していた。

「それにしても、梓が女の子になっちゃうとは。はぁ~。なんか、分かっていても少しだけ肩身が狭くなるなぁ。」

亮太はちょっとだけ弱気な声になって言葉を重ねていった。

「それに、梓は母さんによく似始めたな。女の子になったせいでもあるけど………ただ、少し演技もしている。」

亮太は、梓の母のような姿になった梓を見て少しだけ心配する表情を見せた。

「だからこそ、早く手掛かりを探さないと。」

慌てながらも冷静に亮太は自分の作ってきた人脈の道をなぞって行くように歩き始めた。




よっしゃ。出すで~。

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