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女神さまとスライムちゃん?  作者: リーモー
とある辺境の土地
3/15

お仕事をあなたに

清々しい朝、辺境の地、大きな泉の前で指をスライムに向ける女性と、女性に指を向けられている一匹のスライムがおりました。


 あの、女神さま?まさかこの大きな泉を綺麗に保つために、俺が毎日潜って綺麗にするとかじゃないですよね?スライムの俺が出来そうなのって、それぐらいしかないのでは!?


(フルフル)


女神さまは違う違うと首を横に降る


 よかった、さすがにこの広さの泉をスライムの俺が掃除とか何時間かかるんだ。


女神「そんな重労働じゃないわよ~」


(すくり)


女神さまは立ち上がる、そして大きく手を広げながら伝える。


女神「あなたのお仕事は~」


 やばい、なんだろう。ドキドキするな、心臓も無いスライムだけど。


女神「スライムを作ることです!」


 ん…?


ちょっとした静かな時間が通り抜ける。


そしてどや顔で


女神「スライムを作ることです!!」2回目


 あ、えーっと、スライムを作るとは、どういう事なのでしょうか?というか、俺自身がスライムなんだけど!?


あれ、説明必要なの?という顔をされてしまう。


 というか、まず俺はスライムを作れるのか?一体どうやって…


女神「あら、ライムちゃんは特別なスキルをもってるから簡単に製作可能なのよ」


 へ?そんなスキル持っているのか…そういえば普通のスライムの10倍の強さがあるって言ってたな、


女神「ライムちゃんは特別だから魔素保有量以外はスライム10匹分の強さよ~」


少しテンションが上がったのか、その場を少し跳ねる、しかしすぐに立ち止まる。


 あれ、スライム10匹分の強さって、どうなんだ…

なんだろう、10倍と言うところに闇を感じる。


女神さまは少し考えた後、パッと空間から椅子とテーブルを取り出し、そこに座る。


(ぴょん)


ライムもテーブルの上に移動する。


女神「そうね、簡単に説明すると~」


そこから女神さまが分かりやすく説明してくれた。

単純な話、HPが3なのが30に、攻撃が1なのが10に、守備が2なのが20に、素早さが5なのが50と、数値的には人並みらしい。ちなみに一般人の平均は大体30ぐらいとの事。ただ魔素保有量、すなわちMPだが、これはなぜか女神さまの最大魔素保有量の10分の1を保持しているらしい。

ちなみにスキルを使うときはこのMPを消費する。


少し誇らしげな感じに。


女神「とまぁ、こんな感じかしら~」


(どやぁ)


 なるほどー、スライムはスライムだと言う事ですね。しかし、なぜMPだけずば抜けてるんだ、完全にMPゲージだけ画面外に突き抜けてるよ!


女神「ゲージ?画面外?」


 あ、いえこっちの話です、すみません。

とりあえず、少し話がずれちゃいましたけど、スライムを作れることは解りました。しかしなぜスライムを作るのですか?


女神「まずはスラちゃんについて話しましょうか~」


 スライムだからスラちゃん…?あれ、いつの間にこんなものが。


いつの間にかテーブルの上に紅茶とクッキーなどが置かれていた。


(すっ)


紅茶に手をかけ話し始める。


女神「スラちゃんはそこに存在するだけで魔素を放出してくれてるの、だからスラちゃんが沢山生息してる場所は魔素濃度が高くなり、その土地は栄えていくの」


 スライムにはそんな能力があるのか…


ライムは少しスライムを見直した。


女神「それにスラちゃんは知能がなく、考えることなく動き回ってくれるから、魔素を振りまくには適任なの」


 スライムはまったく知能が無いのか…


結局はスライムなのかと思い直した。

そんな事は気にせず紅茶に口を付ける女神さま。


 そうなるとスライム達は魔素を放出しすぎたら死んでしまうんでしょうか?


女神「そこは大丈夫よ、本当に微弱な魔素放出量だから。ちなみにスラちゃんが死んだ時も少しながら魔素を放出してるわ」


 もうただの魔素製造マシーンみたいですね。


女神「今からスラちゃんを作って行く、ライムちゃんこそが魔素製造マシーンとも言えるわね、ふふ。」


 うっ、何だか複雑な気分になりますね…とりあえず作ってみますか。


(ぴょん)


テーブルから地面に飛び降り、スキルを発動させる。


 ん~と、こうかな? スキル発動(スライム生成)


(ポンッ)


拍子が抜けるほど簡単にスライムが一匹生み出される、見た目はライムと同じ、しかし黄緑色のライムとは違い薄い水色のスライムであった。

生み出されたばかりなのに何も気にせず自由に跳ね回る。


(ぴょーんぴょーん)


女神「あらあら、水色のかわいいスラちゃんね~」


跳ね回るスライムを女神さまが抱き上げ、椅子に座る、そして膝の上に乗せてなで回す。


 こんなに楽に作れるもんなんですね、もっとこう、疲れるのかと思ってました。


女神「それは、ライムちゃんだからこそなのよ?普通は生き物を作ると言うのはとても大変なこと、たとえ知能の無いスラちゃんを作るにしても簡単ではなく、消費魔素も結構かかるものなの」


 …俺以外がやるとそんなに大変なんですか?


膝の上にいるスラちゃんを撫でながら語る。


(なでなで)


女神「そうね~、簡単に言うと、ライムちゃんの場合だと自分のコピーを作るみたいな感じだから楽なの、私が作る場合だと、まずスラちゃんの形成からになっちゃうから。そうなると魔素消費量も大分変わるわ、例えば、私がスラちゃん1匹作るのにMP100消費とすると、ライムちゃんの消費量はたったの1でいいのよ?」


 なんと、そんなにも差があるとは思っても見なかったです、普通の100分の1で作れる感じなんですね。

しかし疑問があるのですが?


女神さまは首を傾げる


 沢山作るとしても結局、魔素を世界には送れないですよね?さすがにスライムが自由に動き回るとしても世界中を回れる訳でも無いですし…


すると女神さまが立ち上がりスラちゃんを抱き上げる。


女神「そのためにこれがあるのよ~」


(ひゅっ)


そう答えるとスラちゃんを泉に投げ入れる


 なっ、何やってるんですかー!


女神「ふふ、この泉はワープゲートだから大丈夫よ」


 ワープゲート!?空間転送!?これって人知を遥かに…


女神さまは泉の前に立ち得意気に語る。


女神「しかも、このワープゲートは特別製で、人が住む街や村、家の中といった人様にご迷惑のかかるところ、以外にランダムで飛ばされるから、いきなり人の前とかに現れない仕様なの、だからじゃんじゃん入れていいのよ~」


 なるほど、泉を使うとはそういう…ところでスライムはどれぐらいの数を作るのですか?


女神さまがライムの方にゆっくり近づき、考えながら答える。


女神「ん~、1日10000匹を目安なんだけど、今日は初めてだから3000匹にしましょうか?」


 え、


ライムが固まる。女神さまは椅子に座る。

そしてクッキーを一つ頬張る。


(さくさく)


女神「ライムちゃん、あと2999匹がんばって~」


軽く手を降ってくれている、しかしライムはちょっとした放心状態に。


 毎日10000匹か…めちゃくちゃ重労働では!?

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