表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/38

壱.目覚めの朝

──嗚呼、最悪の目覚めだ。


最高に最悪。

あーあ。汗がすごいなあ、もう。


黒髪ロング、寝癖頭の少女は、先程の悪夢もお構い無しにベッドから起床した。


「はいはい…もう何回も見てるから、慣れましたよ~っと。」


「今日の良き日に見なくてもいいのにね~」

「ま、いっか。悪い夢は流しちゃうに限ります!」


独り言を言いつつ、寝汗まみれの衣服を脱ぎ、浴室でシャワーを浴び、洗面所で髪を乾かしながら歯を磨く。

流れるようなルーティン。


「ふんふふ~ん。」


鼻歌。

悪夢を見た後でも、気楽なものである。


それもそのはず、今日は待ちに待った入学式。


ワクワクしながら、新しい制服に袖を通し、開口一番。


「やっぱ、地味だなあ…グレー。」


制服のカラーに愚痴りつつ、ヘアゴムで片方の髪を結んで、サイドテールの完成。

初登校の支度を済ませ、部屋に置かれた仏壇の前に座る。


りんを鳴らし、仏壇に飾られた女性の写真に手を合わせる。

「お母さん。私、東雲しののめ 雨千夏うちか、今日から高校生になります!昔の事は、相変わらず思い出せないけどね…えへへ。」

「……まあ、なんとかなるよね!いい出会いがあるように応援してね!お母さん!」


ふと、時間が気になった。


壁時計を見ると8時15分。


「どわわわー、私ってば、ゆっくりしすぎた!」

本人は慌てているようだが、緊張感があまり感じられない。


「行ってきまーす!」

少女は仏壇に立て掛けられていた刀に一礼し、ダッシュで玄関のドアを開けた。


少女はこれから始まるであろう、楽しいスクールライフに胸を躍らせながらも、マウンテンバイクに跨がり必死にペダルを漕いだ。


学校から家までの距離がわりと近くて良かったと思った、15歳の春だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ