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屑屋浪小編  作者: 屑屋 浪
4/5

梅雨姫

雨宿りした傘屋で出会った「梅雨姫」という名の傘の話です。現代ファンタジーになります。

※ツイッターで発表した小編を手直ししたものになります。


(2022年9月追加)

※この作品は「ノベルアッププラス」にも掲載しております。

(2022年11月追加)

※この作品はYouTubeで、AI音声による朗読動画を公開しております。

【雨宿り】

 軒先(のきさき)雨宿(あまやど)りしていると、木戸(きど)が開いて「傘あります」の貼紙を指差された。

 木戸(きど)の内にはずらりと傘が並んでいる。その幾多の傘の中に「梅雨姫(つゆひめ)」という名の傘があった。

「それですね」

 何も言わないうちに私はそれを渡された。(うめ)の花のその傘は、私と雨の街を歩きたいようである。



【鈴の音】

 (うめ)の花が描かれた傘は、どう見ても女物なのだが、黒づくめの私には丁度良い()し色である。

 (さいわ)い気にする人も無く、私は「梅雨姫(つゆひめ)」という傘を差して(おもむき)のある街を歩いた。傘が()れるとチリンチリンと(おと)がする。

紫陽花(あじさい)の小道を歩こうか?」

 そう(たず)ねると、小さく(すず)()が鳴った。



【友人】

「傘があるのに、どうしてそんなに()れているのだい?」

 入ってきた私に向かって友人が(たず)ねた。

 私は、風が強くなってきたので、傘が壊れないように(たた)んだのだと説明して、梅雨姫(つゆひめ)という傘を広げて見せる。

「無事で良かった」

「実に君らしいね」

 友人は笑いながら納得してくれた。



おしまい

現代の少しだけ不思議なお話に感じて頂けたら幸いです。御一読ありがとうございます。

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