桜花ふろんと
“あいつ”を追いかける桜花の話です!
【旅立ち】
「じゃあね、桜花」
「待って!私まだ…」
光の中に消えていく“あいつ”に手を伸ばしたところで、桜花はハッとして目を覚ました。あの時は体が動かず付いて行く事はできなかったが、今は違う。桜花は春の日差しを受け遠方を見据えた。
「桜花、行きます!」
あいつを追って北へ。
【北上】
「一足遅かったか…」
桜花が東京に着いた時、既に“あいつ”は通り過ぎた後だった。出発が遅れたとはいえ未だに手が届かない事に桜花は溜息を吐く。
(でも前より近付いている)
あいつと同じ舞台に立つためには追い付かなければいけない。桜花は大きく息を吸って再び北に進み始めた。
【再会】
海を越え北の地へ渡った先に“あいつ”はいた。まだ肌寒い風が時折吹く中、あいつは甘い香りを漂わせながら桜花を見る。
「綺麗に咲いたね、桜花」
「梅、やっと追いついたよ」
桜前線と梅前線、銘銘で北上してたそれらは函館の地で合流し、桜と梅は同時に満開の花を咲かせるのである。
ツイッター小説で「プニプニ勇者」を連載してます。ご興味持たれた方はそちらもご一読頂けると嬉しいです。