高校生活の始まり
誤字脱字のご指摘お願いします!
さて、さっきから青春できねえできねえとオレが言っているせいで、うるせえこの野郎ぶち殺すぞワレと思っている人がいるかもしれない。
まあ、そんな人のためにまずは何故青春がオレには出来ないのか。その説明をしていこう。
まず理由その一、皆は誰かを家に招いたりすることはあるよな?誰かと自分の家で気軽に遊ぶ。
それはオレもしたいが、オレはまず友達を誘う事が出来ない。
だって、大手ボディーガード企業の社長の息子だとは知られるわけにはいかないからだ。
理由その二、学校では目立ってはいけない。
別に目立ちたいと言っているわけではないが、オレは実力を隠す必要がある。勉強もあえて五十位前後を狙わなければいけないし運動に関しても手を抜かなければならない。すなわちオレは高校生活を本気で楽しめないのだ。
実際これに関しては小学生からずっと続けている。それは幼馴染み的な存在がいる可能性があるからだ。
まあ、事実本当に小学生から高校まで同じ幼馴染みはいるんだけどな。
理由その三、これといってはもう何と言っていいか分からないがオレは偽の名前で外では過ごしてきた。
コードネームという奴かな?
オレは今まで雨月東という暦月麗人の月の一文字しか合っていないような名前でオレは生活をしていた。
もう、この時点で偽の生活をしていると言っても過言ではない。
小学も中学もずっと雨月か東で呼ばれてもう慣れてしまった自分が悲しい。
そんな分けでオレは青春が出来ないのだ。というか出来ないのではなく偽物なのだ。
と、そんなシリアスな説明をしながら高校に向かって通学路を歩いていると、肩をトントンとされた。
振り向いた瞬間、オレの頬に拳が炸裂。指でぷにっ☆じゃなく拳でバキッ☆である。
一回転したあと頬を押さえる。こんなことをする奴は一人しかいねえ!
「おっはよー!」
そこにいるのは赤がかった黒髪をショートカットに切って右側にのみ三つ編みをした女、凪秋乃。コイツとは小学生の頃からの幼馴染みだ。
秋乃は小学生の時から中学の最後まで多くの男に告白を受けてきた。理由は言わずもがな美少女だから。
オレとは全く比べものにならないほどに整った顔だ。
まあ、だからと言ってオレがヒソヒソとなんか言われたわけでもないけど。ともかく秋乃は幼馴染みだ。
この状態の時、どうゆう反応をするべきか。
「……………」
答え、無視。
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁ!」
テクテクとオレが歩き始めると今度はちゃんと肩を掴まれる。
「………なんだよ」
「なんだよじゃないよ!何で久しぶりに会ったのにそんなに素っ気ないの!?」
頬を膨らませながら言ってくる。そう怒るがこちらにも言い分がある。
オレは秋乃の頭を鷲づかむ。
「お前こそ、久しぶりの再開で何故肩をトントン頬を指でぷにっ☆じゃなくてトントン頬をバキィィィ!なんだよ」
「それはほんの出来心っていうかなんて言うか………って力強めないで!」
オレは素直に頭から手を離す。
涙ぐんで頭を押さえている。コイツ普通に可愛いのに相変わらずだな。すると、今度は秋乃がじゃあと言う。
「ちょっとそっち向いて」
オレは頭を両手で掴まれ進行方向に頭を向き直された。
なんだよ今度は。
と、またもトントンと肩を叩かれる。まさか、この下りまたやんの?
仕方なく首を後ろに向けると今度はちゃんとオレの頬を人差し指でぷにっ☆とした。
「これならいいよねー。うりうり~」
オレの頬を指でうりうりと軽く押してくる。
コイツは昔からこういったスキンシップがかなり多い。
大体多くなったのは中学に入りたての頃だ。
オレは秋乃の指を掴んでオレの頬から離させる。
「いいから行くぞ」
「うん!」
オレの横に並んで歩き始めた。
☆
「わぁー!相変わらず大きいね!」
「そうだな」
着いた倉嶋高校は三階建て、十年前と最近建てられたばかりなのでかなり新しくまた敷地内には第二校舎や体育館。陸上のゴムで作られた競技場や野球をするために作られたスタジアムなど様々な生徒達への配慮が施された高校だ。
オレ達が着いた頃には多くの新入生らしき人達がおり、人口密度が凄かった。
「すげえ混みようだな。とりあえず行くか」
オレが足を踏み出すとオレの腕を秋乃ががっちりと掴んできた。
「………どした?」
「離れちゃだめでしょ……」
「………おう」
オレは秋乃を傍に向こうに向かった。人達にもみくちゃにされつつ秋乃が全力でオレの腕にもはやしがみついている。そこに豊かなアレが……。考えるな、オレのバカ!
オレは邪な考えを放りつつ前へと向かい、クラスの載っている紙の貼られた掲示板にたどり着いた。
すると、腕の秋乃が言った。
「東は大きいから掲示板みえるでしょ?私のも見てー」
オレは比較的身長が高めで177センチある。この中でも割かし大きい方だ。
「りょーかい」
承諾し掲示板を見る。
すると、最初に見つけたのは自分だ。一年Cクラスだった。しかし、秋乃を見つけるのも容易かった。その理由は簡単。オレと同じクラスだったからだ。
「オレもお前も同じCクラスだぞ。出席番号はオレが3番でお前が44番だ」
「え、東と一緒?やったー!」
抱きつく腕に更にギュッと力を入れる。くう、またその豊かなモノがぁ!
考えるなオレ!
「クラスも分かった事だし中に入るか」
「うん!」
二人で中に入ると、やっと秋乃が手を離してくれた。外見に見合って中もかなり綺麗で広かった。
靴箱があり、それぞれの番号の書かれたとこに靴を入れる。そして、持参した指定の上靴に履き替える。
三階建てで学年が上がる毎に上の階に上がるらしい。
そのため歩く手間もあまりなかった。
自分達のクラスに行くと半分程度の人物が教室にいた。クラスは男子二十人、女子二十人の合計四十人で編成されている。
見たところ男子、女子共に半数と言ったところだろうか。
「秋乃、席何処だ?」
「私はねー……窓から端の次の列の一番後ろ。で、ちなみに東は………窓の端っこの一番後ろだから隣だ!」
イエーイとハイタッチの要求。それに素直に答え教室に入る。
入れば当然視線を浴びる。理由は勿論秋乃が可愛いから。
これ、中学の頃にも経験してるからデジャヴなんすよね。
オレ達は自分の席に座ると、秋乃が言ってきた。
「早く仲良くなりたいなー♪」
「お前も流石だな。友達百人できるかな♪ってレベルじゃない友達五十億人できるかな♪だな」
言いにくーと秋乃がゲラゲラと笑う。
うわあ、男子からの目線が痛いよう。
時間が経つと続々とクラスメイトが入ってくる中、一際目立った男がいた。
金髪で顔もTHEイケメンと言った顔の男だ。入ってきた瞬間皆を虜にした。オレは、うわぁイケメンだぁと反応し秋乃は何故か無反応でした。
そして、登校完了時間、8:50分にはクラスの人達が全員座っていた。
すると、前のドアが開いた。先生が入ってきたのかと思ったがそこから入ってきたのは小さな少女。身長145あるかないかと言ったところ。
皆誰この少女と言わんばかりの顔をしている。
すると、隠れていて分からなかったが台があったらしくそこにうんしょ、よいしょ、と上る。まさかとは思ったがそのまさからしい。
「皆さん、まずはおはようございます!遅刻なしで偉いです!私はこのクラスの担任をする獅子川愛名です!よろしくお願いします!」
まさかの先生だった。
こんなちびっ子が内の先生なのか。
「なんかちっちゃいね」
「ああ、だな」
当たり前の意見だ。
「これからホームルームを始めます。私が進めます」
そういってホームルームが始まるといつの間にか自己紹介しようぜ的な状況に。
「それでは窓側の列からお願いします♪」
「はい!」
そういって立ち上がったのはクラスでも一際目立った男だった。
「僕は園宮叶人。好きなことはサッカー、皆よろしくね」
はい盛大な拍手~。
最後に笑ったのは反則的なイケメンだ。
サッカーが好きって言ってたけど絶対うまいわぁ。
そして、いつの間にかオレの番。
考えている内に話が進んでいたようだ。
オレは立ち上がり目立たないように普通のスピーチをする。
「雨月東だ。東と気軽に呼んでくれ。好きなことはこれと言ってはないが何かおすすめの事があったら言ってくれ、よろしく」
はい普通の拍手~。
それからというもの、やはりというか案の定秋乃はかなり盛大な拍手を貰った。
そうして、自己紹介が終わりホームルームも進んだ。
「それでは一時間目まで少し待って下さい」
そういって獅子川先生は出ていった。
考えてみれば名前強そうなのに見た目はロリだよなぁ。
そんな考えをしていると肩をバシバシと叩かれた。
「ん?どした、秋乃?」
「ヤバいヤバいヤバい!超有名人がいる!やばい!」
「有名人?誰だそりゃ?」
「こっち来て!」
手を引っ張られ連れてこられたのは隣のクラス。
そこには謎の軍団ができている。何この集客。
そして教室をのぞき込むとそこには、最近小説を出版しまた超美人と一際有名になった少女、暁鈴鹿がいた。
次回もお楽しみに