礼儀作法とお母様
ドタドタドタ
「お待ちください、リナ様！」
「絶対嫌です！」
現在進行で逃走中です。え、なぜかって？それはね、誕生会があるから、礼儀作法1から学び直せだって。酷いよね！まぁ、ここ最近の行いが酷かったせいだけどね。
どん！
「きゃあ」
思いっきり転んだ、痛い、足ぶつけた。でも、待ってこの声は…
「お、お姉様！すいません！怪我はありませんか。」
「私は、大丈夫よ。リナは、怪我はない？」
「は、はい、私も怪我は…」
「リナ様！！やっと、追いつきました。」
「げっ」
ヤバイ捕まっちゃったよ。これは、1時間くらい怒られるなと、思ってお姉様を見たら後ろにお母様がいた。あ、3時間だこれ…
「お、お母様…」
「「げっ」ってなんですか！それでもあなたは公爵令嬢なのですよ。もう少し言葉を慎みなさい。」
めっちゃ早口で言われた。後それでもって言われた、私だって本気を出せば礼儀作法くらいできるよ！
「私だって礼儀作法くらい…」
「だってじゃない！あなたはできてないから、学び直せって言われているのです！」
「はぁ」
「はぁじゃなくて、はいと言いなさい！」
「は、はい！」
うげぇ、言葉ひとつにまで言われるなんて令嬢って面倒…
「リナ、授業が終わったら私の部屋に来なさい。」
ふえぇぇ目が笑ってないよぉ。
「お、お姉様…たすけ…」
「…」
目を反らされたよ。つらい…お母様に怒られるより心にきたよ。
「リナ、わかったら速く戻りなさい。」
「ふぁい…」
「は？」
「はい！」
しぶしぶ、来た道をメイドさんと戻って、礼儀作法の勉強を2時間したよ！死ぬかと思った！そしたら、メイドさんに「リナ様、命は大事にしてくださいね。」って言われた。疲れたとか言って逃げようとしたのがバレたか…。
そんなこんな考えていたらいつの間にかお母様の部屋の前だ、どうしようまだ死にたくない。
ガチャ
「あ、え、お母様。」
「あら、リナどうぞ入って。」
「は、はい。」
お母様が、笑っている。何があったんだろう、すごく怖い。
「どうぞ座って。」
「はい、失礼します。」
ひぇぇ、目の前に座ってる。怖いぃ。
「ところでリナ、貴方自分の立場を分かってるかしら。」
「はい？」
「貴方は公爵令嬢でこの先どうしなきゃいけないってことよ。」
んー、そう言われてもなー、とりあえずお姉様と王子の婚約を破棄させたいなんて言ったら怒られるだろうし…
「玉の輿に乗りたい…」
「殴りますよ。」
「すいませんでした！」
やべー、そもそも公爵令嬢に玉の輿ってあるのか？
「えっと、じゃあ、どっかの王子と結婚してその国に嫁ぐ。」
「んーまぁ、違うけどいいでしょう。」
「え、違うのですか。」
「そうよ。貴方はどっかの次男坊に婿養子になってもらうのよ。」
へーそうなんだー。お母様、語彙力なーい。ん…待てよ…そしたらこの国にいれてお姉様と王子の邪魔ができる…？
「それって、私は、この家にずっと住んでれるってことですよね…？」
「ええ、まぁ、そうね。」
「私、公爵令嬢頑張ります！」
「そ、そう、頑張って…って、前までは頑張ってなかったの…？」
「あ、やべ…」
「リナ、もう少し話さない。」
ヤバイ、振り出しに戻った気がする…。
…
あの後、2時間くらい怒られた！そして、「貴方はやればできる子だから。」とか言われて勉強の時間増やされた！後、誕生会でいい人見つけなさいとか言われたよ！
