悪友たちの監察
駄城雄馬が屈辱の食事を始めてる頃、その光景を密かに見ていた男たちがいた。
駄城雄馬の悪友でもあり、学内では変態共と一つのくくりをされている男たち、
お調子者で低身長にネックな悩みを抱く茶髪系チャラ男の明石雄二。
伊達眼鏡をかけて知的アピールをしているが学内では下の下の眼鏡ナルシストの相川聡。
一貫して風貌が明らかな服装。あちこちにアクセサリーを着飾っている金髪のイキリ系厨二男子、朝山太一。
相撲取りのような体系とその顔で如何にもデブという言葉が似合う男、寿修三。
それぞれが各種学内ではへんてこな異名で知られた変態たちはひっそりと窓枠から二人の男女の光景を除き、その身を震わせていた。
「やべぇっしょ」
「これはうらやま……なんてひどい絵面だね」
「…………なんもいえないさ」
「てっきり、S〇Xでもするもんだと思ったらとんでもないもん見たドン」
悪友たちは口をそろえて言う。
『まさかの奴隷とご主人様の関係だったとは』
ここで第3者がいれば絶対違うというがこの悪友たちはひたすらに馬鹿なだけで本当にそう信じてしまう。
彼は犬のように扱われて食事をしている光景は彼らにはまさに『主人と犬』の関係性に見えた。
「しかし、あいつはそっちの趣味全快だったのは以外っしょ」
「なんてうらやま……かわいそうなんだね」
「なぁ、むりしなくてもいいさ相川」
「そんなことより、このプレイいつまで見てるんだドン。わいら?」
悪友たちは顔を合わせてから考察した。
見ていて楽しい結果は何も起こりそうにもなく期待している展開とはかけ離れていた。
「もっとHなものを見れると期待したんだけどがっかりっしょ」
「そうだね……だけどアレはアレで」
「相川のドMは良いとして、このまま観察続けるのもつまらないさ」
「わいらも帰るドン?」
彼らは一斉に頷いて、部室へと戻ろうとした。
その矢先に一人の女が目の前に現れた。
「ゲッ、なんでいるっしょお前さん。」
「俺っちたちはただ悪友の女王様プレイを覗いてただけだね」
「ああ! 馬鹿だな! 本当に相川は馬鹿だな! でも、ただそれだけなんだな! だから、帰してください!」
「し、尻でも出せば許してもらえるかドン!?」
悪友たちにとっては苦手な女だったが故に彼らの言葉はすべてが突飛な行動と言動そのもののだった。
彼女は笑う。
「ねぇ、ちょっと協力してほしいっす」
彼女が何かを掲げた時に悪友たちは瞳から一瞬で光を失う。
彼女は右手をおろして目の前の旧校舎に向けて歩み始めた。