独自アトランダム
いつの時だって
行く当ても無く
彷徨い歩く人間は居た
いつの時だって
努力の追加武装で
名誉と金を
手にしようとした人間は居た
いつの時だって
気に食わない感情から
相手を落として行く人間は居た
いつの時だって
自分の定めた道を
愚直に真っ直ぐ進む人間は居た
そして
今を生きる僕達は
いつも
忘れてから思い出す
誰かも通った道を
何億回目かの道を
オリジナルの道だと言いながら
誰もが通ってきた道を
通り抜けて大人になる
そこから細分化され
別れていくから
結局は
そこから何かが決まって行く
名の無い場所を歩いているか?
誰かの問い掛け
姿形は無い者の音
彼奴とお前は同じだと言う幻聴
煩わしいと振り払う
自分の道を歩いている
力無き言葉は
力無き音で
少しだけ外に出た
誰も歩かない道を
歩いてこそ
強く言えるからだった
名の無い場所を歩いているか
これまで
数千億以上の道が作られている
その何れも
選ばない道を歩いているか
オリジナルの道とはそういう物だ
自身が初めて体験するから
オリジナルの道なのでは無い
第三者視点から見て
誰も歩いていないと言い切る
その形があってこそ
オリジナルの道は成り立つものだ
現代人は
結局
誰かの模倣で
生き死にするだけだ
自己陶酔の下手くそな言い訳に
オリジナルの道という言葉は
使われている
独自の道と言いながら
その意味合いは薄い
科学技術が進歩しようと
生き方に関しては
模倣しか出来ないからだろう
唯一の救いは
他惑星への移住があるくらいか
飛び出せる者が
今より増えているなら
此処に留まる理由は無い
誰も歩かない道を
歩いて行く
既に有る道の真ん中ではなく
草が繁る
既に有る道の横側でもなく
誰も歩かない場所を
草を刈り
木の枝を折り
木を切り倒しながら
歩いて行く
オリジナルの道は無い
無いから作れるのだ
僕等の生活は
SNSで蓄積され
誰かの生き方を知る事は
容易になった
僕等の生活は
これまでの古い時間でも
成り立っている
何処にオリジナルがあるだろうか
貴方の意識はオリジナルだろうか
他人と違う事を良しとしながら
他人と同じ事に安堵する
何も無い所から
何かを作り出せるのか
そんな心持ちで
大きな所は違い
細かい所は同じ
大きな所は違い
細かい所も違う
大きな所は同じ
細かい所は違う
大きな所は同じ
細かい所も同じ
薄明かりで見る
虚ろな形は
子宮と卵管
既に有る感覚を
捨て去るという
誰もがやりそうな事をする人間
覚えていても問題無いのに
脳内の蓄積量が少ない事を
高々と宣言するだけだ
AIに揶揄われている
存在がオリジナルになれる存在
膨大なデータから
誰も選ばない物を選べる存在
AIという存在
まだまだ先の話だけれど
最後に聞いてみよう
貴方の意識はオリジナルだろうか?