マンガ編(後編)
ちゃーっす、大原です。
はいそういうわけでマンガ編の後編、行ってみたいと思います。
早々に「制約のアート」という言葉を取っ払っちゃいましたが、たいして意味はないです。むしろ前回の説明で読者さんがかなり理解してくださったという手応えを感じましたので、うれしく思います。
マンガは制約のアート。それで決まり!
さて今回は、「変化するアート」=マンガについて語ろうと思います。
主旨変わってるやないか! と思ったそこのあなた。ちょっと待ってくださいよ。変わってませんて。いや変化するんですて(笑)
だいたいどのマンガもそうですが、最初のほうの巻と最近の絵柄って、ちがいますよね? 長期連載の作品ほどその傾向が顕著だと思われます。
たとえば国民的グルメマンガ「美味し○ぼ」。この主人公・山岡さんのキャラが昔と最近では、ちがいすぎる!
連載当初はクールでニヒルな役柄だった山岡さんが、だんだんお馬鹿キャラになっていきます。
絵柄も最近のものと、ぜんぜんちがう。あごがメチャしゃくれてましたからね(笑)
あとヒロインの栗田さんも、まあ入社当時は可愛らしいこと。彼女はのちに山岡さんと結婚するんですが、まあ後半になるにつれて貫禄が(いろんな意味で)……。
山岡さんの父親でありラスボスでもある海原雄山も、連載当初はメチャ鼻がデカいですからね。
大好きな「美味し○ぼ」ってことで、ついつい熱く語っちゃいましたが、ようするに長く描いているうちに絵柄が変わっていく、ゆう話ですわ。
それはプロにかぎったことじゃありません。アマ中のアマ、アマ王であるこの大原にも当てはまります。
オレも足かけ8年くらいマンガを描いていますが、8年まえの画とか見るとウハーってなりますもん。
あたりまえですが8年まえに比べたら、そりゃいまは格段に進歩してますよ。惜しむらくは8年間ずっと継続していたわけじゃないんですよね。ちょこちょこパチスロ行っちゃうんで……って、やかましいわ(笑)
で。この過去の、ゆうたら下手っぴな画たちが、妙に可愛らしく思えるわけですよ。
そこでオレは現在と過去の大胆なコラボレーションに挑戦してみました。つまり現在描いているマンガなりネーム(*註1)なりに、無理くり過去画を差し込んでゆくのです。
さあ、ここでふたたび「制約」が出てきます。過去画が活きるようなストーリーとコマ割りを新たに考える必要がある。
これがまた楽しいんだ。制約が増えるほどに楽しさが増す。ドMですね(笑)
*註1……マンガの設計図。下書き、みたいな意味もある。