4作目のジンクス
トゥース! オレ大~ぅ原。
みなさんご無沙汰しております。割烹のほうはしばしば上げておりますが、エッセイを書くのは半年以上ぶりになり申す。たまには何か書かないとね。
今日はあの伝説的な名画『ロッキー4~炎の友情~』について語ろうかなと。
というのも、とある盟友様との感想のやりとりでロッキー・シリーズについて盛り上がったものですから。
映画本編の話をするまえに、4作目ということの意味について考えてみたいと思います。みなさんは、このマジックナンバー4についてしっていますか?
たまたまかもしれませんが、4作目には名作・名盤と言われる作品が多いのです。
ロック音楽から例を挙げるとレッドツェッペリンの『Ⅳ』、クイーンの『オペラ座の夜』、ブラックサバスの『4』などは超の付く名盤でございます。
クイーン以外はアルバムタイトルそのものが『Ⅳ(ないし4)』ですからね。とりあえず4を付けとけば売れるべ感すら漂っております。
映画の分野ではオレ推しの『ロッキー4』がまず名作(オレだけ?)、それと意外や意外、あのターミネーター・シリーズも4作目が傑作との呼び声が高い。シュワちゃん、もはやCGなのにね(笑)
まあターミネーターについては『3』がズバ抜けてヒドかったとも言えますが(笑)、『4』はあのクリスチャン・ベイルがジョン・コナー役を演っていたりと意外にゴージャスな作りになっています。
3のあのか弱そうな兄ちゃんがムキムキのバットマン(ベイル)に成長するとは、とても思えないのですが(笑)
前説はこれくらいにして、いよいよ『ロッキー4』本編の話に移りましょう。
オレはこの4がシリーズでもっとも好きです。というのも、小学生のころ自宅にあったレーザー・ディスクで繰り返し観ていたからだと思います。もはや原体験のひとつと言っていいでしょう。
ちなみにロッキー1~3もいちおう観ています(金曜ロードショーとかで)。2は盟友アポロとの戦いなのでかなり印象に残っていますが、やっぱりオレは4が好き。
なんでしょうね……ある種、後日譚と言いますか、ロッキーが登りつめた後のお話ですし、その後の彼の凋落っぷりを予感させるような流れも含んでいます。
ネタバレというほど複雑なストーリーではないですが、4がどんなお話かざっと説明しちゃいます。本編未視聴でネタバレがイヤという方はここで帰ってくれぃ(笑)
ボクシングで世界チャンピオンになったロッキー・バルボアは、豪邸で愛する妻子とリッチな生活を送っています。そこへ当時ソビエト代表のドラゴ(ドルフ・ラングレン)が殴り込みをかけてくるのです。
この挑戦を、やめときゃいいのに盟友アポロがさきに受けてしまいます。アポロいわく「チャンピオンのロッキーが出るまでもねえ、オレとの余興マッチで充分だ!」ってな具合。
ところがアポロは逆にボコボコにされて負けてしまいます。負けるってゆうかその試合で命を落とします。これにキレたロッキーが盟友の仇討ちをする、というのがこの4のお題目です。それでサブタイが『~炎の友情~』なんですね(淀川長治ふうに)。
この映画、観どころはいっぱいあります。テーマやメッセージ性も盛りだくさんです。が、ぜんぶはお伝えできないので、とくにオレの好きなシーンをふたつご紹介したいと思います。それらというのが、奇しくもポーリーが絡んだシーンなのです。
ポーリーは愛妻エイドリアンのお兄さんです。ロッキーにとっては義兄ですな。
このポーリー、はっきり言って邪魔者です。義兄というだけでロッキーの豪邸に居候し、働きもせずに豪奢な暮らしを享受しています。
さきにロッキーは愛する妻子と豪邸で~と書きましたが、正確ではありません。正しくは愛する妻子と義兄のポーリーと暮らしていたのです、ムダにリッチに(笑)
しかしながらポーリーという男、ただの邪魔者じゃないんですね。練習や試合のときはロッキーに付き添いますし、ある種ロッキーにとって精神安定剤的な役割を果たしているのです。
オレが思うに、ポーリーはロッキーというボクサーの運気を象徴しているんじゃないかと。
運が上を向いているときには豪邸や高級車、家政婦ロボ、そしてポーリーが近くにいます。そして運が尽きはじめると、やっぱりそれはポーリーきっかけなのです。
下手をするとエイドリアンといた時間よりポーリーとの付き合いのほうが、ロッキーにとって長いのではないでしょうか(笑)
名場面その1。リッチな生活のワンシーン。
ロッキーの豪邸にアポロが訪ねてきます。例のドラゴとの余興マッチの相談です。ロッキーやエイドリアンはアポロに反対します。彼の身を案じてのことです。
ですが鼻息荒いアポロはもう引っ込みがつきません……とまあ、こんなシリアスなシーンでおなじテーブルにいたポーリーはエロマンガを読んでいます。あまつさえ、それをアポロやロッキーに勧めてきます。
さすがのロッキーも義兄を注意しました。「下ネタかよ!」
名場面その2。ドラゴとの大試合、その直前。
ついに迎えたドラゴとの決戦。リングへ向かうロッキーにセコンドとして付いていたポーリーがひとこと言います。
「生まれ変わったら、お前になりたい」と涙ながらに。
これは名シーンです。思わず涙腺が崩壊しそうになります。ところが、いざリングに入って強そうなドラゴを目の当たりにするとポーリーの態度は豹変します。
「さっき、もし生まれ変わったらお前になりたいと言ったな?」
「ああ」とロッキー。
「やっぱ、やめとく」
ポーリーはボケ担当でもあったんですね!