走馬灯 ―伍―
― 遺書 ―
まず最初に謝罪させて下さい。
本当にごめんなさい。
生んでくれたこと、育ててくれたこと
本当に感謝しています。
その過程が何であろうと、色々あったことも含めて
今まで生きてこれたのはあなた方のお陰です。
少なくとも仲の良い友人にも恵まれ感謝の言葉しか出てきません。
飲みに行く約束は守れそうにないけど勘弁して下さい。ごめんな
少し贅沢なのかもしれませんが、今まで生きていて不幸とも幸福ともとれない人生を送ってきました。
器用じゃない自分は周りにもよく迷惑をかけていました。
自分にとっては生きることは大変で
その中で諦めなければいけないこと、期待を裏切られることもしばしばありました。
ですが、それが少々多すぎたようです。
どうしようもないこと、どうにも出来ないことが多すぎた。
平等も糞もないこの世の理不尽さに逆らうのは結構な力がいって
俺にはその力が無かっただけで、もうとっくに押し潰されていたのに、知らないふりをして立っているふりをするのは疲れたんです。
見栄をはって息苦しさを感じたり、夜中のふとした瞬間に一人で泣くのももう嫌で仕方がないんです。
何度も何度も考え直したけど これが自分なりに出した結論です。
もうこれで終わりにしたいんです。
さようなら。ありがとう。