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心灯  作者: 飴モザイク
6/11

走馬灯―参―

何を… した?




違う。


違う 違う違う違う違う違う。





俺は何もしていない。


俺は… 何も知らない。



何も知らないんだ…





『 俺は何もしていない!

何も知らない! !  』




足元から迫り上がってくる不気味さと

焦燥感を跳ね返すように怒鳴りつける



そのまま手摺に背を預け

ずるりと崩れ落ちた



頭を抱えて踞る。





次に顔を上げた時

男が立っていたその場所には誰もいなかった。







張り詰めた雰囲気と

混沌とした思考を誤魔化そうと苦し気に


大きく息を吸う




足に力を入れ手摺づたいに立ち上がる


そっと部屋の中に入ると


先程まであった気配はそこには無かった




水道を捻り流れ落ちる生温い水流に

そのまま顔を突っ込み水を飲む


顎から伝っていく水がシャツにボタボタと

垂れていく



ソファーに積まれた服で顔を拭き

それをまたソファーに放ると


ついさっき男が立っていた場所に立たずんでみる




あの男はここから俺を見ていたのだ



ベランダの方を見ると淡い光が床に反射して

そこだけ薄い氷が張ったみたいに蒼白く見える



ふと、そこに黒い影が出来た



あいつだ。




顔を上げるとそこには手摺に凭れこちらを見ている男がいた。






今度はこちらから口を開いた



震える声で、、 しっかりと





『 俺は何をした?

何を知っているんだ? 』




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