人生チェンジ
遅れてすみません。それではどうぞ。
どうして・・・・・・どうしてこいつは俺と顔がそっくりなんだ?なんで?まさか整形手術なのか?いやならどっかに手術の痕があるはず。それすら無いなんて簡単な話じゃないし、第一に目の色相やDNAだって完璧に同じなんてことできるはずがない。こいついったいなにを企んでんだ?
俺がじっと鏡をみているとそのことに気づいたのか俺を取り押さえた男が俺に話しかけてきた。
「ああ、気がついたか僕たちの顔がそっくりなの。まあそうだよね普通は驚くよね全く同じ顔の男がいたらね、今君の頭の中には二つの考えがあるはずだ。一つ目はなぜ君と僕の顔がそっくりなのか、二つ目に今僕がなにを企んでんのか」
え?
「今なんだって?」
「だから今僕と君の顔がそっくりなのか、そして僕がなにを企んでいるのかって言っただけだけど。」
どうしてこいつ俺の考えてることを?・・・まさか!?けどありえないそんなことは!
「そう、そのまさか僕は君の頭の中を読めるんだよ。」
ばかな、こいつ超能力者か魔法使いなのかよ!
「その通り、僕は超能力者ではないけど魔法使いではあるのさ」
「嘘だろそんなの」
魔法使いなんているわけない、第一魔法てのは科学で否定されているしな。俺は絶対に信じないからな。
「そうか信じてもらえないのねえ、でもそれらしいもんつかったんだけどねえ」
「はあ?そんなのいつ使ったんだよ」
「はあ?じゃないだろ!!じゃあ今のこの状況どう説明するんだよ!!!!!え?なに自分と同じ顔の男がわざわざ人気のない所に運んで縛ってから解いてそれから足を払って腕の関節決めて指折られてるこの状況どう説明すんのさ?ねえどう説明すんだよ!!!!!!」
「そ、それは・・・・・・」
やばい否定する為の材料ない、確かにあの時俺は家にいたしなんか訳分からん現象も起きていたしあれは一体なんだったんだ?まさか本当に魔法による影響なのか?
「そうさあれは召喚魔法の一種さ、それを使ってここに君を呼んだ。僕が生き残る為にさ」
「は?なんだとお前が生き残る為に、お前のエゴの為に俺はこんな所に来させられたってのか?ふざけんな!俺はお前の道具じゃないんだぞ!!!!」
一瞬男の顔がふっと暗くなったような気がしたがすぐに顔を上げて、
「そうだ、確かにその通りだ。君は僕の道具とかじゃないな」
分かってくれたのか、よかったこれで家に帰えれるし明日のデートに間に合うな、そう安心していた瞬間。
ポキンと音なったと思ったら右腕の中指と人差し指から激痛が走った。
「痛ってえぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
「はあ?何言ってんの?お前は僕と生きる場所を交換するんだよ。お前に拒否権なんてないんだよ」
こいつさっきもそうだけど、なんで躊躇無しで人の骨を折れるんだよ。マジでキチガイかよ。
「あと少しなんだよ、あと少しで僕は死なないで済むんだよ、分かる?僕がどれだけ努力したのか分かる?分からないでしょう?ようやく別の世界の自分と入れ替わる方法が分かったんだ、こんなところで躓いてたまるか」
「ま・・・さ・・・か、お・・・・・・前のやろうと・・・してることってまさか・・・・・・」
「そうさ佐原 康祐、君と換わる。別世界の君である僕コースケとね!!!!!」
まじか・・・よ顔がそっくりだったから考えていたとはいえ俺と同じ存在かよ、正直あんま信じられないぞ。たとえ別世界の俺だとしてもまるで訳が分からんだってなんで入れ替わるんだ?いくら同じ存在の俺達が換わることのメリットでもあんのか?少なくとも俺の方には絶対にない。
「な・・・あ、なんで入れ換わるんだ?お前にはなんか意味でもあんのか?」
するとコースケ(だっけ?)から苛立ちと恐怖を感じたが俺の方を見てから、
「僕はね・・・もうしばらくしたら殺されるんだ」
what?死ぬって言ったか?おいまさか死にたくないから俺を身代りにするつもりかよ、ふざけんな!俺はまだやることがたくさんあるんだよ!!!!そんな俺のことをよそにコースケの話は続いた。
「でもね、死にたくないから僕必死に探したんだ、僕が生き残ることができる方法。そしたらある日へんなやつにあったんだ」
鏡ではあるが俺の目を見て話しているコースケ、その眼にあるのは狂喜のみ。今にも嬉しさのあまり俺の上で踊りそうだわこいつ。
「それでねそいつが教えてくれたんだ、死なない方法。実行するにはかなり時間は掛かったけどこうして今君がいるんだからね、ありがたいよ本当に。これで僕は死ななくて済むからね」
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。こいつさっきからやばい雰囲気をぷんぷんだしてやがる!このままじゃ確実に換わるはめになっちまう。
「もう話すべきことは話したしそろそろ頃合いかな。さあ僕と換わろうか、君が僕と換わることで僕は助かるさあはやく換われ」
くそがぜってー換わるもんかよ、ここで換わったら明日のデート行けなくなるじゃねーかよ!どうにかしないと・・・・・・そうだ!!!
「おいちょっと待てよ。なんで俺の合意が必要なんだよお前ほどの奴なら別にいらないんじゃないのかよ?」
そう俺が質問したら、残っていた親指を折った。だぁぁぁぁ!!痛いつーの!!!!!!ほんとにポキポキ人の骨を折るのはやめろよ!!!
「ねえさっき言ったよね、関係ないこと喋ったら折るって。で?答えは?」
「へっ、ぜってーに・・・換わ・・・・・るかよ。そんなのクソ・・・くらえ!!!!」
そう答えてやったら温度の低い声で、
「そっかじゃあ腕を折ろう」
と言いながら俺の右腕に押さえてつけていない方の腕を添えたと思った次の瞬間、コースケは予告通りごきゃとにぶい音をたてて腕を折った。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いぃぃぃ!!!!!!指も痛いがそれよりも腕の方がもっと痛い、痛みで転げまわりそうになるのをコースケが腕を掴んで離さないので動けない。
脂汗を体中に掻いているのが分かる、服に染みて肌に張り付くのが分かるでもそんなことを気にする余裕は今の俺にはない。紛らわせようと必死でたくさんのことを考えた、家族のこと、友だちのこと、大学のこと、秋山さんのこと、とにかくたくさんのことを考えた。一瞬でも考えるのを止めたら痛みを感じそうでそれが嫌で必死になった。
「あっちゃー、つい本気で折っちゃた。まっいいかそのうち喋れるようになるでしょ、それまで待ちますかね」
なにか言ってるようだが聞き取れない、そんなことより急いで医者に診てもらわないと腕が痛くてしょうがない。痛みに耐えている俺を見ていたコースケが待っているのがあきたのか更に二の腕の方にも手をかけ俺の耳元に顔を近づけ、
「ねえはやく答えないとこのまま二の腕の方も折るよいいの?」
とささやく様に俺を脅してくる。その一言で俺の頭が考えるのを止めて折らせないようにすることで一杯になった。やだもう痛いのは嫌だ、でも換わるのはもっと嫌だだからこう答えるしかなっかた。
「ふ・・・・・・ざ・・・・・・けん・・・・・・な、そ・・・・・・んな・・・・・・の・・・・・・ごめん・・・だね」
痛みでうまく喋れないが拒否してやった。そしたら明らかに苛立ち始めたコースケが、
「そうか」
一言発した次には二の腕を木でも折るように折った。
「あああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
右腕で全体が燃えるように熱く痛い人生初めて腕の骨全部折られた。いつの間にか涙が出ていて止まらなかった、だんだん心からコースケが怖くなってきたそして何時からか換わってもいいように思えてきてしまっている自分がいた。そんな自分が言うことは、『もういいじゃん、換わってやれよ別にそこまでして守るもんもないだろうよ別に。このまま意地はってもしょうがないだろ?』と換わることを促してくる。
そんなの嫌だ、本当に嫌だせっかく彼女も出来たのに人生これからって時に換われってそんなの絶対に嫌だ。どんなことされても絶対に換わるもんか。
「・・・・・・そっかじゃあ仕方ない君が換わるって言ってくれるまで君の右腕を折ろう」
え?
「だって仕方ないだろう。君が換わってくれる感じじゃあないし、それどころかなんか決意固めちゃってんだもん。そんな奴にお願いしても無駄なのは明らかだしね、だから君が耐えられなくなるまで痛めつけて自分から換わるように懇願するまでやるしかないじゃあないか。だけど・・・・・・」
だけど?
「僕は悪くない。だってさっさと換われば良かったんだから、ここまで耐えて換わらなかった君が悪い」
そう言うとコースケが馬乗りになり俺の動かなくなった右腕を掴みいつでも折れる用意をし始めた、
「やめて、やめてくださいお願いします」
俺は必死になって止めるように言ったが、
「もう遅い、それじゃあ始めよう」
無慈悲な返事が返ってきた。
「やめてく「はい一回目」ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
それからのことはあまり覚えていない、骨が折れる音と俺の叫ぶ声コースケの数える声そして痛みしか分からなかった。
「もういい」
「え?」
どれほど折られたろうか、もう痛みで右腕の感覚がなくなった。それどもコースケは止めることなく俺の右腕を折っていた。
「換わるがら。本当に換わるがら・・・もう折るの・・・・・・止めてくだざいお願いじまず」
もうプライドも捨てていた。この痛みから逃れられるのならどうだっていい頼むからもうやめて。
「本当にいいのかい?僕と換わることで君はもう二度と自分の世界に帰れないよ?」
「いいよもう、いいから止めてくれ」
コースケが嬉しそうに顔を歪め立ち上がり移動した。俺の目の前に立ち、
「最終確認だ、君佐原 康祐は僕コースケと換わることを誓うか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「どうした?早く言えよ」
・・・・・・・・・・さようなら皆。
「ああ、俺佐原 康祐はコースケと換わることを誓う」
そう俺が言うとコースケの近くに光の扉らしきものが現れた。
「じゃあなせめて腕は治しといてやるよ。ルン」
そう何かを言った瞬間俺の腕の感覚が戻ったが、
「痛ってえええぇぇえぇえぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
ついでに痛みも帰ってきた。
「ああ悪いな俺はうまく魔法が使えなくてな特に医療系は特にな」
そう言い残しコースケは光の扉の中に入った。次の瞬間光の扉は消えた、あいつ・・・わざとかよいつかぶっ飛ばしてやるからな覚えていろよ。そう俺は心の中で奴に復讐を誓った。
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