3話 遊戯
唐突だが、俺たちは今目の前で起きている現象がありえなさ過ぎて理解できてない状況にいる。
とりあえず、最初に今までの経緯を説明しよう。
とりあえず、俺たちは硬直から立ち直り、魔王にどんなゲームをして遊ぶのか質問してみた。
「で、何をして遊ぶんだ」
「鬼ごっこ」
ゾーアがそう言うと、他の四人の四天王たちがどこか遠い目をした。
とりあえず、気になった俺は近くにいたリーシャに話しかけた。
「おい、リーシャ。どうしたんだ」
「アハハハ、ちょっとしたトラウマを思い出しただけだから、だ、大丈夫よ」
リーシャは力なく笑いながら言った。
「そうか・・・・」
俺はこれ以上聞くは怖くなったので話を打ち切った。
「とりあえず、鬼ごっこのルールを確認しておくけど、鬼役を決めてその鬼役から逃げ回り、捕まったら鬼役が変わるのがルールか」
「ううん、違うよ」
ゾーアは首を可愛らしく横に振った。
「それじゃあ、どういうルールなんだ」
「ルールは鬼役から逃げるんじゃなくて、鬼役が操るゾンビから逃げるのがルールだよ」
「・・・・・・・はい?」
なんだか、いやな予感しかしてこない。
「もう一つ質問なんだが、それはどこでやるんだ・・・」
「やる場所はね、魔力水晶で作る仮想空間だよ」
「な、なるほど」
「あ、ちなみに死んだらゲームオーバーだよ」
「・・・・・え・・・」
今なんていったんだろう・・・・意味がよくわからなかったからもう一回質問してみよう。
「今なんていった?」
「だから、死んだらゲームオーバーだよ」
「そうか・・・」
とりあえず俺は、ドルーガに詳しいルールを説明してもらうことにした。
「おい、ドルーガ。俺に詳しくこのゲームの説明をしてくれ」
「わかりました。簡単な説明は魔王様がしてくれたと思いますが、とりあえず鬼役を決めて、逃げる側のメンバーは魔力水晶で作られた仮想世界に精神だけを飛ばします。そして、鬼役は水晶から複数のゾンビを操り逃げる側のメンバーを追い詰め、メンバー全員を行動不能にするというルールです」
「ちなみに行動不能と言うのは死ぬことだけか」
「精神だけを飛ばすので気絶は無いため、死ぬこと以外行動不能状態はありません。まあ、精神だけなので本当に死ぬことはありませんが、下手するとトラウマになったり精神が崩壊しかけますね」
「そうか。でも、ゾンビどもに反撃はできるんだろ」
「たしかに、能力も使えるため反撃することはできますが、ゾンビは一回死ぬごとに強くなっていきますから、最終的には僕たちでも勝てません」
「それなら逃げ続ければ・・・」
「ちなみに、約10分経過するごとにゾンビは強化されていきますので結局最後は、勝てなくなります」
「ちなみに、逃げる側のゲームクリア方法は?」
「鬼ごっこの制限時間90分を過ぎるか、もしくは仮想空間のどこかにあるアイテムの残骸をを集めてそれを修復して転移アイテムを完成させればゲームクリアです」
「もはや、鬼ごっことは呼べない遊びだな。てか、なんで名前が鬼ごっこなんだ・・・」
「まあ、とりあえずトラウマが残らないようにお互いがんばりましょう」
「そ、そうだな・・・」
俺たちが話していると、ゾーアが何か思いついたように顔をキラキラした笑顔を浮かべた。
それに気づいたリーシャが話しかけた。
「どうかしました魔王様?」
「うん。追加ルールで鬼ごっこで鬼役が勝ったら、逃げる側のメンバーの中から罰ゲームを受ける人をルーレットで一人決めてもらう。ちなみに罰ゲームは後でみんなに紙に書いてもらうからね。そして、逃げる側が誰も脱落しなかった場合、鬼役が逃げる側の全員で考えた罰ゲームを受けてもらうというルールを追加しようかと思って」
『え・・・・』
俺たちは全員は綺麗にハモった。
「どう?おもしろいでしょ」
四天王たちは全員なんて反応したらいいのか分からないみたいだからとりあえず、俺が答えてみた。
「え~と、その、とりあえず他になにか別な遊びをすることは・・・」
「やだ」
「・・・・・ですよね・・・」
他の遊びに変えてもらおうと頼もうとしたが駄目だった。
「ちなみになぜ他の遊びが駄目なのか、わけを教えてもらいたいのだが」
「だって、鬼ごっこで遊びたい気分なんだもん」
「そうですか・・・・」
とりあえず、俺は・・・いや俺たちはこの後始まるの惨劇に恐怖していた。
そして、時は経ち、今俺は仮想空間の中にいる。
当たり前のようだが、逃げる側として・・・・・。
ちなみに、鬼役は魔王ゾーアでございます・・・・・。
そして、俺は今現在ゾーアの操るゾンビからひたすら逃げています。
てか、俺以外のメンバーはほんの数分前に全滅しました・・・。
いや、本当に怖いね。ゾンビって。
ちなみに、今現在の時間は開始してから80分くらい経っています。
残り後10分ってところで、俺以外全滅ってありえないよね。
しかも、本当にゾンビさんたちが強すぎるよ。
そんなことを考えながら俺は建物の角を曲がるとそこには2体のゾンビさんがいました。
「ここにもいるのかよ」
俺がそう言うと、その声に気づいたゾンビさんが襲い掛かってきた。
とりあえず、俺は右手に光属性の上位である天属性の魔力を集めて魔法陣を作り、その魔方陣から光の光線を放った。
2体のゾンビはその光に包まれ、消滅した。
「あぶねえ、今の一撃で決めてなかったら死んでた・・・」
と、俺が一息つこうとしたら後ろからゾンビの走ってくる音が聞こえた。
「まだ来るのかよ」
とりあえず、俺は逃げようとすると、上から数対のゾンビが降ってきた。
「・・・・冗談だろ・・・・」
それから、俺は何があったのか一切覚えていない。
とりあえず、このゲームが終わってから俺や四天王たちは約1週間ほど悪夢にうなされましたとさ。
とりあえず、このことを日記に書くかどうかはただいま検討中・・・・・。
次回は勇者パーティが出てくる予定です。