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試される大地  作者: 石達
第2章 発展期
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対外進出1

道東

北見市


各国歴訪を決めてからおよそ一か月。

高木は歴訪前の最後の視察として、科学技術復興機構理事の武田勤、そして北海道屈指の頭脳である矢追博士」を引き連れ、北見工科大学に置された魔法研究所に訪れていた。

北見を見渡せる台地の上、大学敷地の付近にあったビート畑を潰し、潤沢な予算と資源を投入して作られた真新しい施設だ。

ここでは大陸で回収された魔導具や、魔術の研究を科学的プロセスに基づいて行っている。

そんな中で、特に力を入れているのが拓也達がティフリスの地下遺跡から回収してきたカノエの一族が制作した魔導具の解析であった。

原理不明な魔導具が多い中、これらの魔導具は職人技で作られた普通の魔導具と比べて過度な装飾もなく機能がわかりやすい上、普通の魔導具より遥かに素晴らしいポテンシャルを秘めていた。

今回、高木の視察時に於いて、試験の様子が公開されていたのも、そんな魔導具の一つであった。

防火・防音壁で囲われた実験室の中で、何かの試験片と思しきものが大きなバーナーで炙られている。

そんな実験室に隣接した監視室の中で、強化ガラスの窓越しに3人は実験の様子を見ていた。


「テストは順調?」


「既に4000℃のプラズマ奔流にも耐えた。

魔法という謎技術がベースとはいえ、このような断熱素材があるとは驚きを禁じえんよ。

今炙っている素材自体は鉄だが、新素材で表面を覆ったお蔭で電気や磁気特性はそのままに熱だけを遮断している。

これが実用化されればMHD発電など旧来の技術で無理だった事が実現するかもしれん」


高木の質問に武田は笑みを浮かべながらそう答える。

この研究施設は復興機構の指導下に組み込まれており、研究の状況は武田に逐次報告されていた。

その為、今回、高木が視察に来るにあたり、彼は意味深な笑みを浮かべながら報告の時を待っていたのだ。


「しかし凄いわ。

このような技術があれば全産業でどれ程の効果が見込めるか……」


魔法技術の産業への応用。

それが可能になれば、転移前の世界の技術をもってしても不可能だったことが可能になるかもしれない。

転移後、少なくない技術がロストテクノロジー化している北海道にとって、それは福音となりえた。

そんな期待を胸に高木は実験の様子を見つめるが、そんな彼女に対し、矢追博士は大げさに首を横に振った。


「大統領閣下の期待は分かるが、この量産技術の確立は難しいな。

何せ素材の材質はおろか、何が作用して熱を遮っているのかすらわからない。

そして、それは化学的、電気的性質についてもだ。

表面に何かしらの作用はされているが、我々の計測器ではそれを測定、解析できないんだ。

それが何であるか解らねば、製造など夢のまた夢……

だが、贅沢は言ってられない。

例え、素材の総量が遺跡で発掘した分だけとはいえ、加工が出来るということだけでも儲けものだと思わねば。

完全に熱を遮るせいで溶融させることは無理だが、それでも冷間鍛造等は出来る。

そこらへんを踏まえて、我々の技術力で使える素材にするのだよ。

素材に限りがあるなら、表面処理用の素材等、量を使わずに済む利用法を考えればいい。

現に今見ている試供体は、普通の鋼材に新素材を爆発圧着でコーティングしたものだ。

強度や構造は従来の素材を使い、表面は新素材でコーティングする。

実に無駄のない利用法だよ。

この新素材に対し、熱による溶融や化学的なイオン化は出来なくても、表面処理に使う方法を我々は持っているのだ」


博士の語るように、未知なる技術、未知なる法則、それに対する探究は想像以上に難航を極めていた。

北海道とのみという研究キャパシティの限られた中では、たかが数年の研究だけでは、全く魔法に対する科学的理解は進まない。

素材を手に入れた遺跡に行った調査隊の報告では、それらの素材を作った一族はエルフの襲撃によって滅び、聞き込みは不可。

そして、帰化した人族の魔術師に聞いてみても、そんな高度すぎる魔法加工技術は知らないときたものだった。

まぁ 彼らも魔法の使用に関する研究はするものの、基礎的な事はサッパリだったので当然ではあったのだが……


「でも、我々で再現が出来ないとなると……

とても貴重で有限な資源に対する使い方を考えなければならないわね」


「そうだな。

我々の機構では利用案の一つとして、MHD……電磁流体発電を考えているよ。

それも温度10万度とかいう超高温高圧の代物をな。

この素材と同じく遺跡で発見された魔力を液化する魔導具から作り出された液化魔力を燃料とし、これらを組み合わせて超高効率の発電設備を作れる。

燃料が液化魔力なんて訳のわからない代物だが、エネルギーに変換した際は莫大な熱量を得られるそうだ。

しかもエネルギーは直接熱量に代わり、クローズサイクルの機関が作れると技術者たちは息巻いていたよ。

もっとも、液化する前の魔力がどこから供給されているのかすら、今の我々には解らないのだが……」


武田の言う電磁流体(Magneto-Hydro-Dynamics)発電。

それは転移前の世界では耐熱素材の関係で瞬間的な利用以外で実用化出来ていなかった発電方式である。

電極の中に高温の磁性流体を流し、電磁誘導により機械的変換を経ずに直接エネルギーを得る。

転移前の世界では過酷な環境に耐えれる電極素材が無く、実用では使い捨て以外に使えないような発電方式であった。

それが転移後、科学的に後退した北海道に於いて、謎の素材の利用で実現の可能性が開けたのだ。


「キモとなる素材から燃料に至るまで解らない事尽くしね」


応用方法等は考え付いても、基本的な所は謎だの解らないだののオンパレードに、高木は引きつった笑いを浮かべざるを得ない。


「しかして、それらを利用するなら、それもやむを得ん。新たな測定技術が開発されるまで棚に並べておくよりマシだろう。

それに、一応、分かったことも色々とある。

液化魔力のエネルギー解放の条件や、単位当たりの放出される熱量。

幸いなことに液化魔力のエネルギー解放は原子力と違い放射線も出ない。

運用は普通の既存技術で十分可能なのだ。

応用と基礎研究。これらは並列して進めるべきだな。

何せ我々の工作能力は未だに発電所のタービンを作れるレベルには無い上、泊原子力発電所の燃料棒も何れは尽きる。

プルサーマルを北海道単独で研究するなら別だが、そんな体力や時間的余裕は北海道には無いだろう?」


北海道以南の企業を頼れない以上、発電所クラスのタービンが壊れれば修理もおぼつかない。

実用化の光が見えた技術に選り好みしている贅沢はできないのだ。


「なるほど、あなたの言いたいことは分かったわ。

液化魔力を用いたMHD発電を推進することには意義はありません。

でも、一つ質問なんだけど…… その液化魔力ってのはそんなに凄いの?

国後南東沖で天然ガスなんかは取れるけど、それじゃ不足なわけ?」


高木は思った。

新しい断熱素材を使うことは理解できるが、燃料まで新しい物を使う意味はあるのだろうか。

使えるものはなるべく既存のモノを使ったほうがリスクは低いと。

だが、そんな彼女の思いを察したのか、矢追博士は高木に新燃料の使う意味を説明した。


「大統領の言いたいことも分かるが、これを燃料に使うと、恐ろしく高効率な燃料になるんだよ。

なにせ魔力液化の魔導具から生成される燃料を10Lも貯めることが出来れば、エネルギー量は戦術核に匹敵する。

実に膨大なエネルギー量だ。

それとこの燃料を使っているのは我々だけではない。

大陸で出回っている魔導具も調べた結果、爆発する兵器系の魔導具にも極々微量の液化魔力が魔導具のコアといわれる部分にコレ充填されてる事が分かった。

少量ではあるが普遍的に使われているのだ。

尤も、これは肉眼では確認できない量なので、作ってる彼らも知っているかは分からんがね」


矢追は実に素晴らしいエネルギーだと少し興奮気味に高木に語る。

その瞳には少々MADな光が宿っていたが、高木は気にせず彼の話を聞いた。


「そうですか……

お話は分かりました。

でも、他国の魔術師たちが液化魔力について知っているかどうかは別として、彼らが魔導具を作るとき、何かしらの方法で魔力の充填をやっているのでしょう?

ならば、我々もそれを研究すれば遺跡の魔導具に依存しなくても、液化魔力の生成方法を得られるのではなくて?」


そんな素晴らしいエネルギーなら工業的に量産すれば、エネルギー革命が起こせそうなレベルである。

だが、そんな高木の問いかけに、先ほどまで饒舌だった矢追博士は急に歯切れが悪くなる。


「それはそうなのだがね……

その研究については人員が不足していてな……

そこまで手を広げれてはいないのだ。

こと魔法に関しては研究者がいまだ少なく、研究対象を絞らざるを得ない感じなのだよ」


「そう…… あまり贅沢は言ってられないのね」


何にせよ魔法に対する北海道側の科学的研究は始って日が浅い。

これは今は研究の成果を待つよりほかにない。

そんな状況で、今回視察した新素材の利用法が見つかったというのは上出来と言える。

高木は現時点では今の成果で満足することにした。


「時間ね。そろそろ次に行きましょうか」


そう言って高木は時計を見ながら皆に伝えるが、出口に向かって歩を進める前にクルリと矢追博士に向き直った。


「……研究所の人員の事は考えておくわ。

引き続き研究を進めて頂戴」


そう言って高木はニッコリと笑うと矢追の感謝の言葉を背に研究所から出ていくのであった。


職員に見送られ、施設の外へと出た高木は、研究所のエントランスで武田とも別れ、別々の車に乗って施設を離れた。

札幌に変えるべく女満別空港へと向かう車。

そんな北見から郊外の空港へと移動する車の中で、高木は助手席に座る秘書官に次の予定を尋ねた。


「次の予定は?」


「この後は各国歴訪に向けた事前打ち合わせです。

出発は3日後ですからね。出航前の調整としてはこれが最後でしょう」


「わかったわ」


「それと、スケジュールとは関係ありませんが報告があります」


「なに?」


「開拓地の調査隊として送り込んだPMCが、予定された地域に到着したようです」


「流石に民間は早いわね。

何か進展があれば報告して頂戴」


「はい」


流石に民間は対応が早い。

軍主体であれば、今頃出発準備が終わったところであろう。

高木はその対応の早さに感心した。

彼らは自由度が高く使いやすい。

軍に比べて装備は劣るが、多少装備面で融通すればかなり使える存在だ。

そして、今回は彼らにとっても手慣れた調査任務。

高木は、この程度ならPMCも大した仕事じゃないだろうと思っていた。

まぁ それは現地を知らない人間だからこその考えだったのだが……








北海道より数千キロ北

開拓予定地沿岸



「これは凄いな。

森林資源の宝庫だ」


そう呟いた拓也の視線の先にあるのは、鬱蒼と生い茂る森、森、森……

青々とした大地をみながら、拓也はわざとらしく感嘆の声を漏らす。

だが、周囲に拓也の声に同意する者はいない。


「何言ってるんですか、率直に緑しかないと言えばいいんですよ」


白々しい目で拓也を見ながら見ながら、アコニーは拓也に突っ込みを入れる。

鬱蒼とした緑。

それが森林資源の宝庫だというのは、物は言いようだ。

かの地がそれ一色だということは、政府から提供された観測飛行船の情報から分かっていた。

これからあそこを徒歩で移動しなければならないアコニー達は、そんな拓也の言葉に辟易としたのだ。


「でもなぁ アコニー。

こんな辺鄙な所まで来て、調査とか凄い面倒だぞ。

今まで何度か調査の護衛はやったが、それは全て人里だったし

こんな前人未到な森林地帯…… 調査と言うより冒険だな。

ちょっと考え方を変えて自己欺瞞でもしなきゃ、とてもやってられん」


「仕事ですから仕方ないですよ。

って、そんなに面倒くさがるなら、なんで付いてきたんです?

国後の本社やメリダの拠点で踏ん反り返ってればよかったじゃないですか」


文句があるなら来なきゃいい。

アコニーの言葉は至極真っ当であった。

だが、アコニーのそんな言葉に拓也は目を泳がせながら言い訳をする。


「ん~

それには色々理由があってね~

新製品の実地テストが見たかったのと、ちょっと公権力の影響圏から離れたいなと……」


そう言って拓也は言葉を濁す。

政府に対し、何か後ろめたい事でもあるのだろう。


「また陰でコソコソ怪しいことやってんですか。

知ってますよ。社長って何か隠れてやってるの。

例えば、時々あの忌々しいハイエナビッチと時々会ってますよね。

現場は見てないですけど臭いで分かりますから」


アコニーにとって忌々しいハイエナビッチとは、サルカヴェロで行動を共にしたタマリであった。

あの別れの後、もう2度と会う事は無いだろうと思っていたアコニーであったが、彼女の考えは裏切られっぱなしであった。

数か月に一度、メリダにひょっこりと現れたと思ったら、アコニーにセクハラの限りを尽くして去っていく。

彼女曰く、アコニーを構うのは用事のついでだそうだが、アコニーにとっては迷惑極まりない。

一度、堪り兼ねたアコニーは、メリダの長に盗賊団の主犯が出たと突き出そうとしたら、既に手打ちは済んでいると言われ、牛裂きにしてやろうという計画は見事失敗した。

アコニーの人生に邪魔物のように現れるタマリ。

そして、タマリが現れると決まって拓也から微妙に奴の臭いがする。


「え?臭いで分かっちゃう?」


拓也は慌ててスンスンと自分の臭いを嗅ぐ。

だが、人間の鼻に、それもメリダを離れて何日も経った臭いなど解るはずもない。


「やめてくださいよ…… エレナさんを悲しませることだけは……

私は社長の射殺体なんて見たくないですよ」


アコニーはそう言ってジトりと拓也を見る。

その眼は若干軽蔑を含んだようなものであった。

だが、そんな浮気を疑われるような質問に対しては、拓也は堂々とアコニーに答えた。


「別に個人的な関係という意味では、ヤツとはやましい事は何も無いよ。

それは自信を持って言える。

ただ、ちょっと仕事を頼んでるだけだ。

今はそれ以上は言えん」


個人的な関係ではやましいことは無いと拓也は断言する。

尤も、アコニーが嗅いだ臭いというのも、同室に滞在したら移った程度のモノ。

拓也の言っていることは真実なのだろう。

だが、それ以外については答えを濁したのをアコニーは聞き逃さなかった。


「仕事ですか…… 

今のあたしたちの働きぶりでは不服なんですか?」


「不服はないが…… 現時点では話すことは無理だ。

……って、今はそんな事より目の前の仕事をこなさないとな。

ほら、お前もさっさと上陸地点の整備してこいよ。

邪魔な木を切り倒して、ヘリが偵察から戻ってくるより先にヘリポート作るんだよ」


そう言って拓也はアコニーにシッシと追い払うように手を払う。


「まぁ、いいですけど……

あまり変な事はやめてくださいよ?

私だって既に子供二人いるんですから路頭に迷いたくないし」


「あぁ わかってる。

だからさっさと行って来い」


「はいはい」


追い払うようにして言う拓也に対し、アコニーは気が抜けたような返事を返すと、上陸準備をしている他の社員の下へと向かうのであった。


…………


……



「ふぅ、やっと行ったか……」


岸へと向かうボートを見ながら、拓也はほぅとため息を吐いた。

既にそこには先ほどまで突っかかっていたアコニーの姿はなく、彼女はボートに乗って上陸予定地点へと向かっている。


「あんまり無碍にするなよ。

あいつもお前を心配して言ってるんだ」


船から離れるボートを見つめる拓也の背後から、彼に向って声がかかる。

拓也がその声に振り返ると、そこにはエドワルドが腕を組んで立っていた。

拓也はエドワルドの顔を見ると、ニコリと笑ってまた岸のほうへ視線を向ける。


「まぁ そういうのは分かるよ。

俺が死んで会社が傾いたら、路頭に迷いそうなのが社内に一杯いるし。

正直、福利厚生で保育所&私設学校完備のPMCなんてうち位だろ。

まぁ、学校はうちの子の成長に合わせて開校したばっかりだけどさ。

給与も相応、サポートばっちり、だから皆、子供ポンポン作るし、今に慣れたら他の所なんて行けないよね」


大陸からの流入者がここより好待遇で稼げるところなど片手で数えるくらいしかないはず。

拓也はそんな自負の下、自分の身の重大さは知っているとエドワルドに語る。


「別に奴が心配する理由はそれだけじゃ無いんだがな。

知ってるかどうか解らんが、難民から会社に来た初期メンバーはお前の事をかなり信奉してるぞ」


「ふぅん。

まぁ 肝に止めとくよ。

それより、目の前のこれをどう思う?

政府はここを開発するとか言ってるけど……」


そう言って拓也が指差したのは鬱蒼たる緑の大地。

岸からの見た目は、知床かカムチャッカと言われても不思議ではない。

一切の人工物が見当たらない。

木を切り倒し、虫と戦い、未知の野生動物を屠りながらの開拓が、実に大変であろうことは、一目でわかる。


「そう言われてもな。

俺は昔っから軍人だったし、こんな未開の地を開発するなんてどうすれば良いのか解らん」


「直接やるのが俺らじゃないにしろ、資源のためとは言え、政府は本気でこれを開拓するのか……

屯田兵だったご先祖様の苦労を思い起こさせるな」


北海道開拓史の中で中核をなす屯田兵の苦労話。

目の前の自然を前にして、拓也は少年時代の学校での授業や北見の北網圏文化センター(博物館 大人:550円、小学生130円)で目にした屯田兵に関する素晴らしい展示の数々を思い出した。

極寒の中、隙間風の吹く屯田兵屋、襲い来る羆、そして尋常じゃない量の蚊……

おなじような僻地を開拓したご先祖様を偲んだ。


「これが帝政ロシアやソビエト時代のシベリア開拓だったら囚人にインフラ開発やらせるところだが

一体、政府はどうする気なんだろうな」


そして、そんな思いはエドワルドも同じだったらしい。

まぁ 彼が想像したのは北海道開拓史ならぬシベリア開拓史ではあったが……


「なにやらエルヴィスや礼文あたりで移民を募集するようだけど、詳細は知らない。

素行の悪そうなの騙して送り込むんじゃないの?

鎖塚量産して開拓のベース作ってから、一般移民送り込むみたいな」


人権を丸々っと無視すれば、一番の困難である最初の道路などのインフラ整備を囚人に作らせれば、その後は楽になる。

だが、明治日本や帝政ロシア、ソビエトならいざ知らず、今の北海道に出来るかどうか等、考えるまでもない。

そこまで非道に徹し切るなどとても無理だと思われた。


「まぁ そこら辺は俺らが心配してもしょうがない。

政府が決めてやればいいことだ。

それよりも、ヘリが帰ってきたら、いつでも荷揚げできるように準備するぞ。

船内で学者連中が早く上陸させろと煩いからな」


「そうだね。

じゃぁ 手っ取り早く進めるか」


資源獲得を目指した開拓調査。

北海道の対外進出も少しずつではあるが、着実に進んでいるのであった。


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