表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レーヴ・ギャラント(旧Fw:Re:さっきのについて)  作者: 橘月 蛍
深淵世界(ディープグラウンド)編
32/38

第78階層〈没落の館・失意の君〉そのにっ!

大変お待たせしました!

もう少しさくっと行く予定が調子に乗りましたゴメンナサイ!!!

あと、後半に向かってどんどん描写の仕方が迷走します!修正出来ないくらいになったのでそのままドボ~ンします!

大変遅くなりました!どうぞお楽しみ(出来るか分かんないけどね)ください!!!

九つのクリスタルは砕けた。

フィーネの一言にショックを受けたリュートは自重することを止めた。所謂、八 つ 当 た り 、である。モンスタールームと言われるモンスターの大量出現する部屋を寸断し、クリスタルを援護なしに一刀に臥せた。


「次だぁー!」

「落ち着けいっ!」

「もうないから。エリアボス探すよ?」

「っち。」

「「はぁ。」」


呆れながらシャナが紅の風を広げる。


「およよ?電話だ。」

「おー。調べるのはこっちでやっとく。」

「ん~まかすー。」


リュートが虚空に目線を彷徨わせ始める。電話というのは、フレンドチャットの事である。面倒くさがりなリュートはGMのクセに電話呼ばわりしているが。


「はいはーい。」

「んー?いま78階。」

「え!?詰まった!?嘘ぉ!?」


リュートの驚きにギョッとしてカイトが振り返る。シャナはちらっと見たきり索敵に戻った。


「どうした?」

「フェン達91階層から上に行けないらしい。」

「なんで?」

「ちょっと待って。」


リュートがまた虚空に目線を泳がせる。


「詳しく。」

「うん。うん。」

「マジですか。了解。出来るだけ直ぐに行くよ。」

「うん。じゃね。」


彷徨っていた目線がカイトに移る。


「どうだった?」

「エンカウント率が戦闘区域で1000%だってさ。退避区域でも20%みたい。」

「高いな。一分10体って限界突破リミットオーバー以来だな。モンスタールームじゃあるまいし。」


玄関ホールでの大量発生はモンスタールームである。そのためポップポイントが100ほど追加発生し、5秒に一体づつリポップしていた。


「さらにゆうと、敵のレベル帯が一気に上がるって。91階層で1120以上みたい。」

「いきなり+40か。とんでもだな。」

「でしょ?予測では100階層のレベルは1500だって。」

「ありえそうだな。」

「いた。」


今はここを抜ける事が優先か。二人ともそう思いシャナの一言に振り返る。


「どこ?」

「ロビーの開かなかった大きな扉の奥。」

「あー真ん中のおっきい扉かぁ。」

「敵性反応多数。100・・・200・・・うーん。」

「どしたの?」

「どんどん増えてる。フロアボスがいるはずのとこまで、長い廊下なんだけど・・・そこにすし詰め状態だ。うわ、グロ。」

「距離は?」

「長い。500。」

「後詰はセイに任せるとして、誰が突っ込むか。」

「カイトは今回は低レベル組の護衛だね。私らで突っ込んで撃ち漏らしを皆で叩きながら前進かな?」

「妥当だね~。突っ始めはフィーを撃ち込んで、かな?メンバーは私とゼトとフィーとシャナでいいよね?」

「そうだね。後ろはすぐ抜けたいしソロでいいでしょ?アルエルは遊撃で。」

「こうゆう時バランス悪いパーティーだねぇ。」

「近代兵器技能取った人あんまりいないし、ちょっと弓じゃ連射キツいよね。」

「まぁ、中衛はアルエルに任せとけば平気でしょ。全体指揮はカイト任せで。」

「いんじゃない?平気平気。どうにかなるよ。」

「おk!」


カイトは会話に参加せず準備に入っていた。作戦を簡単に(作戦自体が簡単だが)説明して隊列を整える。


「じゃあいくよ!」


今回はフィーネをリュートが打ち出す。リュートは長大な剣を取り出した。


「さーいくぞー♪」

「おま、山刻刀さんこくとうとか!?」


カイトが呆れ顔になりながら突っ込む。山刻刀とは叩き斬ることに特化した剣のシリーズ名で、リュートが取り出したのはその中で最も大きく長い物である。刃渡り3mと言えばおのずとその大きさが分かるだろう。ちなみに刻仙こくせんという生産屋プレイヤーの作品でリュート好みの武具を制作するためかなり贔屓になっている。


「フィーなら問題ないよ!だってフィーだもん♪」

「・・・うん。」

「はいはいさっさと行け。」


シャナがどうでも良さげに言う。ちなみにフィーとはフィーネのことだ。


「ごー!」


リュートが山刻刀を振るう。

風を叩く轟音と共に振るわれた山刻刀が飛び上がったフィーネの靴底を捉えて、鋭い爆発音・・・と共に高速で打ち出した。


「マジで撃ち出した!?」


シャナが驚くのは無理も無い。何故ならリュートは山刻刀を振るうのと共に、爆発系魔法を結界魔法で圧縮したものでフィーネをまさに、撃ち出したのである。

慌てて開けられた扉にぶつかる事もなくフィーネが敵の真っ只中をぶち抜く。敵に肉の有る物が運良く居なかったためか、金属音と骨の砕ける音の多重奏が軽快に響く中、全員が動き出した。


まず、リュートがフィーネを撃ち込んだ勢いのまま、大剣を持っているとは思えない速度で先陣を切る。それに僅かに遅れる形でゼトとシャナが走りだした。

勢いを殺されたフィーネが身長に合わない長大な斧槍を巧みな体重移動で振り回し始めるのと、リュートが馬鹿でかい山刻刀を振るうのはほぼ同時だった。

たった二人で凄まじい広さをカバーするものの、横幅のだだっ広い通路ではかなりの撃ち漏らしが来ている。が、それをフィーネ側はゼトが、リュート側はシャナが次々に討ち取る。それでもなお敵は抜けてくるが、容赦なくイリゼとイクシスの少し小振りな両手剣が襲う。

わずかな時間で、通路を100mほど進むが、後ろから一言声が上がった。


「リポップ来るよーっ!消し飛ばすから結界準備ーっ!」


声とともに、仲間たちの足元にカイトの術式が展開する。


「2っ!」


後方、前方問わずセイの無数の陣が広がる。


「1っ!」


異様に短いカウントが終わると同時、結界が張られ、その境界を埋め尽くすように魔法の乱撃が散る。ほんの1秒ほどの轟音の後、前方から強い風が吹いて視界をクリアにした。そこらじゅう穿たれた床、壁、天井に絶対者組から苦笑が漏れる。


「突撃っ!」


リュートの一声に結界が解かれ、皆走りだす。200ほど進むと、また声がかかる。しかしそれも全く同じ行程によって消し飛んだ。僅かに生き残る敵も、アルクとエルクの抜刀術で一太刀にされ、横から半端にリポップしてくるものは、リオとクレフによって砕かれる。

皆、結構な勢いで戦う中、手を出すタイミングを見失っているのは、シーリスとルインである。

根本的に回復役であるルインと集団戦経験の少ないシーリスは完全に自衛しながら付いて行く状態にある。正確に言うと、ノーダメで回復しようがなく、範囲魔術に穴を開けるスキルであるポイント・ブランクを持っていないために攻撃しようがないのだが。ちなみに、範囲攻撃に味方を避けるようにするとかなりの損失と威力のムラが出るため、広範囲になると必須になるスキルだったりする。

根本的に78階層程度では今のメンバーは過剰戦力なのではあるが。


ほんの数十秒で500を抜けると、リュートが山刻刀を振り上げる。


「開けー!ごまっ!」

「「「何でだよっ!」」」


笑顔でしょうもない事をいいながら扉が叩き切られる。館の中でも一際(おどろおどろしい的な意味で)派手な扉は規格外の大剣による衝撃で派手に飛んでいった。

その飛んでいった扉を腕の一振りで粉微塵に破壊する者が部屋の中央に静かに立っていた。まぁ、ぶっちけてしまおう。体長4mほどの骸骨が靄みたいなボロマントを着ていて大きな鎌を持っている。どっからどうみたって死神さんである。


「リッチじゃないんだねぇ。館なら没落魔術師落ちかと思ったのに。」

「あれじゃない?鎌振り回しながら魔法とか?」

「なんでもいいからやるぞー。瞬殺コースで。」


瞬殺と言いつつ長槍を構え始めるカイト。意図を汲み取って全員が長槍を取り出す。


「いくぞー。

罪穿つ殉教者の聖槍ロンギヌス。構え。」


姿容すがたかたち様々な長槍が構えられる。それが術式に従い紅白の雷を纏う。


「ってぃ!」


一斉に元の形がわからないほど膨大な雷を纏った長槍が放たれる。若干一名よく見ると斧槍を投擲しているのはきっと気のせいだろう。きっと。たぶん。おそらく。

ステータスにモノを言わせたストレートシュート(投擲系ランクB)が雷槍の凄まじい初速を発揮する。躱す準備のあるプレイヤーでも捉えるのがやっとなほど早い一番槍が名前すら調べられていない死神を穿つ。貫通しない特性が死神を大きくよろめかせ、そこへ投げられた雷槍が次々と到達する。

抵抗のうちにボロボロになっていく(外套は元々ボロだが)死神に僅かに遅れて放たれた、ライトニングシュート(投擲系ランクA、加速付加)が直撃する。それはやっぱり長槍ではなく斧槍だった。その加速された質量と貫通しない紅白の雷槍が死神を派手に吹き飛ばす。

部屋の端まで吹き飛んだ挙句壁に盛大な音を立てて衝突した死神は、何故か。










白くなっていた。


先程より一層の淀んだ空気を身に纏い禍々しすぎる白に包まれた死神がその肉のない髑髏をニタリと嗤わせる。


「ん?あれ?あー。」

「「「あーwww」」」

「反転の聖属性じゃまいかーwwww」


反転の聖属性。聖属性なのに禍々しいとゆう意味の分からない属性である。ぱっと見闇属性の為、見た目で聖属性攻撃を叩き込み能力を上昇させてしまうことが多々ある。いわゆる今回のように、だ。主に堕天使系の敵がこの属性だったりする。細かく言えば反転属性は元の属性を喰らうと能力が上昇し、対になる属性(聖の対は闇ではなく魔)を無効化する。


「えぇい!物理じゃ~!」

「あれか、オレの選択が悪かったのか。」

「是非もないね。」

「………突、撃っ!」


話の流れを無視してフィーネが飛び出す。装備が先ほどのハルバードから、ポールアクスになっている。リュートたちはそれぞれの得物を手に飛び出したフィーネを追いかける。

装備の見た目は重装鎧だが、まるで服装備のように軽快な足取りで駆けるフィーネを追う足は鈍い。レベル的には十分単独撃破の可能な領域であり、いくら凶悪なまでの聖属性を持つ罪穿つ殉教者の聖槍ロンギヌスを複数食らったとしてもその上昇能力はレベル換算で100~150程度、とゆうか全員無詠唱だったので良くて100レベル分上がってればいい所である。

フィーネのレベルが1122であり死神のレベル初期値が950程度。そしてこのゲームはタイマンなら同レベルのボスクラス相手とほぼ互角に殺り合うため、エリア平均より低い位のレベルで入ってきて横からポッと出てきた高レベルモンスターに瞬殺されるのである。何が言いたいかというと、単体で出現している今回の死神さんは敵じゃないのである、まる

まぁ、ボスも能力にバラつきがあるし相性もあるので一概に言えないのだがね。


説明するうち、死神に接近したフィーネに大鎌が振り上げられる。振り上げる動作そのものは緩慢だが油断してはいけないのがこの世界の常識。攻撃範囲にフィーネが踏み込んだ途端、閃光の如き剣閃がフィーネに振るわれる。

それをしっかりと目で追って、体格に合わないポールアクスを器用に体の捻りを使ってかち上げる。大鎌が振るわれてから動き始めたそれはしかし大鎌がフィーネに到達するより早く、その身を激しく衝突させる。ぶつかり合った大鎌とポールアクスが一方は振りぬかれ一方は弾き飛ばされる。

大きく出来た隙を逃す筈もなく大振りの追撃が襲う。


死神に向けて。


容赦なく振りぬかれたポールアクスは死神の正中線を叩ききった勢いのまま床にぶち当たる。軽くクレーターのようにぶち抜けた床をさらに破壊しながら突き出た巨大な土槍が死神に突き立てられる。中級武典スキル長柄斧派生〈クラッシャー〉に、基礎理論応用魔術〈スタンプ〉、中級土属性陣魔術〈グレイブ〉の複合技である。これが出来るのははっきり行って上級者のみであるが、Lv1000~装備できる紋章系の混ざった装備は基本的に接近戦しながらの魔術行使が当然という仕様である。〈投影トレース〉はさておき〈想造そうぞう〉が使えないことには出来ないのだが、このへんの隠しスキルに感づいてるプレイヤーは数千万単位で居るプレイヤーの内、2000人いるかいないか程度だったりする。あまりに自然に行使されるがために気付かないのだが。これらを使える者は全プレイヤー中15%程である。意外と少ない。少ないのであるよ~。ちょっと分かり難かったのでもう一回言うと使えるのが15%で気付いてるのが2000人くらい。使えてる人の方が多いよっと。


で、話を戻してこちらを見てみようか。

ん?死神何処に行って…ん?ん?



まぁ…なんだ…。終わってるわ。

説明待ちもなく何があったろうか?…痕跡から見るに同じ複合技でハメ殺したらしい。


「あれー…出番無くなっちゃったねぇ。」

「宣言通り瞬殺ではあったがな。」

「あんたの娘も鬼だよね。」

「……?」

「お分かりでないようです。」

「「はぁ…」」

「???…どうして落ち込んでるの?」

「気にしなくていいよ~。いつものことだし。」

「………うん。」


この天然毒舌っ娘は自分に向けられる悪意に反応が薄い傾向にある。そのためその毒舌は留まる処を知らないのである。まる。


「さて、じゃあレベリング中断してサクッと行きますか!」

「まぁ…南無三。」


低レベル組に地獄への招待状が手渡された。

リュートたちはまだ知らない。90階層から上がもはや別世界だということを。

はい!あと2話くらい挟んでさっさと90層に行きたいです!。

えっと、設定を大幅更新致しましたので!興味があればご一読ください!

はっきり行って読まなくてもまったく本編に影響無いですがwww

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ