第78階層〈没落の館・失意の君〉そのいちっ
設定練ってたら遅くなりました。
設定はもう少し纏まったら投下します。
今回は名前が入っていません。判らん!という方は感想へ。
判らん!といわれた場合改稿します。
-第78階層〈没落の館・失意の君〉
「(゜Д゜)ウゼェェェ!?」
「「「激しく同意。」」」
止めどなく現れるスケルトン各種ゾンビ各種さらにはチェスナイツ(チェスの駒の種類の奴が出てくる。もやが装備つけたみたいな?)とアンデット系がわんさかいらっしゃる。勘弁してほしい。
「同意だけど広域殲滅魔法は止めようね!?みんな消し飛んじゃうよ!?」
「反転虐さぁぁぁーーーーつ!!!」
光魔法と治癒魔法の複合魔法が降り注ぐ。広域殲滅魔法には劣るが、カイトが放てば一瞬で焦土なんですけど。
轟音と共に眩い光が視界を覆う。
静寂の中、土煙が晴れるのを待つ。
幾分マシになった視界で周りを見渡すと、各々結界を張り大した被害はなさそうだ。まぁ、問題なのはカイトの魔法よりも副次発生する二次災害なんだけどね。じゃないと低レベル組の結界とか意味無いし。詳しく言えば、Lv600付近で装備する標準の大盾をぶち抜く程度の威力の石とか装備の残骸とか飛んでくるわけです。うちのメンバーは見てのとうり問題ないけど。
あー、さて。現在地は78階層だお。
洋館だねぇ。それも、夜中の。あーやだやだ。辛気臭いのって嫌い。玄関ホールから進めないし。
何でって?敵さんわらわらいらっしゃる訳よ。これが。
まぁ、レベル上げってことで援護しつつ戦っているわけですが、リスポーンが早過ぎてカイトがたまにキレる。そのたび敵さんが消え去る。けど、どこに行くか決めてる内にまたわらわらだよ。
うん。まぁ、そんな感じで8時間。お腹減りました。
「飽きたね…。」
「とりあえず索敵には何もかからないなぁ。ただ、なんかのクリスタルが9コあるね。」
「あ~。破壊クエストか。」
「だねぇ。」
「サボんな!一人でこの数援護とか面倒くせぇ!」
その割に余裕そうだけど。
「とりあえず右から行くよー。付いて来てね♪」
玄関ホールの入口扉を背に右側の敵が消し飛んだ。
「早っ。相変わらず異常な速さだねぇ。」
「あれでちゃんと把握出来てるから化け物だよな。」
「ぁあん?誰が化け物だ?」
いかな私と言えども傷付くんですけど。
「あーはいはい。進むよ。」
「ぅー。まぁいっか。」
空いた空間に群がる敵をバシバシ薙倒しながら右の扉を蹴り開ける。
瞬間、これまで押し寄せていた敵が、ガラスの破砕音を伴って消失した。
「わ~。久しぶりに見たよ、ドアスイッチ。」
「派手だね。」
「さっさと行くぞ。」
「「えぇ~?スルー?」」
「無論。」
そう言って先に歩き出すカイトの後を、ゾロゾロと着いて行く。
「もう疲れた...。」
「私達のことをもう少し考えてくれても良いと思う。」
「無理でしょう。私達のレベルを上げることを目的としてる以上。」
「僕はもう十分です。」
「みんな......わがままはだめ...だよ?」
「フィーネ...余裕だね。」
「一番動いていたように見えましたが。」
「二人とも。フィーネは規格外だから気にしたらダメですよ。」
「スペックは変わらないはずだけど。」
「まぁ、個性、というモノですね。」
「「チーーート。」」
そんな会話を繰り広げながら、すっかり敵の出てこなくなった廊下を歩く。
目の前に広がる廊下は、幅が10m程もあり真っ直ぐに続いている。時折左手に分かれ道があるが、有り得ない構造(部屋が空間的に重なり合っていたり)が無い仕様になっている(魔法によるものを除く)ため、恐らく屋敷の奥へと続いているのだろう。
その廊下を10分も歩く(補助効果により30キロ近い速度が出ているが)と両開きの扉に突き当たった。
「シャナっちここ?」
「うん。この先に大きなクリスタルがあるね。それと敵性反応が多数。これは...小クリスタルかな?数が半端ない。」
「問題ないだろう。この辺ならレベル差で押し切れる。」
「そうだね。さくっと行こうか。」
シャナはそうゆうと風を自分の周りに集め始めた。カイトが無詠唱で次々補助魔法を掛け、リュートは皆の装備を確認する。
「やばそうなら結界展開すること。みんなおk?」
「「「はーい」」」
そろって同じ声を上げたのを合図に、リュートは迷わず扉を叩き切った。
「「「オイ...。」」」
綺麗にハモったツッコミが入るのをニヤリと見ながら、盛大に音を立てて倒れた扉をわざわざ飛び越えてそこへ入った。
続いて他のメンバーも入ってくる。見渡せば、そこは広間になっており戦闘するのに必要なだけの空間を確保していた。中央にはシャナの索敵通り、長さにして2m、幅60cmはあろうクリスタルが鎮座していた。そのクリスタルは赤々と輝き明滅し、周りを二の腕ほどの大きさの同じ輝きを放つクリスタルが旋回していた。
高速で廻るクリスタルは、近づけば鋭い先端に切り裂かれ、魔法は有り余る魔力を持って打ち消されるだろう。それを想像出来ていてなお、彼女達は笑みを浮かべた。
「そんじゃまぁ、一撃で決めますか!」
リュートは一歩前に出る。
カイトがいつも通り補助魔法をかける。
「戦端は私達で開く。」
不敵な笑みを浮かべながら、セイは超越者組と低レベル組指示する。
「じゃー私補助。」
「シャナっち任せた!」
「(笑)あーはいはい。」
まるで子供に対するような苦笑いをしながら答える。
「おい。敵もお待ちかねだ。行くぞ。」
「「「了解!」」」
返事と共に氷の槍が形作られる。
「れっぱ~り~♪」
リュートの掛け声と共にそれは放たれる。
一気にリュート、シャナを除く全員が動き出す。それと同時、小クリスタル群がリュート達に襲いかかる。
セイ、リオが一瞬でトップスピードまで加速し、それぞれ魔術と短剣で小クリスタルを砕く。そこに正面からイリゼが突っ込み、後詰としてイクシス・シーリス・ルインがそれぞれ一番得意な攻撃を放つ。それらを抜けてきた小クリスタルがクレフから放たれる飛刃によって打ち砕かれる。
一瞬停滞しかけた戦線にアルクとエルクが隙を潰し合うように切り込んだ。
「目覚めろ。撃ち貫くは蒼き晶撃!」
詠唱と共にリュートの左腕に蒼く輝く六本の結晶が現れる。それは短く太い杭の形をしていた。
「おまえ...ハニカムパイルとかエグいな」
「ふっ....もんどーむよー♪」
「何だろ、なまら腹立つ。」
「カイト、気にしたら負けだよ。」
「シャナ、そうゆうならそのジト目止めれば?」
「おk。ムリ。」
切り開かれた空間にゼトがフィーネを打ち出す。
「あいつらおかしいだろ。」
「私は出来る・・・か、な?」
打ち出された速度は尋常でなく、フィーネの纏う重鎧に当たった小クリスタルの尽くが砕け散る。それを後ろから追いかけ、追いついたゼトが更なる加速のために長剣を振るう。それを平然と足場にフィーネが水平に跳躍する。
ギュィィィィィン!!!
唐突にチェーンソーの回るような金属摩擦音が響いたかと思うと、リュ-トが飛び出した。その左腕には火花の変わりにキラキラと破片を振りまきながら高速回転する六本の蒼き杭が。
水平跳躍を敢行したフィーネが勢いを殺がれてクリスタルの直前で落下する。
直後、後ろから追いついたリュートが紅の旋風に守られて小クリスタル群を突破する。
「しぃーゆーぐっばいっ♪」
容赦なく突き出された左拳がクリスタルに触れた瞬間、六本の杭は放たれた。
回転を続けたまま放たれたそれらは、一瞬の抵抗すら許さずにクリスタルを貫き、抉り、砕き、風穴を開けた。
ビシビシとヒビの入った風穴を開けられたクリスタルはその輝きを失い墜ちた。
そして地面に触れた途端、粉々に砕け散った。それと共に部屋中のクリスタルが砕け散る。
その幻想的な光景をしかし誰も見てはいなかった。
「お母さん。」
「ん?」
「鬼?」
「ごふぅっ!?」
リュートはフィーネの一言に吐血して倒れた。
次回、そのにっ