連隊
目を冷ますと俺は変な場所に着いていた。
何とも辺鄙な感じで軍の兵営が存在していた。
それから俺は誰か知らない軍の人の指示にしたがって、連帯の中を歩いた。
途中で食堂らしい建物を通りすぎたのだけど、下のコンクリートが割れていて、歩きにくかった。
それくらいに古い感じの場所だった。
そして、俺は一つの部屋に押し込められた。
部屋の形は訓練所の生活館に似ていたと覚えている。
目を冷ますと俺は変な場所に着いていた。
何とも辺鄙な感じで軍の兵営が存在していた。
それから俺は誰か知らない軍の人の指示にしたがって、連帯の中を歩いた。
途中で食堂らしい建物を通りすぎたのだけど、下のコンクリートが割れていて、歩きにくかった。
それくらいに古い感じの場所だった。
まさしく田舎なんだろうなという場所だった。
大体10分くらいを歩いたかと思えば、俺は一つの部屋に押し込められた。
部屋の形は訓練所の生活館に似ていて、面積はそれよりも小さい部屋だったと覚えている。
そこに俺は見知らぬ男と時間を過ごすことになった。
最初はお互いに沈黙を守っていた。
だけど、いくら時間が過ぎても何も起こらない。
大体1時間が過ぎた頃くらいに、ハンサムな感じの男が口を開いた。
「ずっと黙っていているのもあれですね。何か話しませんか?」
「そうですね。」
ということで、俺たちは簡単に自己紹介をした。
そこでも俺の方が年齢が多かったことが判明して、また俺は兄貴という呼称で呼ばれることになった。
それに彼は俺と同じ地域の常勤らしい。
ということは、これからも顔を会わせる人ということだ。
そうやって色々と話しているうちに、俺たちはいつしかそれぞれの社会で何をしていたかまで話すことになった。
「俺は日本の大学に行ってた。それから2年勉強してたら、常勤って言われたから、戻ってきた感じかな...」
「へえ、留学とかすごいですね。」
「別にそうでもないかな。君は何してたの?」
「俺はですね、大学で声楽をしてました。ちょっと喉の手術をしたので、一旦それを止めて、入隊って感じですね。」
ほお、中々独特な経歴だった。
だけど、この話なぜか聴いた覚えがある。
俺は過去の記憶を振り返った。
「お前もしかして、訓練初日の?」
「え?どういことですか?」
俺の発言に男は戸惑っているようだった。
だけど、俺は彼のことを良く覚えていた。
この男は制式訓練の日に教官に自分の不調を申し出た男だった。
彼は喉の手術をしているので、大きい声を出せないと申告していた。
それで診断書も提出するとか言ってたけど、教官に断られて...
「確か、初日に教官に喉の手術をしてると言ってたよな?その後、喉はどうしたの?」
「あれ覚えてました?ちょっとそれからもずっと大声を出していたので、全く治ってないどころか悪化しました。もう音楽はやめるかも...」
何とも痛ましい話である。
軍は若者の芽を摘み取ったのである。
俺は本気で彼に同情した。
それからのこと、俺は彼のことを必死に慰めた。
まだこれからがあるとか。
この2年の間に治る可能性もあるとか、言葉を尽くしたつもりだった。
彼もそんな俺の言葉が本気だと思ってくれたみたいだ。
そのお陰か俺は彼と親しくなっていた。




