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ラッキーな俺の韓国軍物語  作者: rumari


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化生放訓練

化生放ふぁせんばん

化学・生物学・放射能武器を略した言葉で、それぞれの技術で作られた兵器の略字とのこと。

化生放訓練とはそれらの武器に対処する訓練とのことだった。

所謂、自衛隊で言うCBRN訓練を韓国式で読んだ物らしい。

実際の訓練についてはそれらの兵器に対する総合的な対処法を学んでいたものの、俺の頭には二つの内容しか頭に残っていない。

そう聞くとインパクトが少なく感じられるかも知れないけど、実際の所はインパクトがありすぎていた。

ありすぎていて、その部分以外は思い出せない感じというのに近い。


この訓練というのは理論と実習で分かれている。

実はこの理論教育というものが一日の大半を占めているみたいだ。

俺は覚えてないけど。


では、何故それを覚えていないかと言うとそれは実習のせいである。

この実習というものが俺から全ての記憶を奪い去った。

化生放訓練の実習は大きく2つに分かれていた。


一つ目は化学武器防護用のガスマスクの着用に関する実習。

これは短い時間内にちゃんとガスマスクを着用出来るかどうかを見る訓練だ。

ちゃんとした手順で、ちゃんとガスを防げるように着用出来るかを確認する。

これについては途中で滑稽な過程があってよく覚えている。

訓練兵はガスマスクを着用する前に、周りにもそれを知らせるために


「ガス!ガス!ガス!」


と叫びながら、頭の上に変なジェスチャーを取らされていた。

あの行為はかなり恥ずかしくて未だに記憶に残っている。

そして、二つ目はガス実習訓練である。

これは言葉通り化学兵器の威力を実習する訓練だ。

何と韓国軍は訓練兵をガスで拷問することをカリキュラムとしていたのである。

もちろん、致死性のない催涙ガスでしていたものの。

昔の韓国軍ではこういう加虐行為を政府公認でやっていた。

2026年の今ではやってないらしい。


閑話休題、俺はその訓練でガス室に入ることになった。

最初こそガスマスクのおかげで何ともなかった。

ガスマスクは本当に素晴らしい効果があった。

だから、最初はかなり余裕があった。

けど、助教の一言で地獄がはじまった。


「浄化筒を脱着!」


何とガスマスクについている化学フィルターを外せと命令をしてきたのである。

助教の命令に俺は仕方なくそれを外した。

命に別状はないと聞いていたからである。

そして、風の風聞で空気穴を腕で塞げばマシという言葉を聞いたので、それを実践した。

最初は何ともなかった。

だけど、しばらくして少し胡椒みたいな匂いが上がってきたかと思えば、どんどん痛みが増してきた。

肌に熱が立ち籠り初めて、目と鼻と喉からは苦痛が感じられた。

結果、顔の全ての穴から液体が流れ出た。


「浄化筒を頭の上にあげろ!」


俺が必死に苦痛に耐えていたところで、急に助教がそんな指示を出した.

もちろん、助教はガスマスクをつけたままである。

彼は俺たちが無様に泣き喚いている俺たちを見て目で笑っていた。

俺は何とかそれに耐えながら、その命令に従って、直立したまま頭の上に浄化筒を上げる。


しかし、ウチらの分隊員のうち一人はそれが出来なかったみたいだ。

誰か知らないけど、そいつは扉に向かって飛び出て行った。

俺としてはその選択を恨んだりはしない。

これはそれだけのことだった。


「元の位置に戻れ!」


そいつは必死に扉を開けようとした見たいだけど、前を見れずに失敗したみたいだ。

間も無く、助教に捕まって元の位置に戻された。

それからは、分隊員の失態で俺たちは罰を受けることになった。

催涙ガスを吸い込みながらの腕立て伏せは最悪だった。

だけど、誰も彼を責めたりはしなかった。

彼じゃ無くても、多分誰でも同じ行動を取っていたことは明白だからだった。


多分、ガスの容量からすると、実際の滞在時間は5分も無かったと思う。

でも、体感時間としては30分はいた気がした。

それだけ、きつい経験だった。

ガス室から出た俺は初めて空気のありがたさに涙を流したのである。

本当に最悪の訓練だったけど、一つだけ良いところがあった。

催涙ガスは3週間ずっと風邪で詰まっていた俺の鼻を開通してくれた。


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