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ラッキーな俺の韓国軍物語  作者: rumari


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特技

軍楽隊を付いて行ったところ、俺たちは何かの建物に案内された。

何かの講堂みたいな場所で、椅子ばかりがずらりと並んでいる。

結構広々とした感じの空間だったけど、数百人の青年が一気にそこに詰められるとなると、かなり狭苦しく感じた。

そこからは無限待機、その癖にトイレを行くことも全部統制されていた。

嫌気が差したけど、俺には何も出来ることはなかった。

それから、しばらくして数人の軍服姿の男たちが入ってきて紙を配り始めた。

紙を受け取ってみると個人情報を記載する欄があった。


「静かにしろ!この紙には自分の個人情報を書け!それと自分が持っている免許証なども抜かりなく記載するように。」


男はそう命令してきた。

そう、命令してきたのである。

ここで俺はいよいよ一般人ではなくなったと実感した。

それで個人情報を書くという話に戻ると。

これが軍での特技を決めるためのものだった。

この特技というのはいわゆる自衛隊でいう職種というものだ。

どんな職種でどう軍生活を送るかを決めるものということ。


「俺は常勤だけど…これって書くのか?」


そう言った疑問が頭を過ぎる。

常勤なのにこれを書いたら、他の特技に回される可能性があるのではと思った。

今から考えると馬鹿なことである。

しかし、俺が聞いた軍はそんな馬鹿なことが起こり得る空間だった。

俺は普段から、軍という集団は非合理なことが日常のように起こるところだと聞かされていたのである。

常勤でも何かの拍子で現役兵として連れて行かれるかもしれない。

そうじゃなかったら、こんなもの書かせるわけないからな!

そこで俺の頭の中には一つの言葉が思い浮かんだ。


「軍では出しゃばるよりは、じっとしていた方がマシ。」


誰が言った言葉かは分からない。

だけど、この言葉は俺の訓練所での基本スタンスだった。

自分に能力があると広告したら、それが必要な時に呼ばれるかも知れない。

だから、俺は何も書かないことを選択した。

空欄。それが俺が選択した答えだった。

実際のところ、俺には運転免許と語学の証明書があったけど、空欄で提出した。


それからは個人面談があった。


「これ大学も空欄だけど、大学は?」


「行ってないです!」


ちょっと調子に乗りすぎたと思った。

韓国では大半の若者が大学に行くからである。

俺を訝しげにみる軍人の前にして、俺は豪快な嘘をついた。


この時は不安があって、嘘をつきましたけど、後日にちゃんと訂正してます。

その時は何だこいつはという目で見られましたね。

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