マモンの馬券が当たらない!!10
よっ!
今回は本編の十回目のシリーズ更新って訳だ。
登場人物紹介込みだと十一回になる。
まァ一つの節目だな。
却説本編のことなんだが、そこはかとない「俺達の戦いはこれからだEND」なラストしてる(笑)
これ以降の更新は不定期になるっていうのが作者からの伝言だ。
こっちの話もスピンオフも、どちらも犯罪を助長する目的は一切合切ないからそれは宜しく!
次回もお楽しみに!
by ジェリー
「お金を掛けない時で競馬を見ると結構、当たる人っているよね?」
「まさに競馬あるあるって感じだね、にーにゃん。」
マモンがおやつを持ってくるとアザゼルとベリアがノートを片手に談笑していた。
その後ろでアモンがワークシートとにらめっこをしており、アスモデウスはただ
テレビを眺めていた。今はまだメインレースが始まっていないせいか賭ける気は
ないようである。マモンはアモンの隣に行くとテーブルの真ん中におやつを置いた。
「お疲れ、少し休憩する?」
「嗚呼、そうしよう。」
そう言ってアモンはペンをテーブルに置くと、お盆に乗せたクッキーの皿に手を
のばした。ベリアやアザゼルもテーブルに寄って来てアイスティーの入ったコップを
手に取ると一口飲んだ。アスモデウスは甘いものが苦手なのか?アイスティーは
飲んでもベリアやアザゼルのようにクッキーにまで手を伸ばすことはなかった。
「もしかしてクッキー苦手だった?」
「いや、あまり間食をすることがなかったんでなピンとこなかっただけだ。」
マモンが勇気を出してアスモデウスに聞いてみるとあっさり、そう返ってきた。
その後、アスモデウスは試しにクッキーを一つ手に取ると一口、食べてみた。
甘さ控えめの素朴なクッキーだった為、そのままアスモデウスは何度かクッキーを
手に取ると無言で食べていた。どうやら口に合ったらしいとマモンは安堵した。
「実は……」
「何だい?アスモデウス。」
競馬の観戦を始めて1時間くらいたった時、不意にアスモデウスが口を開いた。
ベリアはアスモデウスに対してせっつくのではなく穏やかな声で先を促した。
マモンとアモンは何の話だろうか?と思いアスモデウスが話すのを待った。
「マモンより少し前に競馬を始めた男がいた。その男の名前はエウリノームと
言うのだが趣味や生活費を稼ぐ為に始めたのではなく全く別な理由から始めたんだ。」
「嗚呼、エウリノームね。彼、結構変わった考えの持ち主だから気が合う人と
合わない人がいるんだよね。しかも、その事実を歯牙にもかけないんだよ。」
競馬を始めるにおいて、その人にはその人なりの理由が存在している。要は
十人十色と言ったところであるが、その独特な理由について驚く人もいれば
納得する人もいると言うことだろう。マモンにはエウリノームが何故、競馬を
始めたのか理由は知らないけれど自分と同じビギナーだと言うことは解った。
「それでエウリノームはどんな風に馬券を買っているの?或いはどんな風に
レースや馬について気をつけているの?知っていたら教えて欲しいんだ。」
「それは何というか独特な方法を用いているから私からは何とも言えないな。」
マモンに質問されたアスモデウスは何とも言えないような顔をしてそう答えた。
エウリノームと友達でもあるベリアはその話を聞いた瞬間、笑みを浮かべると
さも愉快そうに笑った。そしてマモンの質問に対して、こう答えを返した。
「エウリノームは自分の銀行口座から金を出していないんだ。出金先は詐欺師の
銀行口座で何千或いは何万組の馬券を買い当たった時だけ入金先の銀行口座に
振り込んでいるらしい。しかも入金先の銀行口座は皆、政府公認の福祉施設
だと言うのだから彼は十分、世間に貢献していると言っても過言ではないね。」
「はぁ……」
ベリアの話を聞き終えたマモンは言葉にならない声を上げた。生返事にも似た
マモンの返事を聞いてもベリアはちっとも気にしなかった。人の好みはそれぞれ
である分、エウリノームの行動もまたベリアとしては十分に面白いのである。
それをアスモデウスやマモンに強要しているのではなく単なる一つの話として
提供したのだ。アモンはベリアの話を聞いていて気になったところを指摘した。
「それでよくエウリノームは警察に捕まらなかったな。」
「そこはアレだよ。よくあるノードクターと言う奴さ。」
(殺人事件と横領事件、或いは詐欺事件は別だと思うけど。)
世間一般的には悪魔の存在は一種の怪力乱神を語らずと言ったところではあるが
世にはまだまだ不可思議なことは沢山ある。今の科学の力では全ての現象を説明
しきることは出来ない。そのことを利用してエウリノームは詐欺師に対して詐欺を
働いたことになる。まるで悪人が悪人を騙して金を稼ぐようなものだとマモンは
思った。その行為は決して褒められるものではないが強く責められるか?微妙な
ところである。しかも、その存在が現実にはいるのか?いないのか?判別しにくい
生き物であるからして不問に処される可能性もまた無きにしも非ずであった。
「私は自分に合ったスタイルを探そうと思う。」
「うん、頑張ってね。」
ベリアはマモンの言葉に対して否定はしなかった。それはアモンが自分の道は
自分で決めると言う信念の持ち主だからだ。また競馬に関しても、その方法を
取るだろうことは始めから解っていた分、何も驚くことはなかったのである。
(これから、どんな風に馬券を買えばより良くなれるのか?解らないけれど……)
不安がないと言えば嘘になるけれど、それでも前に進むしかない。自分を信じる
ことが出来なかったとしても自分が信じる者を信じて一緒に頑張れば良い。ただ
それだけのこと。マモンは自分が信じる仲間と共に競馬を純粋に楽しめる日が
来ることを願った。そしてそれが自らの意思で出来るようになるまで進み続ける
ことにした。例えその道がどれだけ長くても。どれだけ時間が掛かったとしても
進み続けるしかないと思った。それが自分で決めた道なのだから。これかも皆と
時に笑ったり時に泣いたりしながら自分なりの競馬をしよう。自分なりの競馬を
目指して一歩ずつ進んで行くのだ。今日も明日も明後日も、そしてこれからも。
勿論、これは現在進行形のことなのだからマモンの挑戦は続くのである。
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