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追放薬師テイマーの優雅な日常〜ダンジョン内で幻獣の卵を沢山育てる育て屋さん無双します〜  作者: 幸運寺大大吉丸@書籍発売中


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第1話 追放と決断

-side ゼノ-



「追放だ」

「--!?嘘でしょ?」



 とある酒場にパーティリーダーに呼び出されたと思ったら、いきなりそう告げられた。

 最初は冗談かと思ったが、真剣な表情で何度も言われて、退職金とメンバー全員のサインが書かれた追放通知書まで魅せられた事で、ようやく信じた。どうやら本気らしい。



 俺の名はゼノ。

 Sランクの冒険者だ。ジョブは薬師である。5歳の頃から冒険者を初めて、現在16歳。そして、たった今また失職しようとしている。



「嘘ではない!!マルチタスクは出来ないし、ミスも多い!!そんなので、冒険者はつとまらん!!」

「うっ……」



 紛れもない事実なのでズキズキと心に突き刺さる。

 俺は薬師に加えて、テイマーというジョブも持っている。珍しい2職持ちではあるが、致命的にマルチタスクが出来ない。

 それが原因で過去に3回ほどパーティをクビになっていたのだ。今度のパーティは3年程の付き合いで仲良い奴らが集まって出来たワイワイパーティなのでいけると思ったのだが、無理だったようだ。



「従魔は最強クラスに強いがな、その無双だけで勝てるほどダンジョンは甘くない。薬師の仕事もこなしてくれないとパーティとしては厳しい。それだったら、本音を言えば薬師に特化して欲しいが、それだとゼノを飼い殺しにしてしまう。うちではお前の能力を全て活かしきれないと思ったんだ。だからこれはお前さんのことを思ってだ」

「……?」

「良いか、ゼノ。環境が変われば、仕事内容も変わる。必要な能力も変わるんだ。お前の能力はうちでは活かせないが他ではおそらく活かせるだろう。それを思ってのことだ。単刀直入に言うがお前には冒険者より良い職業があるはずだ」



 そう言って、パーティリーダーは俺に退職金を渡し、去っていった。



 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢



「とりあえず、王都冒険者ギルドの失業保険を受給しないとな……。まさか、いきなりこんな事になるとは」



 優しさ見せるんだったら、そもそもクビにしなきゃ良いのに。というか、クビにするんだったら事前に連絡して欲しい。

 考えてみたら前兆みたいな事は沢山あったけれど。直して欲しいって言われたり、ミスが多い事を怒られたりしたけれど直らなかったもんな。それとなく、直すべきところは直してきたつもりだけれど、今回も無理だったようだ。

 パーティをクビになるのも、4回目ともなれば手続きも慣れたものだ。向こうも、またきたかこの人っていう感じの対応になる。

 顔見知りに受付嬢に声をかけられる。



「またですか?ゼノさん」

「あはは……、お久しぶりです」

「残念ながら、お久しぶりです。本来あなたはここへくるべき人ではないんですけどね……」

「よく言われます」

「よく言わさないでください」

「はい……」

「はあ……、伝説の魔獣フェンリルを従えている有名冒険者なのですから、パーティよりもソロで活動した方が良いのではないですか?」

「だって、ソロは寂しいから」

「よく世の中舐めているのかとか言われません?」

「よく言われます」

「言わさないでください。はあ……、その穏やかな性格は冒険者向きではありませんね」

「あっはっは……!よく言われるよ」

「言わさないでください」

「はい」



 受付窓口に微妙な空気が流れる。

 というか、大体ここにきている人の空気は暗いから、こうなるのが普通なんだけど。



「まあ、冒険者として優秀すぎるあなただったら、次のパーティに入るのも問題ないでしょうが、頑張ってくださいね」

「それなんだけどさ」

「……?」

「俺、冒険者辞めてみようと思うんだ」

「…………は?」



 その場にいるみんながざわっとする。

 そんなに驚く事だろうか?

 俺もそろそろ決断するべきだと思う。



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