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シェア傘ラプソディ♪  作者: 宮本葵
6月2週目「親衛隊撲滅大作戦」
13/26

6月13日「ふふ。じゃあ、4人で勝ったんだね。」

あとで加筆予定

晴れの日がないんじゃないかと言うくらい雨の降っている日の朝。

昨日のこともあったし、またやられてないかソワソワしている。


教室に入った瞬間、やっぱり嫌な予感は的中した。

俺の机の上に――透明のコップ。中には水。いや、雨水だ。その証拠にコップの中の水が濁っている。

おまけに盛大にこぼしたのか、机がびしょびしょだし、俺のロッカーもぐしょぐしょだった。


(……くっそ、わざとやってやがる。流石にやりすぎだな、あいつら。だけど、今日は一味違うから…!楽しみだなあ)


「湊くん、大丈夫!?」


駆け寄ってきた雨音が机を見るなり顔をしかめる。


「うわぁ、流石にやりすぎじゃん……」

「やった奴サイテーじゃん」


後ろから俊介と奈々子もぼやいた。

意外にだが、この2人はクラスの1軍で、結構中心的存在のやつだから、結構影響力がある。協力してもらおうと思ったのもそう言うことだ。


クラスがまた氷事件だとざわざわし始めたところに、タイミング悪く、廊下を通りかかった上級生たちが入ってきた。

その中には、先日氷事件の時に防犯カメラに写ってたり、俺らを妨害してくる“親衛隊幹部”が混じっていた。


「おいおい、また“水難事故”かよ。そこの野郎、お前ってほんっと雨男だなぁ?」


にやけた顔でこちらを見下ろしてくる。てか、なんなんだよ、水難事故って。お前らが引き起こしているのに。


「水難事故が多いのは誰のせいだろうな?」


俺の言葉を聞いて、上級生がキレそうになった瞬間、雨音が一歩前に出る。


「もうやめてよ。私の名前を理由に湊をいじめるの、全部知ってるんだから。」


一瞬、空気が凍った。

教室の中も廊下もざわつく。


「……は? なに言ってんだ雨音ちゃん。俺らはただ――」


「言い訳はいいぜ。聞いててイライラする。昨日、防犯カメラに映ってたでしょ?氷を車で運んでくるところ。」


俊介がスマホを掲げ、保存した画像を見せつける。

幹部の顔色が変わる。


「おい……てめぇ、そんなもん勝手に――」


「勝手にじゃない。先生に頼まれてコピーしたんだ。」


俊介はさらりと嘘をつく。堂々と。

あんなに黒子役がいい、目立ちたくないとか言ってたのに、俺のために頑張ってくれてる。予定とは違うが、さらに状況は悪化していくので結果オーライだ。

ざわめきはさらに広がり、他クラスの連中もやってきて、「マジで?」「やばくね?」と騒ぎ始めた。


「……ここまで証拠が揃ってるのに、まだ続けるつもり?」


雨音の声は冷たかった。いつもの明るさとは全然違う。

幹部は舌打ちして、後ろに控えていた取り巻きに目配せする。

だが取り巻きの一人が小声で漏らした。


「……もう無理だろ、これ……先生にもバレてるんだろ?」


その瞬間、完全に流れが変わった。

幹部は悔しそうに睨んできたが、結局は何も言わずに去っていった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


放課後。

帰り道はやっぱり雨。

でも今日は、心なしか軽やかに感じる。


「湊、ありがとね。私、もう一人じゃ無理だったから。」


「いや、俺一人だったら終わってたよ。俊介も奈々子も、そして雨音もいたからだ。」


「ふふ。じゃあ、4人で勝ったんだね。」


「……なんかRPGみたいだな。」


二人で笑い合った。

雨はまだ降っていたけど、少なくとも俺の心は晴れていた。

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-著者 宮本葵-
茨城県南部出身。中学2年生。最近、何かと運が悪い。やばいと思い、神社へ駆け込み、お祈りをしていたら、たまたま知り合いと会った。小説を書いていて、まあまあ見られていることを話すと、絶対嘘だろと馬鹿にされたので、あとで、スタ連をしておいた。また、どうも最近は小説を書けない。書けなさすぎて、頭が痛くなって、毎日投稿ストップしてました。すみません。

宮本葵の他作品
誰も信用できなくなった俺の前に、明日から転校してくる美少女が現れた。
僕の中学校生活がループしているので抜け出したいと思います。
Silens&Silentia シレンス・シレンティア
最後の7日間 〜吹奏楽コンクール県大会まで〜
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