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第4話 奇跡の炎が灯る夜、私が“鍵”だなんて!? 運命の歯車が回り出す!

いつも読んでくださり、ありがとうございます!

今回のお話では、世未が初めて火の魔法に挑戦するシーンから始まります。彼女が新たな力に目覚める瞬間を、ぜひその目で見届けてください。そして、この力が彼女の運命にどう影響を与えるのか……これからの展開をお楽しみに!

 初めての魔法が成功した瞬間、嬉しさよりも戸惑いが大きかった。どうして私がこんな力を……?頭の中で、様々な疑問が渦を巻いた。

 

 「よくやった、まさか1回目で魔法が使えるなんてな、凄いじゃないか。……とはいえ、火の力を操ることが出来るのか……。これは偶然なんだろうか……(どうして……火の魔法が使えるんだ……?)」

 

 火の魔法を操れる……?そんなことが本当に……。驚愕の色を隠せないルロンドとサージェが、互いに目を見合わせた。サージェが驚きのあまり目を丸くしながら、専門家らしい口調で言葉を発した。『この現象は理論的に説明がつかない……だが、君が“鍵”になるのは間違いない。』そしてルロンドさんは顎に手を当て、何か考え事をしている。偶然とはどういうことだろうか、説明してもらわなくてはと思い、ズイズイと近づく。

 

「火の魔法を使うことは、普通のことじゃないんですか?」

 

 ルロンドさんは何かを考えているようだったが、私に話し始めた。

 

「この惑星ファルナは、4つの国がある。まず今いる火の国イグナ、それから水、風、土の国があるんだ。その他の3つの国は、敵にあたる帝国軍が支配しているのが現状だ。しかし、この火の国には、昔から火の石が奪われたと云う言い伝えがある。今、火の魔法を扱えるのは、世未……君だけだ」

 

 その言葉に、私は思わず息を飲んだ。

 

「どうして私だけが……?」

 

 ルロンドは深くため息をつくと、少し遠い目をした。

 

「火の石は、この国に火の魔法をもたらす象徴で、神殿の最奥に祭られていたものだ。しかし数百年前、突然消失した……。それ以来、この国では火の魔法を扱える者がいなくなったんだ。だが君は、その火の力を呼び戻せる存在だということだ」

 

「でも、どうして私が……この国を救う?そんな責任を負うなんて、無理だよ……」

 

 心臓がギュッと締め付けられるような感覚に襲われた。

 

「それは、これから探っていくことになるだろう」

 

 震えながら自分の両手を見つめる。私には何か特別な力でもあるのだろうかと考えたが、答えは出ない。

 

「しかし、俺たちとしては貴重な情報だ。次回の作戦会議に重要な項目として話し合う余地がありそうだな。……とにかく、今は実戦のために特訓しようじゃないか」

 

 私たちは大きな疑問を抱えたまま特訓に励むこととなった。しかし、その特訓の最中、予想もしなかった出来事が私たちを待ち受けていた――。


 火球を生み出そうと必死に呪文を唱えるが、掌にただの小さな火花が散るだけだった。その光がすぐに消え、世未は肩を落とした。

 

「魔力を集中させるときは、心の中に小さな炎をイメージしろ。焦るな、炎はお前の一部になるんだ」

 

 二度目の試みで、火花が少し大きくなった。それを見たルロンドが微笑んだ。

 

「ほら、できたじゃないか」

 

 と励まされ、私は小さな自信を得た。


 何度も火花を散らしては消える。その度にルロンドがアドバイスを送り、世未は必死に試行錯誤を繰り返した。数時間ほど経っただろうか、私は人形模型に向けて魔法を当てられるようになった。とりあえず目標をクリアしたため、訓練を一時中断し、ルロンドさんが作戦会議の準備を始める。その間、私たちに短い休憩時間が与えられた。

 そのとき、サイレンの音が耳をつんざき、兵士たちは一瞬、呆然と立ち尽くした。しかしその次の瞬間、訓練場は怒号と金属のぶつかる音で溢れた。何事かと辺りを見回す。そこに、兵隊らしき服装の男が駆けつけてきた。

 

「隊長、帝国軍の奇襲です!」

 

「何!?分かった、急いで部隊を出す。お前たちは民を安全な場所に避難させてくれ!」

 

 目の前にいる兵隊は少し動揺しているように見えた。

 

「落ち着け!混乱するな、ここで怯えたら終わりだ!」

 

 鋭い声が兵士たちの動きを止め、ルロンドの冷静な指示が場を支配した。

 

 帝国軍の奇襲……?爆音が訓練所の壁を震わせ、棚の武器が床に落ちて鋭い音を立てた。遠くで悲鳴が聞こえる。黒い鎧の兵士たちは夜の霧から現れたように、無言で進軍していた。その鎧は闇を吸い込むかのように光を反射せず、不気味な威圧感を放っている。彼らの持つ武器からは暗紫色の霧が漂い、揺らめく刃の先端がこちらを睨むように光る。


 黒煙をまとったノクターン・ストライダーの騎馬の群れが、地面を轟かせながら突進してくる。その蹄が地面に触れるたび、焦げた痕が広がっていく。隊列は地平線まで続き、彼らの進撃はまるで闇そのものが迫り来るようだった。


 命の危機が胸を締め付けたが、立ち止まるわけにはいかなかった。 火の国イグナの赤き炎が、果たしてこの闇を焼き尽くせるのか――その答えはまだ誰にも分からない。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

今回の話では、世未の成長の第一歩を描きましたが、皆さんはどのシーンが印象的でしたか?物語が進むにつれて、彼女が抱える謎が少しずつ明らかになっていきます。次回もお楽しみに!

感想や応援コメントも、ぜひお待ちしています!✨

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