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第26話 裁きの炎、解き放たれし時

接近戦チーム&援護チームに分かれて、いざ特訓スタート!

その後向かう先は、危険な気配が漂う「水の神殿」――

仲間との絆、迫る強敵、そして……覚醒の兆しが現れる。

 接近戦のルロンド隊長・ジョー・アディ の3人と、

 援護の世未・ラト・ディーン の3人に分かれて特訓を行うことになった。


「ジョー! 剣筋に迷いがあるぞ!」

「くそっ、これでも精一杯だよ!」


 ジョーは汗を拭いながら、必死にルロンド隊長の鋭い剣撃を受け止める。


 だが、わずかな隙を突くように、アディが素早く回り込み、短剣を喉元に突きつけた。


「ほら、甘い! 動きが硬すぎるんだってば!」

「ぐっ……くそ、もう1回だ!」


 ジョーは息を整え、アディの素早い動きに対応しようとするが、今度はルロンド隊長の踏み込みが鋭くなる。


「視野を広く持て、敵は一人ではないぞ」

「わかってる……!」


 ジョーは歯を食いしばりながら剣を構え直し、少しずつだが二人の動きについていけるようになっていた。


 ♦♦♦

 

 魔法の精度を上げたくて、世未はディーンに教わることにした。


 ラトからは狙い方のコツを学び、模擬戦用の人形模型を使って実践練習を重ねる。


「世未ちゃん、魔力は焦らず集中して放つのがコツよ♪」


 ラトが優しく指導すると、ディーンが横で魔法陣を描きながらアドバイスを送った。


「お姉ちゃん、魔力のコントロールはイメージが大事なんだよ。攻撃対象をよく見て!」

「うん、こうかな……?」


 世未は手を伸ばし、集中して魔法を放つ。


 魔法が人形模型に当たり、ラトが微笑んだ。


「いい調子! さっきよりずっと良くなったわよ♪」


 ディーンが飛び跳ねて喜ぶ横で、世未は嬉しさと共に達成感を噛み締めた。


 ♦♦♦


「今日はこのくらいにしておこう。皆、長い時間頑張ったな。この後はゆっくり休もう」


(そうだ、念のため回復アイテムを補充しておこう。準備しておいて損はないよね)


 世未は店に立ち寄り、手頃な回復薬を手に取った。


(次の戦いが終わったら、絶対に強い杖を買おう)


 心の中で自分に約束し、宿屋へ戻り休んだ。


 ♦♦♦


 早朝から地図を確認していたおかげで、水の神殿まで迷うことなく辿り着けた。


「みんな、油断するなよ。ここからが本番だ」

 ルロンド隊長が緊張感を漂わせる。


 途中でモンスターが現れ、戦闘を繰り返すたびに強さが増していくのを実感した。


「ちょっと待って、これ想像以上に強くないか?」

 ジョーが焦りを滲ませる。


 道は狭くなり、神殿というより洞窟に近い暗い空間に変わっていく。


「足元に気をつけて。滑りやすい場所もあるわ」

 ラトが注意を促し、世未は皆に回復薬を手渡した。


「数に限りがあるから、大切に使ってね」


 深部に近づくにつれ、敵の猛攻により回復薬の消費が激しくなり、残りはわずか1つになってしまった。


「まずいね……このままじゃ持たないよ」

  アディの声に焦りが混じる。


 やっと神殿の奥に辿り着くと、そこだけ明かりが強く、広い部屋があった。樹木の先端のような太い根が地面から突き出している。


「誰かいる……帝国軍だ!」

 ディーンが鋭く叫んだ。


 帝国兵の中から、明らかに異彩を放つ男が前に出てきた。

 

「ようこそ、水の神殿へ。我が名はイザルト・ヴァルター。水の石は既に手中にある」


「水の石……まさか!」

 ルロンド隊長が息を飲む。


「その通り。これが無ければ、水の国は滅びる」

 イザルトは冷たく笑った。


「渡すわけにはいかない!」

 

 ジョーが剣を構え直し、イザルトへと斬りかかる。しかし、イザルトは圧倒的な速さでその攻撃を難なくかわし、軽々と剣を弾き返した。さらに、凄まじい水圧を放つ攻撃が繰り出され、ジョーは防ぐだけで精一杯だった。他の仲間もイザルトの攻撃に対処が追いつかず、徐々に押され気味になる。


「回復薬はもうないわ……これ以上は!」

 ラトが叫ぶ。


 世未が必死に火の魔法を放つと、鮮烈な炎が帝国兵たちを次々に飲み込み、その動きを鈍らせた。しかし、放たれた火の玉がイザルトの氷の防壁に阻まれると、彼の表情が一瞬険しくなり、明らかに世未への警戒が強まった。


「なるほど、火の魔法使いか。これはライゼン皇帝への手土産になるな」


 イザルトが世未を狙い、鋭い攻撃を仕掛けてくる。


「やめて!」


 世未が防ごうとするが、イザルトの水の魔法が強力で耐えきれない。仲間たちは既に限界だった。


 すると突然、後衛にいた私たちの後ろから帝国兵が現れた。どうやら姿を隠していたらしい。私は隙を付かれて捕まってしまった。


「何するんですか!止めてください!」


 私はジタバタと抵抗する。その瞬間、暴れるなと怒鳴られ、頬を叩かれる。


「……痛っ!」


 思い切り叩かれたため痛みが走り、恐怖を感じて体が強張った。上手いように両手を後ろに押さえられ、身動きが取れなくなった。


「この女の命が惜しければ、抵抗はやめろ」


「世未!」


 ジョーの声が部屋中に響く。そして帝国兵の魔法使いが水の呪文を唱えて、世未は大ダメージを受けてしまった。意識が朦朧としてきた中、帝国兵の声が聞こえる。


「生かしておかないとな」


「もう抵抗はできないだろう、連れていけ」


 話し声が聞こえる。世未は薄目を開けて、周りの様子を確認した。


「(嘘……皆倒れてる。私のせいで。嫌、皆を助けなきゃ……!くよくよしてる場合じゃない!)」


 その瞬間、額が割れるような痛みが走った。体中に力がみなぎってくるのを感じた。


「ここまでか……?」

 ジョーが苦しそうに呟く。


「許さない……絶対に!」


「燃え上がれ、裁きの炎よ!全てを灰に帰せ――インフェルノ・バニッシュ!」


 大声を挙げた私に周りの帝国兵が驚き、すかさず取り押さえようとする。しかし、世未の魔法が暴走し、周囲を瞬く間に炎で包み込む。帝国兵は一瞬にして倒れ、イザルトも炎に巻き込まれ苦痛に歪んだ表情を浮かべる。


 「な、なんだこの炎は……!?」

 

 イザルトの目が一瞬、恐怖に染まる。

 だが次の瞬間―― 炎の渦が激しさを増し、世未の体から赤黒い閃光が放たれた。


「まずい……止まらない!」

 ジョーが叫ぶ。


(私……このままだと……)


 轟音と共に、空間が揺らぎ始めた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

戦いが激しさを増す中で、世未たちの絆も少しずつ深まっています。

次回もどうぞお楽しみに✨

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