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第90話 第一段階達成!

無秩序の世界(カオス・イフィリオス)! 」


 ――魔法を詠唱すると周囲が一瞬暗転し、気がつくと先ほどまでイメージしていた家と言う名の城の前に立っていた。

 どうやら転移は成功したらしい。


「よっしぁ……って、うわっ! 」


 ――成功の喜びの余韻に浸ろうとしたら、目の前にりえと女神様が突然現れた。

 そういえば、さっきのは自分だけでの空間移動だったので、りえは女神様の魔法で、僕が転移できたのを見送ってから転移してきたのだろう。


「よかったわね、葵! ちゃんと成功できて! 」

『おめでとうございます。魔力の件は残念でしたが、やはり”無秩序の力”の扱いの才能は素晴らしい者をお持ちのようですね。流石です』


 ――いやぁ……これだけでも才能があって本当に良かったと思う。

 だって、あのままだったらマジで良いとこ全然なかったし。

 とは言っても、まだたった一つの魔法の最初の段階を達成できただけなのだ。

 正直、ここからが本番だと思う。

 はぁ……。まぁ、とにかく頑張るぞ~。


「あぁ、まだ最初の段階かも知れないけど、それを達成できたのはでかいよな。それに僕も魔法を使えるようになったってだけで、でかいもんな。ようやくちょっとは役に立てそうだよ」

「何言ってるのよ。葵はいつも役に立ってるに決まってるじゃない。……魔法なんか使えなくても」

「えっ? あ、ありがとう。そうか……そうだよな……。本当にありがとな」


 ――なんだろう。この気持ちは。

 うれしい。うれしいのだが、その一言では言い表せないような不思議な気持ちになった。

 どうしてなのだろうか。

 りえのことを好きなのかも知れない。

 いや、それは断じて違う。

 僕たちはそういう関係ではないし、なってはいけない。

 自分を見ててくれていた。いや、見ていてくれている。

 そうきっと、改めて感じられて、安心でもしたのだろう。

 それか、自分の居場所を改めて認識できたからなのだろう。

 そうだ、そうに決まっている。

 ……今の自分では、とてもこの気持ちを理解することは難しそうだ。


『――うふふ……』

「きゅ、急に笑い出してどうしたっていうのよ」

『いえ、お二人の関係性が素晴らしいなと思いましてね』

「そ、そうか? 」

『えぇ。こんなに素晴らしい関係性を持つ人たちなど、今まで見たことがないほどにです』

「そう言われると、悪い気にはならないけどな……」

「そうね。悪くはないわね」


 ――なんか気まずい。

 なんだろう、この空気は。

 なんなのだろうか。あの女神様の反応は。

 あの反応はなんとも、女神様に心の中を見透かされてしまった様な気がするのだ……。


 ――ん? あれ? ちょっと待て!

 ……おい! ちょいちょいちょいちょい!

  女神様は人の思考を読み取ることができる。

 そういえば、そうだった。

 というこは、さっきの反応は僕とりえの二人の思考を読み取った上での反応だったのではないだろうか。

 

 ――完全にやられた。

 こうなることを心配していたというのに、結局防ぐことはできなかった。

 恥ずかしい。女神様と目を合わせ得得るのも恥ずかしい。

 僕がりえのことを好きだと勘違いされてないだろうか……。

 大丈夫だろうか……って、今考えてることも女神様に読み取られてしまっていたらどうしよう。

 やばい、パニックだ。

 一回落ち着こう。一回落ち着いて、考えるのをやめよう。


「――あ、葵。エマやガイアちゃんがきっと待ってるし、早く中に入りましょ」


 りえが無理矢理ぎみに話を変えてくれた。

 りえも話を変えてしまいたかったのだろうか。

 まぁ、それは置いておいて、せっかくりえが話を変えてくれたので、それにしっかりとのかっかルとしよう。


「そうだな。いくか」

『そうですね』


 僕たちは城のような女神様の家の城門のような玄関から中に入った。


『「「ただいま~」」』

「あ、お帰りなさいです」

「お帰りなさいなの! 」

「エマ、それにガイア。みんなで食べた夕飯なのに、二人に片付け押しつけちゃってごめんな」

「感謝して、私をあがめ奉ると良いのよ」

「はっは……。さすがはガイア様。かっこいいです」

「そうよ。言い反応かしら」


 ――ガイアの物言いはなんともあれだが、片付けをやってくれたのは事実なのだし、これくらい甘やかしても罰は当たらないだろう。 


「わたしからも改めて、夕飯の支度から片付けまでやってくれてありがとね」

『それではわたしからも。エマさん、それにガイア。ありがとうございました』

「いえいえ、全然たいしたことはありませんよ。それよりアオイ君の聞きたがっていたことは聞けましたか? 」

「あぁ、ちゃんと聞けたよ。今から二人にも説明したいところだけど、もう今日は遅いし、明日またするでいいか? 」

「えぇ。もちろんです。今日はもう寝るとしましょうか」

「そうだな」

「そうね」


 ――エマとガイア。この二人には、今後僕たちがどうしていくのかを伝える必要があるだろう。

 本当は今から伝えるのが良いのかも知れないが、もうかなり遅い時間になっている。明日ゆっくり話すとしよう。

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