表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ゆめ使い

作者: ぼけりんご

今日も困っている人がたくさんいるみたい。

早く助けにいかなくちゃ。

夜になって眠っているこどもたちを見てささやく。

僕はこどもの悲しい夢を食べるゆめ使い。


「まずはあの子のところに行こう。」

泣きながら眠っていてつらそうだ。

トントントン、とゆめの扉をたたく。

「おじゃまします。」

「あなたは誰?」

扉を開けた先にいた女の子はシクシク泣きながら

こちらをじっと見つめる。

「僕はゆめ使い。君のゆめを食べに来たんだ。

どうして泣いていたの?」

「明日は小学校の入学式なの。

でも友達が誰もできなくて

ひとりぼっちだったの。」

「そうだったんだね。

そんな悲しいゆめは僕がたべてあげる。」

パクパクパク、ゴックン。

「これでもう大丈夫。」

「なんだかスッキリしたわ。」

「それはよかった。」

「ゆめの代わりに「ゆうき」っていう種をあげるね。」

「これはなあに?」

「この種を大事に温めていれば、

きっと友達ができるよ。」

「ありがとう。ゆめ使いさん。」

「どういたしまして。」


パタンと静かに扉を閉めてホッと息をはく。

これでもうあの子は安心。

さあ、次の子のところへ急がなくちゃ。

僕のゆめはこどもたちみんなが

幸せになることだから。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 勇気をくれる存在っていいですよね。 ゆめ使いさん、頑張って欲しいです。
2024/01/01 19:25 退会済み
管理
[一言] 悲しいゆめを食べてゆうきの種をくれる、なんて優しいゆめ使いさん。 そして彼のゆめもとても優しく、新年早々ほっこりさせて頂きました(´ω`*) とても大忙しでしょうが、ゆめ使いさんのお蔭で今日…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ