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思い出の缶コーヒー

作者: 清楚委員会

第4回なろうラジオ大賞参加作品


昔どこかで、香水をつけるなら流行りの香水をつけろと読んだのを思い出しました

一緒にいない時でも自分を思い出してもらえるからだとか、香りの記憶と缶コーヒーを題材にしてお話を書いてみました

読んでいただけると嬉しいです

「もしもし梢 、大事な話があるから今からお花畑に絶対に来て」

それだけを言って友人の美香は電話をきった


お花畑は高校時代から溜まり場に使っている喫茶店だ、大人になった今でもちょくちょく皆で集まっている


「はぁ」

深いため息をついてクッションに顔を埋める


美香が何の話をしたいか検討がつく、私と悟が別れてから2人ともグループの集まりに参加しないから腹を立てているにちがいない、仲良しグループの中で付き合って別れたら仕方がないと思うけど、サバサバ系の美香は「そこは気持ちを分けろ」と言うに決まっている


行きたくない気持ちを抑えてお花畑へ向かう、扉を開けると窓際の席に美香が座っていた


美香の飲んでいるコーヒーを見て梢は嫌な顔をした


付き合っていた頃の記憶が蘇るから梢はコーヒーが嫌いだ、朝目を覚ますと悟は必ずコーヒーを入れてくれたとか、飲み物はほとんど缶コーヒーしか飲まなかったから、悟の服はコーヒーの香りが染みついていたとか、ほらまた思い出した


「アイスティーお願いします」


注文が終わると2人は向き合って話し出した


「嫌いで、別れた訳じゃないんでしょ、ヨリを戻したら?」

「そうだけど、今更無理よ」


美香がコーヒーを飲むたびにコーヒーの香りが広がる


「そういえば悟が言っていたよ、梢のつけていた香水の香りを嗅ぐたびに梢を思いだしてつらいって、梢に未練タラタラでかわいそうよ」


「香水の香りで私を思い出すって?」


「毎日コーヒーの香りに苦しめられている私に比べたらかわいいわよ、香水はたまに嗅ぐだろうけど、コーヒーの香りはあっちこっちからするの、コンビニも自販機も缶コーヒー売るな!!美香なんでコーヒー飲んでいるのよ、悟を思い出すからコーヒー飲まないでよ」


「コーヒーなんて大嫌い」


梢は心の中で叫んだつもりだったが、日頃のストレスもあってか全て口に出していた


全て口に出してしまたことに気がつき、慌てて顔をあげると、そこには悟がいた


「実は悟もよんでいたのよね」


「邪魔しちゃ悪いから私は帰ります」


2人を残して美香はそそくさと帰っていった、その後を追うように梢と悟も店を出た


自販機を見つけた悟はコーヒーを買って梢に渡した


「また一緒にコーヒー飲んんでくれませんか?」


梢は何も言わずに頷いた







読んでいただきありがとうございました

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