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11.アトラクナチャのユニークスキル

「な、なにを・・・あぎぃっ!!」


突然ドールは苦しみだした。顔を硬直させ、立ち上がったはいいものの手足の動きはどこかぎこちなかった。


「あ、あがが・・・なにこれ・・・からだ、が、勝手に!」


「うむ、これで準備万端じゃ!」


「な、なにをひ(し)たの!?」


「ワシのユニークスキル『マリオネット』で操っておる。これは、見えない糸で他人を意識のあるまま操ることができる優れモノじゃ。」


「アトラクナチャよ、今から俺の言う通りにドールを操ってくれ。」


「了解したゾイ。」


「そして、みんなも俺がこれから言うことを実行してくれないか?」


みんな一斉に頷いた。


「さて、デカチノフがどんな反応を示すか楽しみだぜ。クククッ・・・。」


・・・・・・


デカチノフはSSSランクの冒険者パーティとともに謁見の間のドアをけ破って突入してきた。


「ドール!無事だったか!!」


デカチノフは銀髪のイケメン剣士で、ほかの三人はそれぞれファイター、アーチャー、回復術師ヒーラーと言ったところだろう。


ファイターは燃えるような短髪の赤髪で気の強そうな女の子。


アーチャーは金髪爆乳で垂れ目がチャームポイント。


そして回復術師は、出ているところがギガメスと同じだが、長い青髪と透き通るような白い肌が何とも美しい。


「こ、これはいったい?!」


「奴隷か魔物たちのおやつにされかけていたってところですわ。」


「間一髪なのです。」


おそらく彼の目に飛び込んできたのは、檻のなかに入れられた少女たちとその檻を囲むようにして構える武装したオークの集団、俺のそばに座り込み、俺に剣を向けられながら複雑な笑みを浮かべるドール、威圧感を放ちながら不敵な笑みを浮かべて玉座に座る魔王ギガメスだろう。


アトラクナチャは、姿を消して他人から視認できないようにしているため。見えていないはずだ。


「あ、う・・・デカチノフ様。」


その瞬間、俺は見えないように後ろに待機していたアトラクナチャに指でゴーサインを出した。


「なんだドール、そんなに怯えずとも今助けに・・・。」


アトラクナチャに思いが伝わったのか、ドールがぎごちない動きで本来一人で密かにやる行為を彼の前で始めた。


「やだ、やあっ!み、見ないでー!」


「なんて汚らわしいことを!」


「いくら性欲がたまっていたとはいえ、普通そこでやるかしら?」


「サイテー。」


「貴様、私がそんなもので興奮する変態だと思っていたのか?」


デカチノフや青の薔薇のメンバーは顔をしかめた。


「やっ!ち、ちがう!手が、手が勝手に動いて・・・止まらないのー!!あっ、ああああーっ!」


ドールは体をびくびくさせた。


俺は笑いをこらえきれずに噴き出した。


「ブハハハハハ!!」


あまりに滑稽な光景だったのか、後ろにいた魔族はギガメスを含めて全員笑い出した。


「ハハハハハ!・・・デカチノフとかいったか?こんなイカレタ奴を嫁にもらったら、あんたの名は地に落ちることになるぜ?!」


デカチノフは呆れかえった。もううんざりだと言わんばかりの表情で俺に話しかけた。


「ああ、魔族の意見に賛同するのは少々気分が悪くなるが、そこに転がっている淫乱女を擁護するよりかは大分ましだ。」


「いひ、いひっひっひ・・・ひーっひっひっひ!!ひゃーははははあ!!!」


「正気をとうとう失ったか。」


「さて、君たちを倒す意味がなくなったがここまで来たからにはやるしかない。行くぞジキーレ、レイトット、トレルーブ!」


「ああ!」「オッケー」「了解なのです。」


赤髪、金髪、青髪の少女たちは、デカチノフの合図に一斉に俺たちに剣や魔法の杖を向けて詠唱を始めようとした。


「まった!」


「なんだインキュバス?命乞いぐらいなら聞いてやるぞ。」


「違う、俺に提案があるのだよ。少しばかり魔王様と話しをするから待ってくれないか?」


「わかった。」


少女三人は困惑していたデカチノフの方を向いていたが、俺の方を振り返って静かに頷いた。


「感謝する。」


俺はそういってギガメスのところに近づいた。


「ギガメス。」


「なんじゃ?」


「あいつらに和平を申し込もうと思う。」


「わかった。で、内容はどうするのじゃ?」


しばらくギガメスと話し合った後、内容について一応の許可を得たのでデカチノフに向かって歩き出した。


「話し合いは終わったか?」


「ああ、君たちに和平を申し入れることにした。」


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