可愛いあの子
可愛いあの子はいじめに遭ってる
私はそれが許せない
あの子はいじめの主犯のA子に恋をしている
主犯のA子はあの子に優しいふりをする
全てはA子が仕組んでいるのに
A子はあの子の味方と嘯いている
だけど私は知っている
裏でA子があの子を馬鹿にしてるって
「あの子、私のことが好きみたい」
「私が言えば何でもするよ」
私は我慢できなくて
ついにあの子に言った
「A子は、あなたのこと馬鹿にしてるよ」
「あなたをいじめるように仕組んでるのも、全部A子だよ」
あの子は少し驚いて、そして私にこう言った
「それが、あなたの真実なのね」
「だけどごめんなさい」
「私の真実は、あなたじゃないの」
「あなたが何を知っているか知らないけど」
「みんなの前でひどいことされた時」
「私を庇ってくれたのは」
あの子の世界はA子で出来ていて
あの子の真実はA子
あの子がひどい目に遭ったあの時
動けなかった私じゃない
それがA子の思惑通りだったとしても
あの時動けなかった私は
可愛いあの子の真実にはなれないね
なんて愚か
あの子も 私も。