第六癒:朝食
「明日10時頃迎えにやるが、体調は問題無さそうか?」
「はい!問題ありません!」
だって魔法の訓練なんて、待ちきれないもんね。
でも聖女の魔法ってどんな訓練するのかな?
部屋に戻ったあとは、お風呂。
入浴後に、ネリネが風魔法で髪の毛を、一瞬で乾かしてくれてびっくりしたが、さすがに疲れてクタクタだった私はそれをぼんやりと眺め、早々に眠りについたのだった。
翌朝は、早々に目が覚めた。
昨日夜早く寝たので、頭スッキリ元気満タンだ。
「リナ様。お目覚めでございますか?」
と言う声とともに、ビオラとネリネがやってきた。
手には洗顔用の洗面器と水差し、タオルやブラシがある。
今日もビオラが髪とメイク担当。ネリネが衣装と靴担当のようだ。
「今日はお2人の殿下と魔法訓練ですからね!動きやすくも綺麗にしますよーう!」とはりきっている。
デートじゃないんだから、髪なんて後ろでポニテで十分!なんて言うと気合いに水をさしてしまいそうなので、黙ってなされるがままになる。
でも朝から顔に美容液を塗ってマッサージ。
デコルテや手足まで、クリームやオイルでマッサージされて、仕上げに淡いいい匂いがするパウダーまでふられている。
こんなのを毎日してもらっていたら、元がどうでも美人になれそう…
「朝食はこちらにお持ちしても、よろしいでしょうか?」
「うん!お願いします。」
「今日は《ぱんけえき》ですよぅ!!」
パンケーキって言った?
イントネーション的に、聖女がもたらしたメニューっぽいな。
出てきたパンケーキはたしかに、覚えがあるパンケーキに似ていた。
上には美しい花の形にカットされた果物や、食用のお花がのっていて、とてもかわいい。
ふわふわのパンケーキを切って口に運ぶ。
美味しい!!
シュワっと一瞬でとろけるクリームと、フワッフワすぎる生地、酸味のあるフルーツの相性が抜群だ。
「こちらのホワイトメルルーのシロップか、リモンのソースをかけても美味しいですよぅ!」
ビオラの手元には、大きなメープルシロップ的なシロップの大きなガラス瓶と、リモンという果物のソースの入った、ジャム瓶がある。
せっかくなので、シロップの方をもらうことにする。
ホワイトメルルーっていうのは木なんだとか。
ひと匙先にもらってぱくり、と味見をする。
「わぁ!コレだけでも美味しい!!」
ただ甘いだけじゃなくて、ちょっと苦味があってココアやナッツみたいな香ばしさがある。
王宮ごはん…レベル高いな…
合わせて食べるとより一層美味しいので、思わずおかわりして食べてしまった。
「気をつけないと、あっという間に太っちゃう…」
「いえ。魔法の使用には、たくさんのエネルギーを必要といたしますので、むしろもっと召し上がってもよろしいかと。」
「そうですよぅ。倍食べても大丈夫って思いますぅ」
「え…?でもさすがにお腹いっぱいだし、あとでにしようかな。」
「承知いたしました。昼食を多めにご用意いたしますね。」とネリネがにっこりと笑いながら、朝食の食器を片付けた。
「時間までよろしければ、お庭をご案内いたしますよぅ。」
提案に甘えて庭を案内してもらった。
「庭園は大きくわけると5つありまして、1つは昨日の藤の庭園、あと4つはローズ庭園、芝生の庭園、季節の花の庭園、花が咲く木の庭園がありますぅ。まずはローズ庭園を、ご案内いたしますぅ」
バラ園を途中まで案内してもらうと、レオン様がいた。
「やあ!おはよう。はやいね、よく眠れたかな?」
「はい、早くに寝たので目が覚めてしまいました。」
「もしリナさえ良ければ、早めに訓練を始めようか?最初は座学からだから、目が覚めているうちがいいとおもうんだ。」
座学…
やっぱりいきなり魔法をドカンと使うなんて、無理よね…
また勉強かぁ…
でも実学って嫌いじゃないし楽しみかも!
あとできれば魔法薬とか作りたいよね!!
魔法薬も異世界の醍醐味だと思う。
第一話に若返りと見た目を神様がいじった文章を付け足しました。
ベースは自分で美人になったイメージです。