第二十三癒:贈り物と会議
パーティーはつつがなく終わり、イーライ様とレオン様、セバスチャンは舞いこんできた案件の整理や、ローダンセ伯爵の件をどうするか検討していた。
「重要な決定は、また明日にするから、今日はリナは寝ていた方がいいよ。」
「私とレオンとセバスチャンで、大まかな優先順位付をしておこう。ゆっくり休め。」
お2人のお言葉に甘えて、ゆっくり休む事にした。
慣れない仕事でクタクタに疲れていたので、ゆっくりお風呂に入ったところまでは記憶があるのだが、気がついたら寝巻きでベットにいた。
しかも、かなり大きな犬サイズのステラを、ガッチリ抱きしめて寝ていた。
いや、モフモフ…超熟睡できました。
感謝…
「やっと起きたか…主様。」
「ステラ…ありがとう。」
「むぅ…主様が昨晩寝ぼけながら、モフモフがないと寝ない!と文句を言って聞かなかったのだぞ。」
「そうだったの?ごめんね。」
疲労が、ピークでずっとやりたかった事を口走っていたらしい。
あんまり記憶がないのが残念…
「…。しばらくはやらんぞ。」
「!!間あけたらまたいいよって意味?!」
楽しみすぎる!
ルンルンで目がスッキリ覚めた。
ネリネが、朝ごはんや身支度を持ってきてくれる。
パンケーキだ。
今朝のパンケーキは虹色パンケーキ。
パステルカラーのピンク、水色、緑、黄色が彩りよく重なり合い、上には真っ白なふわふわクリームとシロップがかかっている。
朝から幸せ〜!!
ステラは人型になり、同じパンケーキをあむあむ食べている。
なんとなく仕草に品があって、かなりハイスピードで食べていてもあまり下品な感じがしない。
朝食の後は会議が始まった。
会議の議題は、パーティーで持ち込まれた案件だ。
「やあ!リナおはよう、よく眠れたかな?」
昨日も遅くまで会議をしていただろうに、レオン様は相変わらず爽やか王子っぷりだ。
すごいな…どうなってるんだ、体力…
「疲れは問題ないか?」
「はい、ゆっくり休ませていただきましたので。」
むしろイーライ様、私はあなたの疲れが心配です。
「では、始めるか。」
それより、さっきから気になって仕方ない物がある。
突っ込んでいいのか。
いいや、聞いちゃえ。
「あの、イーライ様。あの箱の山は?」
ピンクやピカピカの金色の包装だったり、リボン付きで、あんまりイーライ様には似合わない気がする。
「あれか?アレは全部リナへの贈り物だ。内容は問題ないか確認済みだから、いくらでも気に入った物を持ち帰るといい。それ以外はリナの宝物庫にでも入れさせておく。」
え?
「アレ全部ですか?」
「いや、違う。」
そっか、流石に多すぎだよね。
セバスチャンが部屋続きの隣の部屋を開け、レオン様が反対側のドアを開ける。
どちらもギッシリと荷物が詰まっている。
「こっちと、あっちの部屋も全部だ。」
イーライ様がなんでも無さそうに指を指す。
「贈り物、多すぎじゃないですか…?」
「これはまだまだ、始まりに過ぎないよ。リナにはこれからもどんどん贈り物が来るから、何か好みがあれば先に広めておくといいかもね。」
反応を面白そうに見ながら、レオン様が続ける。
「そうすれば…うん。こういうのは減るかもしれない。」
手に持っているのは、どこかの貴族らしき人物のピカピカ純金製の銅像。宝石がジャラジャラついたローブ。
どっちもいらない…
「それだけ有望視され始めている、という事だ。」
イーライ様は、後ろにあった小さな宝石があしらわれた、水晶のブラシを持ち上げて、元に戻す。
「わかりました…ネリネとビオラに手伝って貰って見てみます。脱線してすみませんでした。」
「いや、構わない。」
イーライ様はこちらに資料の冊子をくれる。
案件が1ページごとにまとまっていて、案件No.がふられている。
わかりやすい。
セバスチャン有能だな。
案件No.1は解決済みとあり、負傷・死亡した騎士団の内容だった。
案件No.2は宿場町の件。森に魔獣が逃げたんだよね。
案件No.3は今回のサルビアの件。交易都市奪還と再興に関して。
案件No.4かNo.30くらいまでは交易路に、魔獣が出現して、商人や村人が被害を受けた、という内容のもの。
No.30からNo.85まではパーティーやお茶会のお誘い。
No.86からNo.110までは縁談だった。
被害規模からすると、ローダンセ伯爵の件が1番緊急性が高そう…
「このパーティーより前の依頼案件は別にあるが…」
「兄さん、リナやっぱり被害規模から言うと、一度宿場町に行ってみた方がいいかと思うんだけど、どうかな?」
「私は行ってみたいです。」
「…そうだな。」
「次の報告が明日だから、報告を受け次第出発しよう。」
「終わったら一旦王宮に帰らないとね。他の聖女様達から、茶会のお誘いが来てるんだ。」
レオン様は綺麗な封筒を取り出した。
お茶会か…
ライバルだけど、同じ日本人も2人いるし…またみんなとおしゃべりできるのは楽しみだなぁ!!
その日の夕方…
私はネリネとビオラと一緒に、贈り物の開封の儀を行った。
ステラも手伝ってくれている。
シュルシュルリボンを解く音、ステラが容赦なく包装を破くビリビリ音が響いている。
それを日用使い、お出かけ用、倉庫行きに分けて、トランクに収納する。
トランクはもちろん中が拡張されているので、中はたくさん入る。
「リナ様、こちらはいかがなさりますか?」
ネリネが持っているのは、宝石がキラキラ下がっている、テーブルランプだ。
「倉庫で。」
綺麗だけど趣味じゃない。
「こちらはどうしますかぁ⁇」
ビオラは、見事な銀製のティーセットを持っている。
「うーん。それは使いたいなぁ…」
素敵なティーセットはテンション上がる。
「これはいらんな…ふむ、これはまずまず…」
ステラはつぶやきながら勝手に、ドレスや貴重な反物を仕分けしている。
彼は私の好みなんて百も承知なんだろうから、そのまま放っておこう。
「これで最後です。」
ネリネはボタニカルな柄ものの、飾り用の銀の燭台をみせてきた。
「倉庫で」
ダイヤモンドのネックレス、イヤリング、指輪のセット
ルビーの髪飾り
サファイアのネックレス、イヤリング、指輪のセット
真珠のヘッドドレス
大粒の宝石(ダイヤ25個、ルビー10個、エメラルド11個、ガーネット1個、アメジスト1個、アクアマリン2個)
ドレス15着
反物30反
見事なリボンたくさん
絹のハンカチ15枚
銀のティーセット
銀のカトラリーセット
銀の燭台
宝石の間接照明
特産品(蜂蜜、樹液、お茶、お菓子など)
すごい贈り物だなぁ。
一気に物持ちになっちゃった。




