第十九癒:サルビアの戦い 後編
「これならいけそうだね!兄さん、僕達もリナの援護をしよう!!」
レオン様達が参加してくれれば、グッと楽になりそうだ。
天使軍団、見た目はともかくすごいな…
念のため、天使の軍団を増援しておく。
「聖女の洗礼!」
今度は箒とちりとりの子が、ちょっと多めに来てくれた。
みんなできゃっきゃと楽しそうに、瘴気をお掃除している。
この子達は平和そうで、見ていて癒される。
箒の子達に、小型魔獣が近寄って行く。
大丈夫なのかな。
助けてようかと思ったが…
バシン!!と勢いよくちりとりで叩いて、排除した。
叩かれた魔獣は、モモンガのような可愛らしい動物になり、去っていった。
うん、きっと気のせいだ。
あんなにかわいい子達が、まるでGをやっつけるみたいにやるはずがない。
私は見なかった。
「ほぉ、浄化班も戦闘できるのか…」
ステラさん、スルーの方向でお願いします。
中央広場はみるみるうちに、元に戻った動物で溢れかえった。
「北大通りと南大通りを専用通路にして、動物達を森に還せ!!」
増援にやってきた騎士団に、イーライ様が指示を出す。
「特に、ネズミはこの量が街中にいては厄介だ!注意して一匹残らず森へ誘導しろ!!」
「は!」
騎士団長は姿勢を正すと、すぐさま行動に出た。
「第一班は幻覚の炎魔法で追い込め!!第二班は下水や窓、戸口全て氷魔法で塞げ!家屋や通路への侵入を許すな!」
班長2人に指示を出し、自らも参戦する。
「最後の一匹が、森に入った事が確認できるまでは油断するなよ!!」
動物達は幻覚の炎に追われて、どんどん城壁の方へ走って行く。
そして2時間後。
夕方にさしかかり、ようやく落ち着いてきた。
イーライ様は一旦全員を広場に集めた。
「ここまでご苦労。あと少しだ。最後に、狩漏れがないかどうか、担当区域を決め確認にあたるように。生き残りは順次中央広場へ送るように。終わり次第、集合せよ。」
『ハ!』
ザッという音と共に、騎士達が行動を開始する。
天使たちはまだふよふよ、暇そうに浮遊している。
言葉が通じるか不明だけど、ちょっとお願いしてみる。
「ねぇ、あなた達。ここまでありがとう!お願いがあるんだけど、騎士さん達について行って、魔獣がいたら元に戻してあげてくれない?」
途端にピタリ、と全員が動きを止めた。
たぶん代表なんだろう。
モーニングスターを持った子が、私の前にふわふわ飛んできてニコッと笑うと、ウンウン頷いた。
あ、かわいい。
彼は他の子に指で指示を出して、もう一度にっこりすると自分も合流した。
「天界の者と意思疎通が可能とは…さすが主様であるな。」
「ステラには、やっぱりあの子達見えているんだ。」
「無論だ。変わった者たちだが凄まじいな。」
「ウン…それでさ。レオン様達とか他の人にはちょっと内緒にしてくれない?」
「なぜだ?素晴らしい力ではないか。」
「だってさ、あんまりにも聖女じゃなくない?自分は殴るし、治療から浄化まで武闘派とかちょっとどうかと思うんだけど…」
「むぅ。よくわからんが、主様の希望とあれば聞き届けよう。」
「ありがと。助かるわ。」
天使たちの補助もあり、循環は1時間半ほどで終わった。
「長きにわたる戦闘皆、よくぞ凌ぎ切った。3日後再度確認を行い、問題が無ければこの度の掃討作戦は終了とする。1週間後最終確認の後、住人達の帰還を開始するように。本日はこれまでとする、解散!!」
イーライ様の挨拶ってシンプルで性格でてるよね。
私も、長々としたのは嫌いだから嬉しい。
終わった終わった…
流石に疲労困憊だ…
早く帰りたいな、と思ったがなんか騎士達の様子がおかしい。
なんか私拝まれてない?
ありがたい、ありがたい…とか言ってる人もいるし。
「あの…レオン様?騎士の皆様がお疲れなのか、ご様子がおかしいのですが…」
「ん?あれかい?そりゃあねぇ、これだけの神秘的な奇跡を見せられたらね。聖女信仰に目覚めもするよ。まして彼らは、この街の出身者も多いからね。」
「そんな…崇めていただくような事は…」
「うんうん、居心地が悪いよね…そうだ!これも全部、僕と兄さんの為なんだからさ、イヤーいい仕事したな、また一歩王位に前進。ついでに国民まで救ってしまったな、くらいに思ってよ。」
「そんなに軽く…」
「リナは軽く位でいいよ。君は本当に真面目で、頑張り屋で、それでいて奢らない素敵な人だけど、自分にあまりにも自信がなさすぎると思う。そんな君に、みんなの期待を背負って是非頑張ってほしい、なんて言わないよ。言えば君は、それこそ夜も寝ないで頑張るだろうから…」
「私…そんなにいい人じゃないですけど…」
時々レオン様は、買い被りすぎだと思うんだけど…
私の頑張りだって大半は、ファンタジー世界にワクワクしていただけだし…
「そうかな?僕はもっと自信持っていいと思うよ。」
「リナ、レオン。こちらは終わったが、撤収は可能か?」
「うん、兄さん。大丈夫だよ。」
「はい、私もです。」
天使たちにはさっき、お礼を言ってバイバイした。
拝まれたり、ありがたがられたりなんとなく居心地悪く思いながら、ステラに乗って足速に城壁の外へでる。
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