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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
ダンマス達の夜会、前哨戦
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触り心地のいい牛です

「それでは小生はこれで失礼致します。夜会が終わる頃にまた顔を出しますので、お帰りはお任せ下さい」


「お前はついて来ないのか?」


「付いていきたいと個人的には思うのですが、主への報告が御座います。ですのでミリア様やシヴィー様に教育を施していたのですよ」


 それもそうか。


「分かった、帰りも頼むな」


「もちろんです。お任せください」


「ナラヴィー様にもよろしく伝えておいてくれ」


「畏まりました」


 プチバッフォが離れると共に、プチバッフォよりも背の高い。オレより少し背の低いプチバッフォが姿を現す。


「これより、小生がご案内を務めさせて頂きますミニバッフォにございます」


 まさかのバッフォシリーズ。


「ああ、よろしく頼む」


 オレは手を出す。驚いたような表情をしたミニバッフォだが、そのオレの手に蹄の付いた手を置く。


「このような手で申し訳ございません」


 握り返すことが出来ないようだが、握手。


「先に御到着の皆様もいらしております。斎川様は3組目ですね。ご挨拶に向かいましょう」


 到着順で挨拶をするようで、オレを連れて歩く。


 玄関を抜けた先、パーティーホールだ。


 丸いテーブルがいくつかと、地面に絨毯が何か所か敷いてある。


 テーブルや壁際には椅子も並んでいる。


「レイクロス=ハインノ様、ご挨拶よろしいでしょうか」


 ミニバッフォに連れられた先には、4本足で歩く翼のある牛。


 金色の長い毛に覆われ、小さな角が頭に出ている。


 広めの絨毯に伏せていた巨体が、立ち上がる。


「構わないさー」


「ありがとうございます。斎川様、レイクロス=ハインノ様に御座います」


「レイクロス=ハインノさ。レイっちでいいさ、たのむなー」


「斎川歩、よろしく」


 握手は出来なそうなので普通に挨拶。


「ん~、サイカワ。良い匂いさ」


 嗅がないでほしい。


「おっと、紹介紹介。オレっちの背中の小さな鳥、従者のチロッチ。そんで横の鎧がウッドガーディアンのカカさ」


「ぴーぴー」


「…………」


 どっちも言葉が伝わらない。


「よろしくお願いします、と。丁寧なあいさつをされております」


 こそっとシヴィー。


「ご丁寧にどうも。こっちはシヴィーと、足元のがコロ」


「よろしくお願いします」


「わん!」


「よろしくさ。他にも挨拶いくんさ? だったら話は終わった後ゆっくりするさー」


 何とも言葉堪能な牛……、まあしゃべるウサギがいるんだからしゃべる牛に羽が生えてても今更か。


「では、お言葉に甘えまして」


 軽く礼をすると、向こうも首を縦に。


「それでは失礼致します。斎川様、次はあちらの方です」


 オレがそちらに振り向くと、不機嫌そうな顔をした女の子がこちらを睨んでいた。


「あの獣は」


 オレ達の先を歩いていた大き目の獣のシルエットは彼女だったか。


 なんで睨んでるんだろ?

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