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開かずの塔のダンジョンマスター  作者: てぃる
ダンマス達の夜会、前哨戦
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ドレスの描写が難しい……

「さて、夜会の時間だけど……神殿にいればいいんだよね」


 夜会当日の昼過ぎ。神殿にオレ達は集合。


 神殿も随分とにぎやかになった。


 闇の神ナラヴィー様に光の神ナラヴィル様。


 お二人の眷属たる、魔法の女神エメラ様、太陽の神セリアポリウ様、月の女神ルードムーラ様、秩序の神ゴース様。


 水の神ブルーシェル様、天空神エストラルディア様、大地の神アーシア様。


 瘴気の神ブロッドビッシュ様、豊潤の女神ケレンセリッシュ様。


 創造の神ジェイドリード様、芸術の神ニーロイップ様、深き森の女神エルフェンレイブ様。


「新しい魔物を召喚するたびにそれぞれの崇める神様の像を置いてるからなぁ。いっそのこと全部の神様の像を設置する?」


「崇める者がいないと神様も可哀想ですので、その都度ご安置すればよろしいかと思いますわ」


「それもそうか。むやみやたらと増やすのもミリアの負担になっちゃうし」


「いえ、それは構いませんが。やはり神々へのお祈りに差が出るのはよろしくないですから」


 ドレスアップしたミリアが言いながらオレの横に立つ。


 ミリアの選んだドレスは薄い水色で、キラキラとラメがついたミニスカタイプのドレスだ。


 大きく開かれた胸元がセクシー。


 羽を出すために大きく開いた肩口と背中に、長く美しい金髪が流れる。


 胸元には大粒のブルーダイヤが光り、背中の羽もいつもより煌びやかに見える。


「ケヒヒ、こほん。失礼。アユム様はとてもお優しいですね」


 同じくドレスアップしたシヴィーだ。


 深い青を基調としたロングドレス、しかしスカート部には長いスリットが引かれ歩くたびに細くしなやかな足が見え隠れする。


 ミリアと同じく背中が開いており、収納された翼の展開が可能だ。


 大きな胸はすべて包み隠されているのにも関わらず、歩を進めるたびに揺れる胸元に視線が向かう。


 シヴィーは両手に金のリングをはめており、また大きな輪のイヤリングが黒髪にマッチしている。


「似合うよ、二人とも」


「まあ、ありがとうございます我が主!」


「……ありがとうございます。アユム様に褒められるのであれば着飾った甲斐があったというものです」


 ミリアは花が咲いたような笑顔を向けてくれ、シヴィーは視線を落として頬を染める。


「……異様に珍しいものを見た気がしますね」


「言ってやるなフィル」


 照れたシヴィーとはまたレアだ。でも言わぬが花だよフィル君。


「それもそうですね」


 そんな会話をしていると、ナラヴィー様の像が光り輝きだす。


 その輝きが地面へと伝染し、ナラヴィー様の像の前に魔法陣が形成されて大きな扉が生成された。


 コンコン。


「……どうぞ」


 大きな扉からノックの音が聞こえたため、返事をする。


 オレの返事を聞くと、扉が開く。


「お初にお目にかかります、小生はナラヴィー様の忠実なる下僕プチバッフォと申します」


 ウチのブラウニー達に勝るとも劣らない小型の魔物、羊の角を持つ執事服の悪魔が丁寧に礼をした。


「どうも……」


「皆様、大変凛々しく、お美しい。ご準備も万端なご様子。どうぞ、こちらへいらして下さい」


「はい。行くよ、シヴィー、ミリア」


「「 はい 」」


「おや、ご従者はお二人だけですか?」


「? そうナラヴィー様に伝えられたのですが」


「なるほど。ナラヴィー様もお言葉が足りないご様子……。主に代わり謝罪申し上げます」


「うん?」


「これから向かうのはナラヴィー様が管理なさっているダンジョンにございます。そこにはそれぞれの個室が用意され、そちらで夜会の準備を行います」


 あら?じゃあここで着飾る必要はなかったって事?


「それぞれの個室はいわばそれぞれの屋敷と同様であり、それぞれのダンジョンマスターのダンジョ

ンとして扱われます。まあ広さは普通のお屋敷程度ではありますが」


「なるほど……つまり、それぞれの個室から連れ出せる従者が2人までって事ですか?」


「ご理解が早く助かります。まだお時間がございますのでお連れになる従者を増やして頂いても構いませんよ。部屋を整える者や食事の準備を行うもの、それと給仕の者もいるべきですからな」


 そうなるとフィルが欲しい所だけど、ダンジョンで不測の事態が起きた時にノイだけでは心許ない。


「フィル、ラッシーセルキーのとりまとめ役はいるかい?」


「マスター専属の者がおります」


「わたくしでございます」


 フィルの言葉に1人のラッシーセルキーがオレの元に跪く。


「ラッシーセルキー、お前は今日からシエルだ。フィルはこのダンジョンの為、連れていくことはできない。フィルの代わりにオレを支えてくれ」


「ぐ、ぐう……っ…。は、はい!お任せ下さい!」


 名付けの影響で苦しんだ後、眩い光を体に纏い少しだけ体に変化を起こす。


『セルキスか。ラッシーセルキーの進化体だ』

 

 外見はあまり変わらないが、纏っている雰囲気が変わった。


「素晴らしいお力をお持ちですね……名付けの際に進化まで、ナラヴィー様以外でこのような事をされる方がいらっしゃるとは」


「この門は移動したらすぐ消えるのですか?」


 頭によぎった疑問を口にする、


「いえ、夜会の間は残っております」


「じゃあすぐに行こうか。3人共、行くよ」


「よろしいのですか?」


「シエルに中の様子を確認させて戻す。2人で必要な人員を見繕って送ってくれ。サタンコックは必ず連れてくること」


「かしこまりました」


「それではご案内させて頂きます」


 プチバッフォの先導の下、オレ達は門をくぐる。


 そういえば、塔から離れるのは塔を作ってから初めてかもしれない。


 わあ、ちょっと不安になって来た。

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― 新着の感想 ―
[一言] 細かいけどノック二回はトイレなので執事キャラならノック四回がベターかと
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