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書くところが無いのでここで設定を少し公表
イービルドワーフ:建築、鍛冶
ドワッジ:彫金、彫刻
がそれぞれ得意な傾向にあります
個人差がありますし、基本的にモノづくりならなんでも好きなのでごっちゃで作業していますが。
桟橋と小舟を用意して神殿との行き来が出来る様にした。
「我等にお任せ下さい。あの白亜の神殿に見合った最高の橋をご用意致します」
こんな橋を神殿の前に通すんじゃねーって意味でOK?
「お前達に任せる!」
ただの木製の橋が気に入らなかったらしい。色、一応白いんだけど。
イービルドワーフ達に言われるがまま、白い岩石を大量に用意。
湖の周りが完全に工事現場になっている。
日本の工事車両やら工具は出せないのでコアがモニターでイービルドワーフに見せたところ彼らの職人魂に火が点いた。
今では木製や鉄製の一輪車やポーターがいくつも作成されている。
「とても便利な道具が多いですな、他に何か知りませんか?」
イービルドワーフ達には折り畳みのハシゴやらハンドル付き台車、カゴ台車なんかも紹介。
「ふむ、再現出来そうな物は粗方用意してみますか」
イービルドワーフ達もドワッジ達も一般的な人間より圧倒的に力が強いため、作れるものは木と皮と、金銀銅鉄スズ鉛、そしてミスリルやオリハルコンで作る。
意外な事にアルミやチタンもある。加工の難しさや採掘量の関係で実用的ではないらしいが。
すべての骨組みが空洞の無い鉄の台車でも彼らは苦も無く使う。パイプも教えたが軽すぎて扱いにくいらしくドワーフ達には不評だ。
逆にセルキー達やドライアド達には好評。
台車などを通過させるため、道路の工事も始まっている。
馬車の振動が減ったと喜ぶのはセルキー達だ。
スレイプニル達も蹄鉄を履き替えて順応している。
「あ、今日の夜に雨降らせるから濡らしちゃ拙い物はしまっておいてくれよ」
「了解しました」
オレの日常に星丸に乗って雨を降らす仕事が増えた。
例の加護を乗せた雨だ、コアが普通に降らす雨とは別にオレが降らす雨もたまに欲しいらしい。
「ぎゃうぎゃう」
星丸、まだだよ。
あと変化したところといえば、野外ダンジョンモニターを用意したことだ。
指令室のモニターで今まで説明していたが、工事作業中のイービルドワーフが屋敷に入ると屋敷が汚れる。
そんな日はフィルが静かにキレる。
怖いので外で説明出来る様に大小のモニターをいくつか用意した。
たまにコアが映画を流してて人だかりが出来たりしてる。
でも言葉、分かんないよね?
「むぅ、あの道具便利だな」
「あれは一体どのようなシステムで動いているのでしょうか」
「馬も引かずに走る車、しかも相当に速いな」
ドワッジとイービルドワーフが楽しそうだ。今度は普通の映画じゃなくてドキュメンタリーでも流せばいいのでは? と思う。
「よし、ちょっと作ってくるか」
「うむ、鉄と銀を用意せねばな」
「木材も多く必要だな。あのネジ? だっけか、あれももっと量産せねば」
「ああ、あれは便利だな」
「あのような小さなネジを、まったく同じ規格で数万もの数を用意する技術、まったくマスターの世界の人間の職人の技術は文字通り桁が違うな」
ネジ職人は神扱い。
手作業で作るんじゃないよ?
「金型でまとめて作るんじゃろ?」
「その同じ金型を用意する腕、お前さんにはあるかのぅ」
「少なくともお前にゃ無理じゃなぁ」
「ああん?」
「ほほーう?」
喧嘩してもいいけど、大怪我するんじゃねーぞと。
「こやつ良い腕をしておる」
「ほほう、これはまた無駄な工程じゃなぁ」
「面白い造りの炉じゃな、これで温度があがるとはのう」
あと街のドワーフ達の鍛冶場を覗いてるドワーフも多い。
その作業を見て感心したり爆笑したりしている。
でもいいのかな? ああいうのって一子相伝的な技術だったりしないの?
「親でも子でも、弟子でも師でも友でも敵でも、人の鍛冶や彫金を見て覚えるモノじゃ。それを許さぬような卑屈なドワーフはおらぬですよ」
ドワーフはオープンな性格らしい。




